第4話 四
「なぁ、君はもう俺の婚約者だし、今はこうして魔王を討伐する為、共に旅しているのだが、
そのな、キスしてもいいか?」
「え、えぇ!?」
唐突な質問に対して、驚きのあまり変な声が出てしまったけど、何とか平静を装って聞き返すことにしたわ。
そうすると、アルヴェルスは、頬を赤く染めながら恥ずかしそうにしていたから、なんだか可愛く思えちゃったのよね。
だから、ついつい甘やかしたくなっちゃったのよ。
そんなわけで、私からキスをすることにしたの。
そしたら、彼ったら嬉しそうな顔をしていたわね。
その後は、お互いの愛を確かめ合うように何度も繰り返しキスをしたわ。
最初は恥ずかしかったけれど、次第に慣れてくると、段々と気持ちよくなってきたのね。
それで、いつの間にか夢中になっていたみたいで、気がつけば朝になっていたというわけよ。
それからというもの、私達は、毎日一緒に過ごしているのだけれど、
「今日も一日頑張ろう!」
という掛け声と共に、気合いを入れていると、急にお腹が痛くなってきちゃって、
お手洗いに駆け込んだと思ったら、次の瞬間には、間に合わなくてお漏らしをしちゃったのよ。
しかも、大量に出しちゃって、床一面が水浸しになってしまったの!
幸いにもスカートは無事だったものの、下半身はずぶ濡れになって気持ち悪い状態だったのね。
それを見たアルヴェルスは、すぐに着替えを用意してくれたのだけど、さすがに人前で脱ぐわけにはいかず、
結局、その日は、宿で過ごすことになったわ。
ちなみに、濡れた服については、魔法で乾かしてくれたみたい。
おかげで助かったけどね。
とはいえ、替えの服がない以上、暫くは我慢するしかないわけだけど、できれば早く新しい服を調達したいところよね。
そう思って、彼に相談してみると、あっさりとOKが出たからビックリしてしまったわ。
まあ、お金を出してもらうことになるのだから、当然といえば当然だけれども、それでも嬉しいものは嬉しいものね。
そういうわけで、早速、お店に向かうことになったわ。
まずは、洋服屋に行ってみたんだけど、残念ながら私のサイズに合うものがなかったみたいなのね。
仕方がないので、別の店を探すことにすると、今度は、武器屋さんを見つけたので入ってみることにしました。
「いらっしゃいませー」
店員さんは若い女性の方でした。
歳はまだ若いようで、十代後半ぐらいでしょうか?
可愛らしい容姿をしていて、笑顔が素敵ですね。
思わず見惚れてしまいますよ。
そうすると、彼女は、不思議そうに首を傾げているではありませんか!
これはいけないと思い、慌てて目を逸らしたのですが、その時には既に手遅れでした。
なぜなら、彼女の方から話しかけてきたからです。
それも、かなり積極的に話しかけてくるものだから、戸惑ってしまいますよ。
どうやら私のことを気に入ったらしく、色々と質問をしてきますが、答えられる範囲でしか話せませんので、
あまり有益な情報は提供できないと思います。
それでも、一生懸命に話を聞いてくれる彼女の姿を見ていると、何だか微笑ましくなってきましたよ。
「ねえ、お姉さんは、どこから来たの?」
などと聞いてくるものですから、少し困ってしまいましたが、正直に答えてあげましたよ。
何故か嬉しそうにしていたので、不思議でしたね。
それから暫く話をしているうちに、すっかり打ち解けることができました。
なので、思い切って聞いてみることにしたんです。
どうしてそこまで親切なのかと。
そうすると、意外な返事が返ってきました。
なんと、彼女もまた、勇者様に憧れてこの町にやってきたのだそうです。
そして、実際に会ってみて、一目惚れしてしまったらしいのです。
ですから、私に声をかけてきた時も、本当は、緊張してガチガチになっていたみたいですよ。
それなのに、頑張って勇気を振り絞った結果、ようやく告白できたのですから、すごいですよね!
ただ、一つ気になったことがありまして、聞いてみましたところ、何でも、最近になって、
町の周辺で魔物が出るようになったそうなのですが、その影響で、物流や人の行き来が少なくなりつつあるそうで、困っているんだとか。
それを聞いて、私は思いましたよ。
(私がなんとかしなければ)
とね。
そこで、彼女にお願いしてみたんです。
そうすると、快く引き受けてくれたので、とても助かりましたね。
これで、私はアルヴェルスと共に町の周辺の魔物を退治しに行くわけではありますが、替えの服を探しておりましたけれど、
致し方がないので神の力を使い、魔法で着る物を生成すると何故か知りませんが、メイド服が出来上がり、私はアルヴェルスに後ろを向いてて下さいと
言ってから、私は今着ている服を脱いでメイド服を着ると私はアルヴェルスと魔物退治へと向かうの。
「さて、それじゃあ行きましょうか」
そう言って歩き出す私をアルヴェルスが呼び止めるので振り向くと彼は言ったわ。
「あの、すまないのだが、出来れば、その格好で戦うのはやめてくれないか? 目のやり場に困るんだが……」
そう言われてみると確かに恥ずかしいかもしれないわね……でも、この格好の方が動きやすいし、それに可愛いからいいじゃない。
だから気にしない事にしたわうふふっ。
そうして、私達は町を出て森へと向かいました。
そして、暫く歩いているとゴブリンの群れが現れましたが、私達を見ると一斉に襲いかかってきましたが、
私は難なく倒していきましたが、数が多いため苦戦していると突然、どこからか声が聞こえました。
「危ない!」
と言う声とともに、何かが飛んでくるのが見えたので咄嗟に避けようとしたものの間に合わず、直撃してしまい、吹き飛ばされてしまいました。
しかし、その直後に爆発音が聞こえてきて、そちらに目を向けると、そこには彼が立っていました。
どうやら助けてくれたようです。
その後、お礼を言おうとしたところで、彼は、私の姿を見るなり固まってしまいました。
どうしたのかなと思って自分の体を確認すると、なるほど、今の状態はかなりまずい状況にあるみたいですね。
何故なら、今の私の姿は、メイド服を着ておりますが、胸の辺りが開けており、胸元が見ているので、
おまけにスカートも破れてしまっているせいで、何も履いていないように見えるわけですから、仕方ないでしょう。
それにしても、困ったものですね。
まさかこんな姿で人前に出るなんて思いもしませんでしたからね。
とりあえず、彼には一旦離れてもらって、着替える為に一度家に戻る事にしました。
もちろん、その間は、アルヴェルスには待ってもらうことになりますが、そこは我慢してもらいました。
だって、仕方が無いじゃないですか?
いくら婚約者とはいえ、まだ出会ったばかりですし、何より私の裸を見られてしまう訳ですからね。
さすがに恥ずかしいですよ。
というわけで、大急ぎで家に帰り、予備の服に着替えた後、再び彼の元へ向かうことになりました。
それから暫くして、彼の元へ戻ってくると、何やら言い争っているようですね。
一体どうしたというのでしょうか?
気になって近づいてみると、どうやら原因は私にあるようなのです。
というのも、先ほどの戦いで、服がボロボロになってしまったことで、彼に見られてしまったからなんですよね。
だから、申し訳ない気持ちになりつつも事情を説明して謝罪をしてから、改めて本題に入ることにしました。
そうすると、彼は、こう言いました。
「それなら、俺の家で暮らさないか?」
その言葉に、私は嬉しくなりました。
なぜなら、好きな人と一緒に居られると思ったからです。
だからこそ、二つ返事で了承することにしたのです。
それから、私達は、森の中を歩いている途中で休憩を挟みつつ、目的地である洞窟の入り口までやって来ました。
そうすると、入り口の前に一匹のゴブリンが待ち構えていました。
おそらく見張り役なのでしょう。
その証拠に、こちらを睨みつけていますしね。
ですが、こちらとしては好都合です。
何せ、わざわざ自分から出向いてくれたのですから、探す手間が省けますからね。
そんなわけで、早速戦闘開始です!
まずは、先制攻撃として、魔法を使ってみることにしたのですが、上手くいったみたいで良かったです。
とはいえ、相手は所詮ゴブリンなので、一撃で倒せてしまいましたね。
やはり、大したことはなかったみたいです。
これなら楽勝かもしれませんね。
そう思って、油断していたのが良くなかったんでしょうね。
背後から何者かに殴られてしまい、意識を失ってしまいました。
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