第31話 宇宙海賊の首領
宇宙海賊の首領
首についていたはずの首輪は取り外されており、売られる前だったため奴隷門も刻まれてはいなかった。
「もう大丈夫だよ」シュウ
「何か話したいことは?」隊長
「海賊の仲間は?」チャンリー
外から一仕事した仲間が帰ってきた。
「外にいたやつは片付け終了したよ、さっきの爆発はこいつ?」エージ
「ああもう隷属の魔法で言うこと聞くから大丈夫だよ」シュウ
「ただいま~外の2人縛って連れてきたよ」サーベン
「じゃあ全員隷属魔法で操っちゃうね、心意掌握!」シュウ
「おいおい、まじかよ、魔法ってすげーな」クイント
後から連れてきた海賊の手下も隷属の魔法で操る。
「さてそれじゃ、姫様出番ですよ」
「よーし行きますか」
「彼の者の姿をこの者の姿に、メタモルフォーム」
チャンリーが2人に増えた、いやクリスが変身しチャンリーに化けたのだ。
「??なぜ?」
「あ~君はここで待っていればいいよ、僕らは君たちに化けて海賊をやっつけに行くんだ」
「あの、まだ仲間が…」
「ああそれも任せて、みんな助けるから」
「ちゃんと魔法がかかったみたいだね」
「じゃあ行こう」
隷属化された海賊の子分たちは命令通りシュウに付いて行く。
途中までは彼らも強化ロボットで来たはず、隠してあった彼らのロボットに乗り海賊の円盤へと向かう。
子分たちは2機の獣機に乗ってきたようだ。
「連絡方法は?」
「戻ってきたら合図を出します」子分
「じゃあ戻ったら合図して、うまくいかなかったけど爆弾を置いてきたから王族は死んでいるだろうと言ってくれればいい」
「わかりました」
海賊の宇宙船は昨日とは別の場所へと移動していた、そこは廃棄物採掘場第9地区。
確かにここならば時間的な余裕は前の場所より楽になるが、その代わりシュウたちにやられる可能性は考えなかったのだろうか。
この海賊の頭領はなかなか食えないやつの様だ、たぶんこの場所には昨日すでに移動してきたのだろう。
あの爆発の後逃げた俺たちを見てあそこには近づかないと踏みそれならば遠い距離を移動するより近くで待った方が良いと踏んだのだ。
それは当たっている、俺たちは今日も採掘作業を休み今日の作業はバイオトープの収穫作業のみ。
まあ逆に海賊を待っていたとは考えていないところがやつらの詰めの甘さだが。
海賊の頭領はすぐに爆弾を使うような奴だし、あとどれぐらい爆弾を持っているのかも分からない、奴らの宇宙船へ行ったらすぐにでも海賊の頭領を隷属化しなければ、船もろとも木っ端微塵と言う事もあり得る。
強化ロボットに乗り海賊船へ帰っていく途中、見張りの子分と接触し言われた通り隷属化した子分は合図を返す。
「よし通れ!」
俺は隠匿の魔法を使い子分たちの後ろからついていく、そのままやつらの船へ潜入し海賊の頭領を無力化することにした。
「おお~どうだった?」
「少しうまくいかなかったけど、やつらのアジトに爆弾を置いてきやした」
「そうか、爆発音はいやに早かったが、確認してこなかったのか?」
「それは…」
「かの者の心をわが手に、心意掌握!」シュウ
「だれだっ!」
「隷属魔法か!ぐっそんなもの効くか」
「それじゃこいつは!」
クリスがチャンリーの姿のまま強化した足を使い、まわし蹴りを頭領の頭に叩き入れる。
シュウはあきらめずさらに隷属魔法を追加、たて続けに2発うずくまる海賊の頭領に向かい魔法を放つ。
「パリン!」
「かの者の心をわが手に、心意掌握!」
どうやら魔法かもしくは魔道具でバリアを張っていたようだ、だが2発の魔法と1発の回し蹴りを食らい魔法障壁を壊され、3発目の隷属魔法はどうやら届いたようだ。
「サーチ」
確認のためにサーチ魔法をかけて確かめてみる。
ジョバーン・ギヴァクード
188歳
男
出生地 消滅
種族 竜族と魔族のクォーター
犯罪係数 1678 レッド
魔法熟練度 84/100級
剣術 78/100級
小剣術 54/100級
槍術 34/100級
弓術 21/100級
体術 198/200級
HP 2500/3000 ヒットポイント(体力)
MP 870/1000 ミッションポイント(マジックポイント)
SPD 77/100 スピード(足の速さ)
AGI 65/100 素早さ(敏捷度)
AT 367/400 アタック(攻撃力)
MAT 87/100 マジックアタック(魔法攻撃力)
DF 987/1000 ディフェンス(防御力)
MDF 222/300 マジックディフェンス(魔法防御力)
FA 33/50 フィンガーアクション(器用さ)
IT 154/200 インテリジェンス(脳力、頭の良さ)
魔法※火3水2土1風2聖0光1闇4無2
※隷属の魔法にかかりました
※何だこいつら 爆発するぞ 女王か見てみたいもんだ あのエルフ逃げなきゃいいが
どうやら隷属魔法はちゃんとかかっているようだ。
「よしそれじゃ捕虜を全員解放する、案内しろ」
「わかった」
「それから爆弾の起爆装置はこちらに渡してもらおう」
「ああ」
そういうと頭領は体のあちこちに仕掛けたスイッチを次々と取り出す、その数12個。
「こ こんなに?」
「ああ子分も信用でない」
「じゃあ行こうか?」
海賊の宇宙船はかなり古い型の様だ、あちらこちらに改造の跡があり船内はかなりの汚れ。
それに匂いも相当臭かった。
「この区画8部屋に捕まえてきたガキどもがいる」
「それじゃ全部の扉を開けてくれ」
「わかった」
扉を開けると中から20人以上の子供や女性が出てきた、一度ホールに集め、今後の話をする。
「私たちをどこへ?」
「僕たちのシェルターへこれから移動します」
「本当に助けてもらえるのですか?」
「もちろん全員助けますよ」
まずはこの宇宙船からシェルターへ移動しなければいけない。
船内の子分たちは全員隷属魔法で無力化したので、問題はないのだが。
他にも仲間がいたり、援軍を呼んだりされると厄介だ、捉えられていた人たちを助けた後はどこかに行かせて戻ってこれなくしてしまうように命令することにした。
「それじゃクリス、数人ずつ転移するからそれまで、見張っていて」
「わかったわ」
今のシュウには転移魔法で移動できる人数制限は一度に自分を入れて6人というところ。
転移魔法を掛ける前にブースト魔法でマジックポイントの使用削減と威力を上げておく。
【隊長今からそちらに転移します、場所をあけておいてください】
【わかった】
「それじゃ、君たちは手を繋いで、それじゃいくよ」
「転移シェルター、テレポート」
「おお きた!」
「ただいま」
「それじゃまだ残っていますのであとを頼みます」
「さあこっちだよ、はいはい大丈夫よ」
解放された子供たちは、仲間の手でまずは食事を与えられその後健康チェック。
治療が必要な子供は医療所にて精密検査、幸い女王が使っていたパーフェクトメディカルポッドが使えるので。
通常の病気ならばすぐに直すことができる。
海賊船にトンボ帰りし残りの子供たちを転移魔法でシェルターへ。
「よし終わった」
「君たちはこれからアジトに帰り悪いことは辞める、いいね」
「はいわかりました」
「シュウそれで大丈夫なの?」
「隷属の魔法はそれ程強くはないけど2・3日は持つらしいから、こいつらを返してしまえば、次に来られるのは数年後になる」
「甘いわねシュウは」
「俺たちは殺人集団じゃないからね、次に来た時もまた同じように追い返せばいいよ」
「そうね」
「それじゃ僕たちも戻ろう」
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