第30話 ガールズトーク≒殺し合い
第30話
アリスside
焼き鳥がそう宣言した瞬間、焔色の羽吹雪が吹き荒れた。
そして、その羽吹雪が私達の周囲を囲んでいき、一種の結界みたいなのを創り上げていく。
本当に自分の
「これで、ゆっくりじっくりと僕達は語り合えるね♪」
「はぁ、付き合うしかありませんね、ミリスさん………」
「みたいですね………」
乗り気じゃありませんが、部下の我儘を適度に聞いてあげるのも、上司の務めです。
適当に聞きながら焼き鳥をボコボコにして、さっさと茶番を終わらせましょう!!
「はい、まず好みの年齢から行こうか!」
【
「
「えっと、あの、その、
ふぅ、本当に攻撃しながら、ガールズトークしてきましたね、この焼き鳥………
………しまった!?
ふ、普通に答えてしまいましたわ、私!?
乗せられちゃ駄目でしょうに!!
それに、勇者様がハブられてるからといって、本音を漏らしては駄目ですよ、ミリスさん。
「うんうん、良いよ良いよ♪ちなみにこの僕も
知ってますよ、私達は皆そうなのですから。
「じゃあ、次は「させません。」ピギュ!?い、痛いなぁ、もう………」
変な事を漏らしてしまう前に、この焼き鳥をシバいてしまいましょう。
そうすれば、万事解決でしょうから。
「あれ、巫女様の攻撃は普通に焼き鳥に効くんですね。」
「ええ、私の武器は特別製ですから。」
かの魔王にも効いた武器ですから、ええ。
「やっぱり、効くなぁ、それ。なら、コレを喰らえ!!」
【
「ちっ、大きいのが来ますよ!!防御、お願いしますよ、ミリスさん!!」
「は、はい!!
焼き鳥が炎を纏った蹴りで、垂直に猛スピードで降下してくる。
それを寸前の所でミリスさんの結界魔法で防いだのは良いのですが………
「殺してしまうつもりですか、全く………」
今の所、ミリスさんは生かす予定だというのに、忘れたのでしょうか、焼き鳥は?
………忘れてそうですね、鳥頭そうですし。
「はは、今なら聞けるね♪好きな男の子タイプは?」
ちっ、どさくさに紛れて質問を続ける気ですね、この焼き鳥!!
☆☆☆☆☆
「はぁはぁ──答えてくれて───ありがとうね────」
「ふぅ、少し疲れましたね………」
「うぅ、本当に面倒。何てタフなの、この焼き鳥………」
言わないでください、ミリスさん。
身内の私も本気でそう思ってますから………
「そう言わないでよ、僕は死なないのが売りな怪物だよ?そうそう倒されてたまるかって話だよ。」
何事にも限度があるという話ですよ。
しかも、変な質問ばかりしてきて、かなりウザかったですよ、貴方………
「と言っても、一流の魔術や攻撃を喰らい過ぎたから、僕も流石に限界なんだよね。だから、これで最後にしよう。」
「早く言いなさい。それを貴方の最後の言葉にしてあげます。」
「やった、これで最後!!」
しかし、何を質問するのでしょうか?
ガールズトークでする様な話は、大抵されてきた様な気はするのですけど………
「もし、愛しの人に最悪の未来が待っているとして、自分が犠牲になれば助かるとしよう。そんな時、君達はどうする?」
はぁ、何ですかソレ?
そんなの答えなんて決まりきってるでしょうに………
ていうか、貴方は身内なのですから、知ってるでしょう?
「犠牲になるよ。」
「ミリスさん………」
「私が犠牲になってでも、何をしてでも、そんな未来を覆せるのなら、私は喜んで犠牲になるよ。」
やはり、貴方はそう答えるのですね………
ああ、本当に────
「吐き気がするね、君………」
────同感です。
────だから、貴方は駄目なのですよ。
「なっ!!」
「あぁ、決めた。もう答えは出た。こんなのに今まで任せてきた、慈悲を与えてきたのが間違いだったんだ!!」
えぇ、全くですね。
見つけた時に放置したり、良い年齢になるまで待ったのもいけなかったかもしれません。
「だから、僕が貰おう!!」
「「は?」」
何言ってるんです、この焼き鳥?
意味合いは違うでしょうけど、ミリスさんもそう思っているでしょう。
いや、マジで何を言ってるのですか?
「あぁ、本当に可哀想。今まで以上に愛情が溢れ出してくる。クソみたいな上司に渡すのは勿体ないとは思っていたけれど、遂に奪いたくなる位にまで昂ぶった!!」
はぁ、巫山戯るな!!
そもそも、アーク様は私の物です!!
私と添い遂げるのが運命なんですよ!!
「そんな
そう告げて、猛スピードで去っていくフェネクス。
巫山戯るなよ、焼き鳥風情が!!!!
「早く、早く追いかけますわよ!!」
「み、ミリスさん、ちょ、ちょっと、待ってください!!」
ちょ、袖を引っ張らないで!!
は、早く追いかけないと、大変な事になるのに、なるのにィィ!!!
続く
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