２．人狼さん、いっしょに住んでもいいよね？

「楓がまたいなくなった！　彩香、楓、知らない？」

「んー、さっきまでそこにいたよね？」

　楓は三歳になって行動範囲が広がり――っていうか、勝手にいろいろなところに行ってしまうことが増えた。うっかり目を離すと、消える！

　僕たちはそのたびに手分けをして楓を探した。びっくりするくらい遠くに行っていることもあるし、すぐ近くにいることもあった。

　僕がピンクちゃんに乗って探しに行こうとすると、彩香が言った。

「弘樹くん、待って！　ＧＰＳ見るから？」

「は？　ＧＰＳ？　衛星飛んでないけど？」

「ＧＯＯＤ　ＰＯＩＮＴ　ＳＹＳＴＥＭ！　名前は冗談よ。楓があんまりいなくなるから、居場所探知機作ったの。名付けて、ＧＯＯＤ　ＰＯＩＮＴ　ＳＹＳＴＥＭで、ＧＰＳ！」

　なんて便利なものを！　てゆうか、何その名称！

「で、いま、楓どこにいるの？」

「えーとね、《迷いの森》の、《最果ての村》に近い《揺らぎの川》の辺りにいるわ」

「……もしかして、楓も幸運が九十九なのかも」

「そうだねえ。まだ分からないけど、可能性はあるかも」

　ともかく、僕たちは楓がいるところへ向かった。

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