第30話 三十

ただ、期限は設けられていないそうなので、その点に関しては助かりますね。

その後、渡された地図を頼りに目的地へ向かう事にしましたが、その途中で気になる建物を見つけました。

それは一見すると普通の民家のようでしたが、よく見ると看板が出ているのを発見します。

しかし、そこに書かれていた文字は読めなかったので、後で調べてみようと思いました。

そうして歩いている内に、目的の場所へ到着しました。

そこは古びた教会だったのですが、人の気配が全くありませんし、手入れされていないせいでボロボロになっていました。

おまけに中に入ってみると埃だらけだったので、思わず咳き込んでしまいましたよ。

でもまぁ、仕方ないですね。

とりあえず、掃除してから考えましょう!

そう思って、まずは窓を開け放ち、空気を入れ換えてから箒を手に取り、床を掃いていくことにします。

そうすると、不思議な事に汚れが取れていき、綺麗になっていくではありませんか!

これには驚きましたね。

まさか、こんな方法で綺麗になっていくなんて思いもしなかったので、本当にびっくりです。

これなら、あっという間に終わりそうですね。

そう思ったのですが、そう簡単にはいかなかったようです。

なぜなら、祭壇らしき場所に魔法陣らしきものを見つけたからなんです。

気になったので調べてみたところ、どうやら転移魔法の類のようでした。

ただし、一方通行のものらしく、一度発動させると二度と使えないそうです。

そこで、試しに使ってみようと思い、試してみることにしました。

その結果、無事に成功することができました。

これで、いつでも好きな時に戻れるようになりますね。

そんな訳で、さっそく戻ることにしたのですが、その前にやることがあることを思い出しました。

そう、お祈りですよ!

神様にお祈りを捧げることで、願いを叶えてくれるらしいですからね。

せっかくだから、やっておきましょうかね。

そうして、手を合わせて祈ると、眩い光に包まれていくと同時に意識が遠のいていきました。

次に目が覚めた時、私はベッドの上にいました。

辺りを見渡すと、見覚えのある風景が広がっていることから、元の世界に戻ってきたのだと確信を持ちました。

それと同時に、安堵感を覚えながら起き上がり、鏡の前に立つと自分の姿を確認します。

そこには見慣れた顔があり、思わず嬉しくなってしまいました。

(良かったぁ〜)

そう思いながら、自分の頬を抓ってみましたが、ちゃんと痛みを感じたので夢ではない事が分かります。

それでも不安があったので、念の為にステータスを確認してみることにしました。

名前:雨宮英里(あまみやえり)/女/16歳

種族:人間

体力:∞

魔力:120000000

力 :10500

攻撃力:10000

防御力:50000

素早さ:8000

賢さ:150000

精神力:1000000

運の良さ:50000

魅力:89000

神々しさ:0

幸運度:99999

スキルポイント:35000

所持金:1000G

(1万ゴールド)装備一覧武器・防具なし装飾品・アイテムボックス、無限水筒、身代わり人形×5、

回復ポーション×2、解毒薬×2、目覚し時計、テント、寝袋、調理セット、調味料各種、

着替え一式、タオル、歯ブラシ、石鹸、シャンプー、リンス、トリートメント、

ボディソープ、洗髪剤、シャワールーム、トイレ、キッチン、ダイニングテーブル、

椅子、ソファ、ベッドetc.加護称号【アルヴェルスの妻】、精霊王の祝福、魔王の興味、神々からの注目、運命の導きetc

(よく分かりませんが、こんな感じですね)

それにしても、相変わらず凄い能力値ですよね〜。

特に、この幸運度の数値の高さには驚かされましたよ。

だって、普通じゃあり得ない数字ですからね〜。

普通なら、せいぜい50前後くらいなのに、これは異常としか言いようがないと思います。

しかも、まだ続きがあるんですよ。

なんと、その下には括弧書きで+表記されている部分がありまして、そこにはこう書かれています。

++++++

女神の寵愛、悪魔との契約、世界の理を超えた者

+++++

あ、あはは……なんか凄すぎて、もう笑うしかないよね? これ……。

もう、どうにでもなれって感じだよねー。

はぁ……。

それからというもの、私はアルヴェルスと行動を共にするようになりました。

というのも、彼と一緒にいた方が安全だと考えたからです。

それに、彼はとても優しくて頼りになる人なので、一緒にいて安心できますからね。

そういうわけで、今日も二人で仲良くデートしているところですが、今日はどこへ行こうか迷ってしまいますね。

何せ、この街は広いですからね〜。

どこへ行っても楽しい場所ばかりですもんね。

というわけで、歩きながら考えていると、不意に声を掛けられました。

振り向くと、そこにいたのは二人の男性でした。

一人は金髪碧眼のイケメンさんで、もう一人は銀髪赤眼でワイルド系のイケメンさんでしたね。

どちらもタイプが違うタイプの美男子ですが、一体何の用でしょうか。

不思議に思っていると、金髪の男性が話しかけてきました。

「こんにちは」

と挨拶してきたので、こちらも笑顔で返しつつ、軽く会釈をして応えましたが、

その直後、いきなり腕を掴まれてしまいました。

驚いて振り払おうとしたものの、ビクともしませんし、それどころかどんどん力が強くなっていきます。

やがて痛みに耐えられなくなってしまい、悲鳴を上げてしまったところで、

ようやく手を離してくれました。

けれども、今度は別の意味で恐怖を感じてしまって動けなくなり、その場に座り込んでしまう事しかできませんでした。

そうすると、それを見たもう一人の男性は、私を庇うように前に出てきました。

それを見た二人は驚いた様子でしたが、すぐに気を取り直したのか、再び話し掛けてきました。

しかし、その内容は私の予想とは違っていました。

どうやら、彼らは私のファンのようで、サインが欲しいという事だったのです。

それを聞いて安心した私は、喜んで応じる事にしました。

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