第4話 微々たる収入

微々たる収入


ここで買い取られたお宝は、再加工され補助部品になったり、他の施設へ送られて武器になったりして必要な部品と交換される。

言っておくが、この星ではどこの施設でも一日2食が一般的、単純に朝と夜で摂取、または昼と夜に食事を摂ることになる。

食事を摂取する時間は作業している仕事にもよるので特にいつ食べるかは決められていない。

朝は基本弁当のようなもの、四角い箱に入れられた食料を朝6時から7時の間に受け取る。

すぐに食べてもいいし昼に食べても構わない、特に摂取時間への規則は無い。

夕飯は同じく午後6時から8時の間に食堂で食べる、一日2食制となっている。

水分の補給も然り、全員が所持している水筒に入れられた精製水を決められた分摂取する。


「きみは2千Gだね」

「え~、それっぽっち?」


エージが持ってきたガラクタも大してお金にはならなかったようだ、彼の場合作業用強化ロボットを手に入れたが、そのメンテナンスには一日500Gかかるのだという。

要するに今日の儲けは千5百G。

俺の稼ぎに大盛めしが乗るぐらい。


「まあ仕方ないさ」

「おおそうだな、それよりも明日はワクワクだぜ」

「でも調査だけだろ」

「そうだけど調査に加わればどこに何がありそうか予想が付くだろ」

「ああ確かにそうだな」

「シュウはバック要員だからあまり関係ないかも な」


バック要員は基本荷物運びや伝令、前に出て調査ということはない、危険からは離れて作業するのでエージよりは危なくないが、情報は得ることができない。


「おっとそろそろ飯食いに行こうぜ」

「おお」

(ウインウインウイン)


午後6時シェルターの防壁扉がゆっくりと閉じていく、防壁は80センチのぶ厚い金属の合板でできている、入り口は少し土の上に出ているが中はすぐに地中へと下がっており。

そう土の中は気温が一定、外の気温があっという間にマイナス30度を超え下がっていくのに、この中は20度前後をキープしている。

それに俺たち2人はさらに内扉の中へと入るため、そこの気温は24度とかなり快適。

やや広い通路を数人の仲間と一緒に食堂のある地下2階へと向かう、地下という位置付けだが階層は左右に振り分けで作られており。

エレベーターはほとんど荷物の上げ下ろし以外は使用しない。

長いスロープを歩いて降りる、全体的に緩い坂で構成されている作りだ。

地下2階の食堂エリアへ行くと、すでに20人以上がテーブルを囲んで食事を摂っていた。


「シュウ、エージ、コッチだよ」


俺たちを呼んだのは同じ年の仲間アゲハとレイナ、彼女らもバイオトープで作業している。

食堂はセルフサービス、並んでトレイを受け取り汁物とパンとおかずになる大豆系蛋白質でできた塊をトレイに順次乗せていく。

彼女らのテーブルの向かいに座りトレイを置くと、彼女らは勝手に話し出す。


「ねえねえ ちょっと聞いてよ!」

「はいはい なんでしょ~」

「今日ね レイナってば確認証忘れてきちゃって一度戻ったんだよ~」

「仕方ないでしょ、入れ物変えてすぐで間違っちゃったんだから」


女子の話は俺たち男子には何を言いたいのかあまり分からない、まあそれを聞いて相槌をしないと後が面倒なので、彼女らの話は聞いた後ほとんど忘れることにしているのだが。


「それでね」

「アゲハそれ以上言わないで~」


固そうなパンを口に運んだその時、地響きとともに天井から補強版が数枚落ちてくる。


ゴゴゴゴゴ

「きゃー なに?」

「うおっ!」

「テーブルの下にはいれ!」

「きゃー」

(ドンガラガラドンバシャンカランガシャン)


数分揺れて静まった後テーブルの上を見たときは、今日の夕飯がほこりにまみれているのを見てショックを受けた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る