第4話 怒らせては、いけない人

 口論してるというより、男のほうが女を口説いているようだった。


「ねぇ〜そこの可愛い子ちゃん〜俺と一緒に遊ばない!!」


テンプレート通りの口説き方だ!


女性は一言

「嫌です!」


だいぶんひいた顔であった。


一方、女の方は、容姿は、だいたい160センチくらいだろうか。あと顔は可愛い。


絶世の美女とは、こういうものかと勝手に納得し


見た目は、ざっと大学生くらいかな、あと黒髪のセミロングで、服は、よくわからないブランドのTシャツだが、いい金額がしただろうなぁ〜

あと上には、カーディガンを羽織っている。

下は黒のミニスカートだ!


と言った具合で、俺も相当見合ってるな〜と思いながら、なぜか知らないが、近くの壁にかけてあった等身大サイズの鏡で髪を整えてた。


あと、自分よりも身長が高いのは、悲しいが・・・


待て待て考えすぎだ!

現状に戻ろう!!

と会話を聞いていると。


まだ男の口説きは止まらない!

男の口説き方もツッコミたいところだか、もっとツッコミたい場所がある。


「なんで、春なのにアロハシャツ着てるの?」


と俺は、ぼそっとつぶやいてしまった。


この男はどこからきたんだと思ってしまった!


とりあえず、少し離れていたので聞こえることはなかったが、どんどん男の口説きはエスカレートしていった。


「もう〜遊んでくれないなら、食べちゃうぞ〜」


といきなり男が可愛い子に襲いかかった!!


「待て待て、現実世界でもそんなことはあるけど、異世界でもこんなのあるの!!」


またつぶやきながら


すかさずあれはやばいと思って助けに行こうとした瞬間!


「だから、嫌ですと言っているでしょうかー」


と可愛い子の怒声とともに、可愛い子から放たれる左ストレートが男の顎に直撃した!!


男の顎の骨が砕ける音がした!!


え!異世界とかではなく、間違えなく、可愛いの実力だよね

と思いながら、可愛い子の攻めは続く!


そして、強烈な蹴りが腹に一発入り。


男は線路の上で倒れた。


怪物も怖いが、目の前にいる顎を粉砕する女の子の方がもっと怖いような気が


でもあれに食われて死ぬより、可愛い子から殴られて死ぬのと、どちらがいいかなと思うと、後者がいいなぁ!


とどうでもいいことを考えながら、男の方を見る。


タイミング悪く、普通の電車が男に接近していた


可愛い子は普通に避け、男はあっけなく轢かれた!


さすがに男には、自分も敬意など微塵もないが、あまりにも惨めなものなので、思わず


「ご愁傷様です。」

と手を合わせた!


そんなことをしていると、可愛い子がこちらへ近づいてきていた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る