第39話 人狼って、優しくて強いんだね①
ルーは、僕が思っていたよりずっと早く村になじんでいった。
人狼族は《はじまりの森》の向こうの《峻厳の山脈》のふともに住んでいる――つまり、神に近い場所に住む奇跡の生き物の一種で、ゆえに、人狼を見たのは村の人たちも初めてだったと思う。……まあ、ルーは人間とのハーフなんだけどね。
たぶん、ドラゴンであるピンクちゃんやペガサスであるペガくんが、僕んちにいるから、人狼にも抵抗感がなかったのだろうなあ。
ルーは相変わらず無口だったけれど、楓がすごく懐いていて、そして子どもたちの人気者となっていった。
「いってきます!」
今日も楓はルーと出かけていく。
いつの間にか、村長さんちは子どもたちの託児所のようになっていて、そこに村の子どもたちは集まり、ルーといっしょに遊んだりして過ごしていた。
最初は、彩香が《城塞都市ルミアナ》に行き、数日帰って来ず、しかも僕もピンクちゃんとのドラゴン業があり、楓をどうしよう? ということから始まった。ルーが快く「オレがカエデ、みてますよ」と言ったんだよね。
「あたし、じゃあ、ルネちゃんとあそびたい!」
そして楓がそう言ったので、村長さんちに行き、ルネちゃんやシリルくんと遊び、そこにシリルくんの友だちであるリュカくんやジョスくんも混ざり、さらにはロラちゃんたち女子も加わっていった、というわけ。
今では僕たちの仕事に関係なく、村長さんちに毎日集まっている。
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