第26話 二十六

そこから、お返しとばかりにキスをすると、向こうも同じようにしてきたので、

暫くの間、お互いに求め合い、貪るような激しいキスを続けました。

そして、満足したところで、唇を離すと、そのまま離れました。

その後は、何事も無かったかのように振る舞い、その場を後にしました。

それから、自分の部屋に戻り、ベッドに寝転がると、そのまま眠りにつきました。

翌朝になると、朝食を済ませてから、冒険者ギルドへ向かいました。

中に入ると、依頼書が貼られている掲示板に向かい、その中から、ゴブリン退治の依頼書を剥がし、受付嬢に渡しました。

そうすると、ギルドカードの提示を求められましたので、言われた通りにすると同時に、

ランクアップのためのポイントも加算され、無事にDランクに昇格することができました。

その後、手続きを終えてから、早速、森に向かうことにしたのですが、

準備不足のため、一旦、街に戻って買い物を済ませた後、再び森の中へ入っていきました。

暫く進んで行くと、途中で複数の足跡を発見したので、辿って行ってみることにしました。

そうすると、そこには数匹のゴブリン達がいたので、気付かれないように背後から忍び寄り、

一気に襲い掛かりました。

最初の一匹を倒すことに成功し、次の獲物に向かって行ったのですが、残り二匹のうち、

一体は既に倒してしまったため、残った方を仕留めようとしました。

しかし、相手の方が動きが速く、なかなか捕まえることができません。

それでも諦めずに追いかけていると、いつの間にか見失ってしまっていました。

辺りを見回してみると、近くに洞窟があるのを発見しました。

どうやら、ここが奴等のアジトのようでした。

そこで、中に入ろうとしたのですが、入口が狭くて入れなかったので、

剣を使って無理やりこじ開けることにしました。

それから、中に入ってみると、そこには沢山のゴブリンがいて、一斉に襲いかかってきました。

私は慌てて迎撃態勢を整え、応戦することにしたのです。

最初に襲ってきたのは、棍棒を持った個体でした。

そいつの攻撃を避けつつ、カウンターで斬りつけると、あっさりと倒すことができました。

次に現れたのは槍を持っている個体で、そいつは素早い動きで攻撃してきますが、

私も負けじと動き回りながら攻撃を繰り出していきます。

その結果、私の方が優勢になったので、そのまま押し切ることにしました。

最後に残ったのは、弓を持っている個体だけでした。

その個体だけは他の個体よりも一回り大きい体格をしていたので、恐らくリーダー格なのでしょう。

その証拠に、他の個体とは違って、しっかりと装備を身につけていましたし、武器も弓矢ではなく、ロングソードを持っていました。

それを見た私は、警戒しつつ様子を伺っていましたが、一向に攻撃を仕掛けてくる気配はありません。

それどころか、微動だにしないどころか、その場から動こうともしないので、不審に思った私が近づこうとした瞬間、

突然、目の前から姿を消してしまいました。

それと同時に、背後に気配を感じた私は、咄嗟に振り返りざまに剣を振り下ろしましたが、

既にそこに奴はおらず、空振りに終わりました。

その直後、再び姿を現したかと思うと、持っていたロングソードを振り下ろしてきたので、

それを受け止めるために、防御の姿勢を取ったのですが、勢いを殺しきれず、弾き飛ばされてしまい、地面を転がりました。

その際、手に持っていた剣を落としてしまったようです。

慌てて拾い上げようとしたものの、それよりも先に相手が追撃を仕掛けてきたので、やむなく諦めて回避に専念することにしました。

そうすると、今度は蹴りを入れてきたので、後ろに飛び退いて避けようとすると、更に距離を詰められてしまい、

そのまま押し倒されてしまいました。

そして、強引にキスをされそうになったので、顔を背けて拒絶の意思を示します。

しかし、それが気に食わなかったのか、頬を叩かれてしまいました。

痛みで涙目になりながら睨み付けると、何故か相手は満足げな表情を浮かべています。

(何でこんなことするんだろう?)

と思いながら見つめていると、不意に視線が合った途端、ニヤリと笑って舌なめずりをしてきました。

「ひっ!?」

(怖い! 助けて!)

心の中で叫びますが、誰にも届きません。

その間にも行為は続いています。

やがて、唇が離れる頃には、すっかり蕩けきった表情になってしまいました。

そんな状態ではまともに思考することも出来ず、されるがままになっていることしかできません。

しかし、このままでは良くないですし、どうにかする為に神の力を使い、物凄く抵抗をします。

そうすると、突然力が漲ってきて、先程までとは比べものにならないくらいの力を手に入れました。

その力でアルヴェルスを押し退けることに成功すると、すぐさま距離を取り、臨戦態勢に入ります。

それに対して、彼は余裕綽々といった様子で佇んでおり、その様子を見て、怒りが込み上げてきましたが、

なんとか抑え込み、冷静さを保ち続けました。

そして、深呼吸をして気持ちを落ち着かせると、改めて相手を見据え、隙が無いか観察を始めました。

すると、すぐに分かりました。

(あれ? この人、意外と強くない?)

と思った矢先、いきなり目の前に現れたと思ったら、次の瞬間には首筋に吸い付かれてしまいました。

突然の事に驚きつつも、何とか引き剥がそうと試みたものの、全く動く気配がありません。

むしろ、より強く吸われてしまい、痕が残るほどです。

その後も暫くの間、続けられるうちに、段々と頭がボーっとしてきて何も考えられなくなると同時に、

身体の奥が熱くなってくるのを感じました。

そして、次第に呼吸が荒くなり始め、息遣いが激しくなっていき、遂には我慢できなくなり、声を上げてしまう始末でした。

しかも、一度声が出てしまったら止まらなくなってしまい、何度も繰り返し叫んでしまいました。

その間もずっと続けられていたので、息苦しくなってきた頃に漸く解放されて、大きく息を吸い込むと、

酸素を求めて呼吸を繰り返します。

しかし、それだけでは足りず、肩で息をしながら呼吸を整えていると、今度は首筋を舐め上げられてしまい、

ゾクッとした感覚に襲われて、思わず声が出そうになりましたが、どうにか堪えることが出来ました。

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