第4話 突然と必然の別れ②
第4話
「み、巫女様って、あの?」
「はい、あの巫女様です♪」
巫女、女神様の声を唯一聞き取る事が出来る存在であり、それによって女神様の意思を伝えたり予言を告げたりする役職である。
ぶっちゃけると、下手したら王様より地位が高い人だ。
えっと、その、あの…………
「すみませんでした!!」
「えっ、ちょっ、頭を下げなくても良いですから!!」
「い、いえ!!知らなかったとはいえ、止めてくれた貴方に何て不敬な態度を取ってしまいました!本当にすみま───」
再び頭を下げようとした瞬間、巫女様が俺の頭を受け止める。
そして、頭を上げさせると俺の顔を両手で挟んで来て………
「罪を感じる必要はありません。それに、貴方は自らを犠牲にしてでも彼女を守ろうとしました。無責任で無力であろうとも、称賛されるべき行動です。」
じっと俺の顔を見詰める巫女様は綺麗だった。
ミリスが居る俺ですらそう思う程だった。
そして、巫女様は俺を立つ用に促して………
「すみません、彼女が聖女になるのは決定事項です。もう誰にも、本人ですら覆す術はありません。」
「そんな………」
「アーク………」
じゃあ、俺達は本当に離れ離れに………
「恨んでくださっても構いません。貴方なら、私は何でも受け止めます。」
「巫女様!?そんな事は許される筈がありません!!」
「黙りなさい、騎士団長。次に貴方が言葉を発したら罰しますよ?」
「なっ……………はい、仰せのままに。」
騎士団長を黙らせた巫女様は俺達を見据え、優しくこう語りかけた。
「3日、時間をあげます。それまで冷静に、どうか返事を考えてください。」
3日、たった3日。
それだけの時間で、俺達の今後を決めなければならないのだろうか?
本当に酷い話だ。
だが、女神様が決めた話だ。
俺はどうすれば………
「ああ、最後に一つ。」
「巫女様?」
「別に断ってくださっても構いませんよ。」
「「えっ!?」」
巫女様のその言葉に誰もが絶句した。
先程覆す事は出来ないと言ったのに!?
そして、女神様の意思に巫女様自身が反抗する様な行為だというのにだ。
一体、何を………
「その時は私が責任を持って何とかします。コレでも私、強いですから。」
と、舌を出してからかい気味に笑う巫女様。
何てお人なんだ、このお方は………
「だから、頑張って答えを出してください。どんな答えを出しても、私は………私達はその答えを尊重します。」
彼女はそう最後に告げ、騎士様達を連れて帰っていった。
それを見届けた俺達は………
「────アーク、帰ろうよ。」
「────ああ、そうだな。」
────彼女は無理矢理に笑いながらそう言った。
────俺は悲しそうな顔でそう答えた。
何となく、もう彼女がどんな答えを出すのかを俺は
続く
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