7日目の6日目
決まった時間に決まった量を飲めなければ点滴と経鼻栄養、入院の延長という君の措置に泣いた私の気持ちも多少くみ取ってもらえ、
「君が泣いたら私が駆けつける」という自律方式へと転換してもらえました。
君の泣いている姿、初めて見ました。
君はとてもよく寝ていたから。
私の腕の中では必ず眠るから。
ただやっぱり1日の最小摂取量というものは決まっていて、今日はその下限ちょうどでした。
もう少しやる気を出して飲んでもらわないと退院させられない、と言われてしまいました。
みんな、あなたを心配しているのです。
嫌がらせではありません。
わかっています。
心配しているから、だから「これだけ飲めないと」と言います。
私の「何が正しいとかどうでもいいから一緒に帰りたい」より、君のことを考えていそうでもあります。
そんな夜、君に「全部好きだよ」と言いました。
どんな表情でもどんな状態でも、全部好きだよ。
本当の気持ちなのに、嘘みたいに涙があふれてきました。
やっぱり君を残して行く帰り道の足は、とても重いです。
愛してます。
君は何をしててもかわいいし、何をしてなくてもかわいい。
私が出会ったなかで、一番かわいい子です。
置いて行きたくない気持ちも、一緒にいたい気持ちも、ただ好きな気持ちも、全部全部伝わればいいと思います。
君の、なんだかえらそうな、ちょっとにらみつけるような、私の小さい頃のようなお顔に、恋をしています。
一緒に、帰ろう。
残りわずかな回数で、君と私はやれると証明しなければいけません。
でないと退院させてもらえません。
私だって、君に体調を崩してほしいわけではないです。
ラストチャンス。
やってやりましょう。
そして私以外も、落としちゃってください。
君のかわいさならチョロいはずです。
嘘みたいに君を愛してやまない母から、親愛をこめて。
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