4.王都の危機を救って!

第45話《城塞都市ルミアナ》を救え!①

 僕たちは《暗がりの森》を眼下に見下ろしながら、《城塞都市ルミアナ》に向かった。魔物が攻めて来た、とのことだったけれど、魔物は《暗がりの森》から出現したのではないようだった。

 ピンクちゃんは時に低く滑空して、《暗がりの森》や《天に続く道》、《金の森》の様子をよく見えるようにしてくれた。


「魔物はアンデッドってことだったけど、《暗がりの森》から出たんじゃないんだね。――どこから来たんだろう?」

 僕がそう言うと、ピンクちゃんが一声鳴いて、今度は高く飛んだ。

「ヒロキ、見えるか?」

 ルーが言う。

「何が?」

「《城塞都市ルミアナ》の向こうの、《天に続く道》だよ」


 目を凝らすと、《城塞都市ルミアナ》の向こう、つまり王都の方から何かが来るのが見えた。

「あれは?」

「アンデッドだ。アンデッドは王都から湧き出している。――オレはどうも人間より目がいいみたいだな」

 ピンクちゃんのさっきの一声も、アンデッドが王都から来ていることを教えてくれたものだろう。


「アンデッドって、夜活動するんじゃないの?」

「……ちょっと特別なアンデッドかもしれない」

 ルーとそんな話をしていたら、ペガくんに乗った彩香が近づいてきて、「とりあえず、ルミアナのベルンハルト様の屋敷近くに降りるわよ!」と言った。



《城塞都市ルミアナ》に降り立つと、すぐにベルンハルト様がいらした。

「アヤカ!」

「ベルンハルト様! 遅くなりました。――現状は?」

「王都側の壁がもう危ない。――遅くなどないぞ。どうやって知ったのだ?」

「秘密です!」

 彩香は、既に気心が知れたベルンハルト様にそう言って笑った。


「じゃあ、王都側の壁に向かうわよ。あ、その前に。弘樹くん、ルー、剣出してくれる?」

 僕とルーが差し出した剣に彩香は呪文を唱えた。すると、剣は光を放って、そしてその光を吸収した。

「これで、アンデッドにも有効よ!」

「おお、それをルミアナの兵士にもやってくれないか?」

「分かったわ!」

「じゃ、僕たち先に行っているよ!」

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