第7話 鶯、鳴く
ナミは鴬谷のホテルへ入った。
受付の小窓に小さな紙を渡すとババァの手がエレベーターを指差した。
4階でエレベーターを降りると非常階段から渚が入ってきた。渚はナミを見て小型の1911に弾倉を装填した。
411号室をノックすると黒人ファッションの男がナミを招き入るのに続いて、後から勢いよく渚が突入して容赦なくナミの前にいる男の頭を撃ち抜いた。壁に空薬莢がコツンと当たる。渚はカスタムされた1911をコートをめくりナミに渡して二人で部屋の奥へと突入する。
「四人居るはず」
「はい」
二人は進みガラス戸を開けた。
ベッドに寝転がった女、ソファに二人の男、冷蔵庫の前に一人立っていた。
全員こちらを見ている。
「女から!」
「はい」
ナミの指示で渚はベッドの女を撃った。女は背中を撃たれ仰け反りながらベッドの反対側へ落ちた。
ナミは冷蔵庫の男の足を撃ち、膝まついた所を頭をよく狙ってから撃ち抜いた。
ソファの男二人は手を上げてこちらを見ている。
「金本はどっち?」
パンチパーマの男が手を降った。
「俺だ」
ナミはパンチパーマの隣の男を撃った。
「渚!女を確認して!生きてたらとどめを!」
「はい!」
渚がベッドに飛び乗り向こう側の女を確認すると、こちらに銃を向けていた。
渚は慌てて伏せた。
女は立ち上がりパンチパーマの男を撃った。
ナミは血だらけの女に数発撃ち込んで殺した。
「危なかった!」
「ナミさん大丈夫ですか?」
「大丈夫!でも、金本が撃たれた…渚は大丈夫?」
「大丈夫です」
「良かった!貴女の金髪メッシュ似合ってるよ」
「え?今??」
「さっきから思ってたの」
ナミは渚の頭を撫でて銃をしまった。
二人はホテルを出て駅へと向かった。
陸橋上で拾った雑誌を売っている男に百円を渡して先週のヤングマガジンを買った。
西日暮里のエーゲ海の横の雑居ビルへ入ると男だか女だか解らないゴージャスな人が座っている。
「ナミちゃんさぁ」
「……」
「一人の時の方がキレがある仕事してたんじゃなぁい?」
「……」
「まぁいいけどねぇ」
「渚は守神よ…ママ」
「あっそ」
ゴージャスなオカマは格好と似付かない茶封筒をナミに渡して出て行った。
「あのオカマ嫌い!」
「今はアタシ達のボスよ」
「でも…」
「いくよ!バッティングセンターいこ!」
「いいね!」
ナミと渚はコンビで仕事をしている。
今、二人は日本の組織に属している。
つづく
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