第27話 二十七

「んっ、ちゅっ、れろっ、んむっ」

(あぁ、駄目なのに……こんな事はいけないことだって分かってるはずなのに、止められない!)

結局、私は流されるままに身を任せる事しか出来ませんでした。

暫くの間、同じことを繰り返している内に慣れてきたのか、徐々に慣れてきて、

少しずつですが余裕が出てきたところで、 ふと我に返り、このままではいけないと思って、

どうにかしなければと考え始めました。

それから、少しの間、お互いに求め合い、貪るような激しいキスを続けていましたが、

そろそろ頃合いだろうと思い、先に進むことに決めました。

「私はアルヴェルスの妻です、なので、一緒に魔王討伐というより何処かの村でも街でもいいので、

のんびりと過ごしませんか?」

そう言うと、彼は驚いたような表情になり、固まってしまったので、今のうちに逃げ出そうと思い、

立ち上がろうとした瞬間、彼に腕を掴まれてしまいました。

そして、あっという間に組み伏せられてしまい、身動きが取れなくなってしまった上に、

覆い被さられてしまっていて逃げ出すことも叶いません。

それに、先程から耳元で囁かれているせいで、頭の中まで痺れてきて、

思考が纏まらず、何も考えられなくなってきてしまいます。

それでも、何とか正気を保っていられたのですが、それも時間の問題でしょう。

何故なら、彼の囁く声が心地よく感じられ、このまま身を委ねてしまいたいという衝動に駆られてしまっているからです。

そんな私の気持ちを察したのか、彼が私に問いかけてきました。

その言葉を聞き、その意味を理解した瞬間、一気に顔が熱くなりましたが、同時に嬉しくもあり、胸が高鳴りました。

そうして、返事をする代わりに頷き返すと、彼も嬉しそうに微笑み返してくれたのでした。

それから、暫くの間は抱き合っていたのですが、そろそろ頃合いだろうと思い、先に進みましょうと言い、

彼を立たせてあげると、そのまま抱き着いて、胸に顔を埋めました。

そうすると、彼は戸惑いながらも優しく頭を撫でてくれました。

それが嬉しくて、つい甘えてしまった私は、自分から唇を重ね合わせ、舌を差し入れると、

それに応えるように絡ませてきたのです。

最初は恥ずかしかったけど、だんだんと気持ちよくなってきて夢中になってしまいました。

そうやって長い間、お互いの唾液を交換し合っているうちに、息が続かなくなってきて、

苦しくなったので離れようとしたところ、逃さないとばかりに頭を押さえつけられてしまい、

再び深い口付けを交わしていくのでした。

ようやく解放された時には、もうフラフラで立っていられないくらいになっていましたが、

なんとか堪えつつ、彼から離れると、名残惜しそうに見つめていましたが、

流石にこれ以上続けるわけにはいかないと判断してくれたようで、大人しく引き下がってくれました。

私は、ほっと胸を撫で下ろしながら安堵していました。

その後、彼から差し出された手を取って立ち上がると、そのまま手を繋いだ状態で歩き出しました。

そうすると、その先に大きな扉があり、その前で立ち止まると、ゆっくりと開かれていき、

眩い光が差し込んできました。

あまりの眩しさに目を瞑ってしまいますが、恐る恐る目を開けると、そこは草原のような場所でした。

そこで、私達は暫くの間、辺りを散策していると、小さな小屋を見つけました。

中に入ると、そこにはテーブルや椅子などが置かれており、生活に必要な物が一通り揃っていたので、

ここを仮住まいとする事にしました。

早速、家の中を片付けてから、夕食の準備に取り掛かります。

幸いにも食材は豊富にあったので、手早く調理を済ませた後、二人で一緒に食べました。

「美味しいですか?」

と聞いてみると、彼は笑顔で頷いてくれたので、私も自然と笑顔になることができました。

それから、食事を終えた後は、お風呂に入る事にしたのですが、その前に身体を洗ってあげようとしたら、断られてしまいました。

どうやら、自分で出来るから必要ないと言われてしまったので、仕方なく一人で入る事になりました。

しかし、私が湯船に浸かっている間、彼は脱衣所で服を脱いでいるらしく、

「早く来てくださいね!」

と言うと、慌てた様子で返事をしてくれましたが、一体何をしていたのでしょうか。

不思議に思いつつも、待っている間に考え事をしているうちに眠くなってしまい、ウトウトし始めました。

暫くして、声をかけられて、ハッと目を覚ますと、いつの間にか彼が背後に立っていたので、

驚いてしまいました。

しかも、何故か裸のままだったので、余計に戸惑ってしまうのですが、

「あ、あの、どうしたんですか? なんで、そんな格好をしているんですか?」

と聞いてみましたが、答えてはくれませんでした。

その代わりに、突然、押し倒されてしまいました。

そのまま馬乗りになった状態で見つめられると、恥ずかしさのあまり顔を背けようとしますが、

顎を掴まれてしまって動けません。

そして、そのままキスをされて、口内を蹂躙されてしまい、頭がボーっとしてきました。

しばらくして解放される頃には、すっかり蕩けきってしまっていて、抵抗する気力すら残っていませんでした。

それどころか、もっとして欲しいという気持ちでいっぱいでした。

そうすると、彼は満足した様子で微笑んでくれました。

それを見て、嬉しくなった私は、思わず抱きついてしまいました。

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