第25話 二十五

「あの、ここで何をするんですか?」

私が質問すると、アルヴェルスは答える代わりに私の事を押し倒してきました。

そして、いきなりキスされたと思ったら、私は危険を察知し、そのままアルヴェルスの前から逃走するのです。

背後から呼び止める声が聞こえてきたけど、無視して走り続けていると、次第に声が遠ざかっていったので、

安心して足を止めると、その場に座り込んでしまうのでした。

それから、暫くの間、その場で休んでいたのだけど、いつまでもこうしているわけにはいかないと思い、

立ち上がって歩き出すことにしたんだけど、その時にはもう日が暮れてしまっていたので、

仕方なく野営することにしました。

それから、食事を済ませた後、私はアルヴェルスとアリサちゃんが居る宿へと戻るのですけど、二人とも何故か見当たらないので

どうしたのかなって思いつつも、先にお風呂に入る事とします。

浴室に入ると、お湯が張られていて、湯気が立ち込めていることから、既に誰かが入った後だと分かるのですが、

今はそんなことよりも疲れを取る方が先決だと思い、湯船に浸かりました。

ふぅ~気持ちいいですね、やはり日本人は風呂に入らなければいけませんよね? などとくだらない事を考えながら、

のんびりと寛いでいると、脱衣所の方から物音がしたので振り返って見てみると、そこには裸になったアルヴェルスの姿がありました。

驚いたのと同時に咄嗟に目を背けたのですが、それがいけなかったみたいで、彼はこちらへ向かって歩いて来ると、

強引に振り向かせて、再びキスをしてきました。

しかも今度は舌を入れてきたのです。

抵抗しようにも力で敵わないので、されるがままになってしまい、暫くの間、口内を蹂躙され続けた結果、

ようやく解放された時には腰が砕けてしまい、立てなくなっていました。

そんな状態になっているにも関わらず、お構いなしに迫ってくる彼に対して恐怖心を抱き、逃げようとしましたが、

あっさりと捕まってしまい、押し倒されてしまいました。

私はそのままアルヴェルスの事を押し退けて、浴室から出ると脱衣所ですぐに身体を拭いて、着替えを済まして

お部屋へと戻るのです。

部屋に戻る途中、廊下の窓から外を眺めて見ると、綺麗な星空が見えました。

(今日はいい天気だなー)

と思いながら歩いていると、突然誰かに声をかけられました。

振り返ると、そこに居たのはアルヴェルスだったのですが、何故ここに居るのでしょうか。

不思議に思っていると、彼はいきなり抱きしめようとしてきたので、慌てて避けようとしたら足を滑らせてしまい、

転んでしまったのですが、その際に彼の腕の中にすっぽり収まってしまい、身動きが取れなくなってしまいました。

そして、耳元で囁かれる度にドキドキしてしまい、鼓動が激しく脈打つのを感じていました。

そこで我に返った私は、どうにか逃れようともがいてみるものの、力の差がありすぎて全く振り解けそうにありません。

それどころか、ますます強く抱きしめられてしまいます。

このままだと不味いと思った私は、必死に助けを求めますが、誰も来る気配がないので絶望していました。

そこへ追い打ちをかけるかのように、首筋に吸い付かれたり、耳を甘噛みされたりするので、

段々と変な気分になっていきました。

そのせいなのか、次第に頭がボーっとしてきて何も考えられなくなったところで、今度はキスをされました。

それも濃厚なやつです。

「んっ、ちゅっ、れろっ、んむっ」

(あぁ、駄目なのに……こんな事はいけないことだって分かってるはずなのに、止められない!)

結局、私は流されるままに身を任せる事しか出来ませんでした。

「ぷはぁ、もう我慢出来ない!」

そう言うと、突然、私の服を脱がし始めたではありませんか!?

あっという間に下着姿にされてしまった私は、羞恥心のあまり、手で隠そうとしましたが、

その前に腕を掴まれて止められてしまいました。

そして、両手を頭上で押さえ付けられてしまった上に馬乗りになられてしまってはどうする事も出来ず、

為す術も無く受け入れるしかなかったのです。

「英里、キスするぞ」

「えっ!?」

次の瞬間には唇を奪われていました。

初めは啄むような軽いものだったのですが、徐々に激しくなっていき、最終的には舌まで入れられてしまいました。

私は何とか抵抗しようと試みましたが、無駄に終わりました。

何故なら、両手を押さえ付けられているうえに体重を掛けられているせいで、全く動けなくなってしまったからです。

その間もずっと続けられていたので、息苦しくなってきた頃に漸く解放されて、大きく息を吸い込むと、酸素を求めて呼吸を繰り返します。

しかし、それだけでは足りず、肩で息をしながら呼吸を整えていると、今度は首筋を舐め上げられてしまい、

ゾクッとした感覚に襲われて、思わず声が出そうになりましたが、なんとか堪えることが出来ました。

「ひゃうんっ!」

(やだ、何今の声?)

と思っている間に、また同じ場所を舐められたので、またしても声を上げてしまいました。

その後も執拗に攻め続けられたことで、次第に気持ち良くなっていく自分がいる事に気が付き、

同時に恥ずかしさが込み上げてきて、顔が熱くなるのを感じました。

それから、暫くの間、同じような行為が続き、その度に声を上げ続けていたのですが、

ふと我に返り、このままではいけないと思って、どうにかしなければと考え始めました。

そして、一つの結論に至ったので、実行に移すことに決めました。

それは、反撃することです。

まずは、アルヴェルスの動きを封じるために抱き着くことにしました。

そうすると、アルヴェルスは少し驚いたようでしたが、特に抵抗することもなく受け入れてくれたので、

作戦成功かなと思いましたが、油断は禁物なので、慎重に行動していこうと思います。

それから、暫くの間は抱き合っていたのですが、そろそろ頃合いだろうと思い、ゆっくりと離れていきました。

そうすると、案の定、向こうから迫ってきたので、それを躱すと、今度は後ろから抱き締められました。

ですが、これは想定内だったので、冷静に対処していくことにします。

先ずは、相手の腕を掴んで拘束してから、正面に向き直ると、そのまま押し倒して、マウントポジションを取りました。

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