第6話 六
「これでもう問題ないでしょう、さぁ、そこにいる愛する彼と共に魔王討伐へ行くといいです」
そう言うと神と名乗った女性は消えており、私はアルヴェルスと共に改めて、魔王討伐へ向かう旅に出るのです。
そして、魔王城まであと少しというところまでやってきたのですが、ここで問題が発生してしまいます。
なんと、魔王城の門の前には、門番らしき者が二人立っていたのですが、どう見ても普通の人間ではないようなので、
どうしようかと思っていると、アルヴェルスが、話しかけてくれました。
なので、様子を見ることにしたのです。
その結果わかったことは、どうやら彼らは魔族であるという事でした。
なので、話し合いで解決できないかと聞いてみたところ、無理だと言われてしまいました。
どうやら彼らも、私達と戦う気満々のようなので、仕方なく戦うことにしたのです。
しかし、相手は強敵ばかりでした。
特に強かったのは、やはり、この二人でしたね。
一人は、オーガキングと呼ばれる存在らしく、身長2メートルを超える巨体の持ち主なのですが、筋肉ムキムキなんですよね。
それに、かなり筋肉質な見た目をしている為、パワータイプだという事が分かりますし、 もう一人は、四天王の一人だそうで、
名をイフリートと呼ばれているそうです。
その名前の通り、炎の魔人とも呼ばれていて、炎を操る事を得意としているらしいのですが、実際に戦っている姿を見たわけではないので、
本当のところは分かりませんね。
ただ、強いということだけは分かるのですが、それでも、負けるつもりはありませんけどね! というわけで、
まずはこちらから仕掛けることにしました。
というのも、先に動いた方が有利だと思ったからです。
そこで私は走り出し、一気に距離を詰めていきました。
そして、相手の懐に飛び込むと、そのまま拳を突き出していきました。
ところが、それは避けられてしまい、逆にカウンターを受けてしまう結果になってしまいました。
さらに追い討ちをかけるように、蹴り飛ばされてしまい、地面に倒れ込んでしまいましたが、すぐに立ち上がり、構えを取りました。
そうすると、背後から殺気を感じたので、慌てて回避行動を取ると、間一髪のところで避けることができました。
しかし、その直後、もう一人の敵からの攻撃を受けて、吹き飛ばされてしまいました。
幸いにも、致命傷にはならなかったものの、かなりのダメージを受けてしまったようで、意識が朦朧としてきました。
そんな状態でも何とか立ち上がろうと試みますが、思うように体が動かず、立ち上がることすらままなりませんでした。
そんな私の姿を見て嘲笑うかのように、敵はゆっくりと近づいてきました。
このままではまずいと思い、何とか逃げようともがいてみるものの、体は言うことを聞いてくれません。
それどころか、どんどん力が抜けていき、やがて立つことさえできなくなってしまい、その場に崩れ落ちるように座り込んでしまうと
同時に意識を失いそうになりましたが、その時、誰かが私を助けてくれたのです。
その人物とは、アルヴェルスでした。
彼は私を抱きかかえると、安全な場所へと運んでくれました。
それから暫くして目を覚ますと、そこには、見知らぬ天井がありました。
どうやらここは宿屋の一室のようでしたが、一体なぜここにいるのか不思議でなりません。
それよりも気掛かりなのは、私が何故ここに居るのかということですね。
確か私は、あの後どうなったのでしょうか? 思い出してみることにしました。
(ええと、確かあの時、魔物に襲われていたところを、彼に助けてもらったのよね?
でもその後、魔物と戦っていて、それで、えっと……あ! 思い出したわ! そうだったわ!)
そう思い出しているうちに、だんだん記憶が鮮明になってきたことで、何があったのかを思い出してきましたよ。
「そういえば、あれからどうなったのかしら?」
そう思い聞いてみると、アルヴェルスは答えてくれたんですけれど、それによると、私は気を失ってしまったみたいですよ。
それを聞いた時、何だか情けなくなってきちゃいましたけど、仕方がないですよね。
だって、あれだけ頑張ったというのに、結局勝てなかったんですから、落ち込んでしまうのも無理ありませんよね。
そんな事を考えているうちに、なんだか眠くなってきたので、このまま眠ってしまおうかと思いましたが、
その前に一つだけ確認しておきたいことがあったので、尋ねてみる事にしました。
そうすると彼は、優しく微笑みながらこう言ってくれました。
「ああ、それなら心配いらないぞ、俺がしっかりと守ってやったからな!」
そう言ってくれる彼の優しさに感動しながら、
「ありがとう」
とお礼を言った後、そっと口づけを交わしました。
彼もそれに応えてくれて、次第に激しくなっていくにつれて、お互いを求め合うようにして求め合い続けていました。
そうして長い時間が過ぎていった頃、ようやく満足したところで口を離すと、今度は首筋から鎖骨にかけてゆっくりと舌を這わせながら舐め回していき、
そのまま胸の谷間にまで到達したところで、一旦止めることにしました。
それから暫く待っていると、再び動き出していき、今度はおへそを舐め始めました。
最初はくすぐったい感じだったんですけど、段々と気持ちよくなってきてしまって、つい声が出そうになってしまいますが、
必死に我慢していると、
「どうしたのですか? もしかして、感じておられるのですか?」
そんな声が聞こえてきたので、思わず赤面してしまいましたよ。
まさかそんな事言われるとは思っていませんでしたからね。
ですが、それでもまだ耐えていましたら、今度は太ももの内側辺りを舐められた瞬間、とうとう我慢できなくなって、思いっきり叫んでしまったのです。
「アルヴェルス……あのね、そろそろやめてね、それよりもキスして」
そう言うと、彼は嬉しそうな顔をしてキスをしてくれました。
その後は、二人で抱き合いながら眠りについたのですが、翌朝目が覚めると、隣にいたはずのアルヴェルスの姿がありませんでした。
一体どこに行ったのだろうと思って探してみると、部屋の片隅にあるテーブルの上に書き置きがあるのを見つけました。
そこにはこんな事が書かれてありました。
〜愛する者へ〜
おはよう、よく眠れたかな?
俺はこれから用事があるので出掛けてくるが、君はゆっくり休んでいてくれ、
それと、今日は遅くなると思うから、夕飯は一人で食べておいてくれ、じゃあ行ってくるよ、愛してるよ。
朝食を作っておいたから、冷めないうちに食べるといい。
それを見た私は、とても嬉しくなりました。
なぜなら、わざわざ私のために作ってくれたという事ですからね。
早速食べてみようと思ったのですが、お腹が空いていなかったため、後でいただくことにしました。
それから暫くの間、部屋の中でのんびりと過ごしていたのですが、突然、扉がノックされました。
誰だろうと思いながら扉を開けると、そこに立っていたのはアルヴェルスでした。
しかも、何やら慌てた様子でしたので、何かあったのかと聞くと、どうやら、急いで伝えなければならないことがあるみたいなので、
とりあえず中に入ってもらうことにしたのです。
「実はだな、君に頼みたい事があるんだが」
そう言われて驚きましたが、話を聞くと、なんと、この国を救う為に力を貸して欲しいと言われたんですよ。
それを聞いて私は、少し考えてみました。
何故なら、私にはやらなければならない事があったからです。
なので、断ろうとしたんですが、どうしてもお願いされると断り切れなくて、渋々引き受けることになりました。
しかし、さすがに何もせずに帰るわけにもいかないと思ったので、何か手伝うことがないかと聞いてみたら、
勇者達と共に魔王を倒して欲しいと頼まれたので、仕方なく承諾することにしたのですよ。
こうして私達は、魔王を倒す旅に出ることになったのですが、その前に準備をする必要がありますので、一度家に帰る事にしたんです。
そうすると、両親からは猛反対されてしまいましたが、何とか説得する事に成功して、旅に必要な物を買い揃える事ができました。
ちなみに、装備は聖剣と聖鎧です。
どちらも強力な効果が付与されているので、大抵の相手なら倒す事ができるでしょう。
後は、回復アイテムをいくつか買い足しましたし、食料なども確保しておきました。
あとは、ポーション類ですね。
これは、いざという時の備えとして持っておくことにしましょう。
これで、大体の準備は整いましたね。
さて、それではいよいよ出発しましょうか!
ということで、まず最初に向かう場所は、東にある国を目指す事になりました。
そこは、獣人族が多く暮らしている国で、中でも猫人族が多いらしいですよ。
なんでも、猫耳と尻尾が特徴で、可愛い女の子ばかりなんだとか。
ぜひとも会ってみたいものですねぇ〜!
そんなことを考えているうちに、目的地に到着したようです。
さっそく入国手続きを済ませて中に入ると、いきなり声を掛けられたので、振り返ってみると、そこには一人の少女が立っていました。
その少女は、私に話しかけてきたらしく、自己紹介を始めました。
彼女の名前はエルザと言いまして、この国のお姫様なのだそうです。
何でも、猫の獣王と呼ばれるお方の娘らしく、私もびっくりしてしまいましたよ。
さらに話を聞いていると、どうやら彼女は、私のファンになったようで、是非ともサインが欲しいと言ってきたので、
喜んで書いてあげました。
そうすると、凄く嬉しそうにしていたので、こちらまで嬉しくなってきましたね。
それから暫く会話をした後、別れ際にハグをして別れた後、次の場所へ向かう事にしました。
次にやって来たのは、南の方角にある国のようですね。
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