第50話 王城の地下書庫の、禁断の書①

「ここです! ここから次々にアンデッドが出て来て!」

 兵士たちは地下にある、開け放たれたままのある扉を指さした。

「ここは何?」 

「王城の地下書庫です。王家の人間のみが閲覧出来る、特別な書庫です」

「なるほど」


 彩香が先に入ろうとするのでそれを制して、まず僕とルーで扉の中に入っていった。

 まだ動いているアンデッドを倒していく。

 ルーは本当に強い。

 ルー一人で、部屋にいたアンデッドをあらかた倒してしまった。


「あそこだわ!」

 彩香が駆けて行った方を見ると、何か禍々しい黒い光がうねりながら、ある一点から広がっていた。


 見ると、本だった。


 一冊の古くて大きな本が開いていて、そこから黒い禍々しい光のうねりが出ていた。

 彩香は本のところに行き、何かつぶやいてから本をぱたりと閉じた。

 すると黒い禍々しい光は瞬時に消え失せ、同時に倒れていたアンデッドも姿を消した。


 兵士たちからは歓喜の声が聞えた。

 書庫から出てさらに王城の外を見る。

 ペガくんがすぐに彩香の元に来た。ピンクちゃんも来た。

 彩香はペガくんに、僕とルーはピンクちゃんに乗って。王都の様子を上から見た。

 アンデッドは消滅していた。


「やったね!」

「うん!」

 こうして僕たちはアンデッドを倒したのである。

 王都の人々は、アンデッドの気配がなくなり、恐る恐る建物から外に出てきていた。そうして、宙に浮いている僕たちを見て手を振った。僕たちも手を振る。


「そこのお方!」

 下から声がした。

「王がお会いしたいとのことです。いらしていただけませんか?」

 兵士の一人に声をかけられ、僕と彩香、そしてルーは王様のところへ向かうことにした。ピンクちゃんとペガくんは再びと外で待機だ。


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