防御力は捻くれ記者を改心させる。
「あれ?」ここはどこだろう?確か取材にきて、それで…」記者は道端で目を覚ました。
ここ数日の記憶がない。なぜここに来たのか思い出せない。
頭がズキズキした。あたりを見回す。
「安いよ安いよ!迷宮名物ツノヘビの串焼きだよ〜!うまいよ〜」屋台の親父の声が聞こえる。
そうだ。俺は迷宮都市グルメの記事を書きに来たんだった。思い出した。なぜここで寝ていたのかが思い出せないが。
「すいません。串焼き一本ください。」記者は笑顔で注文した。
プリプリな食感で淡白な味わい。そこに濃厚なタレが塗られ香ばしく焼き上げられた串焼きはとんでもなく美味だった。もう二本ほど注文しようかと記者は考え込んだ。
側では同じパーティーと思われる男女、ゴブリンやエルフたちが串焼きを食べながら次の遠征について真剣に議論していた。
「仲間か…」記者はつぶやいた。
「そうか。背中を預けられる仲間なら、男だろうが女だろうが異種族だろうが関係ないのかもしれないな。どこまでも対等でどこまでも尊重し合える。すばらしいな。」記者はため息をついた。
『王都毎月通信 第232回』
どうも。フランクです。今日は迷宮都市におけるパーティーの絆とグルメについて紹介したいと思います…
(終)
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