第135話 波のあるプールにリベンジです。
ミッチとカンナは水上へ跳ねていって落水した。
私は揺れる浮き輪の上でそんな光景を呆然と見るしかなかった。
「ぶふぁ、すごぉー、たのしぃ」
ミッチが水面から頭を出して歓声を上げている。もしかして、一孝さんにぶつかったのを気づいていないの。
そのうちにカンナも顔を出したけどキョロキョロと周りを見てる。彼女は誰かとぶつかったってわかっているようね。
すると、私が乗る浮き輪の側から誰かが頭を出して立ち上がってきた。2人からは浮き輪の影になって見えないはず。
「いやあ、酷い目にあったよ」
「じや、ありません。大丈夫なんですか?」
彼は呑気にーそんなこと言ってるの。私は慌てて語気荒く聞いてしまった。だって2人の乗った浮き輪が当たってきたんだよ。。
「うまい具合に衝撃は逃したさ。頭を少し振られたかな」
本当に大丈夫なんでしょうか。そんな心配をしていると2人が,こちらに近づいてきた。
「楽しかったね。美鳥はどうだった?」
呑気に聞いてくるんです。
「どうしたの,そのほっぺ。ふくらまして」
貴女たちが一孝さんにぶつかってきたんでしょ、って怒ろうかとしていたら、彼はミッチたちをを見て笑っているの。楽しいでしょって笑顔見せているのよ。
こちらに振り返った彼は唇にな内緒って指を当てて微笑んでるの。わからないよ。
「べっつにぃ」
「そうだ、もう一回やらない。1人乗りのボードもあるんだって」
ミッチが楽しくて仕方がなって顔をして誘ってくれたけど、苦手なものは苦手です。
「私は、もういっぱい。2人で楽しんでおいでよ」
「わかったぁ。じゃあ美鳥はどうするのよ」
もちろんリベンジです。
「一孝さんと波のプールしようと思うのよね」
そう、やらかして体験できていないんです。是非とも一緒に楽しみたいの。
「そっかあ。私らはウォータースライダー行ってくるね」
「美鳥さん、次は美鳥さんの滑ったコース行ってみますね」
「じゃあ」
ウォータースライダーの出口プールから上がって、私たちの行き先は違えていく。
ミッチとカンナは熱帯植物が植生されている方へ向かって上に登っていくの。
私と一孝さんはビーチつながりで砂浜の方へ歩いていく。サクッサクッと珊瑚のの砕けた砂の音をまた、聴くことができた。何度聞いても聞いた感じがいいのよねえ。
波のプールの壁際で浮き輪を貸し出しています。今度は二人乗りのものにしました。ウォータースライダーで乗ってものとは色違いになります。
そして私は前に座るの。ウォータースライダーで多少は度胸がついたと思うのよね。
「美鳥、なんなら、俺が横についててあげてもいいんだよ」
「いえ,是非とも一緒にやってみたいのですよ」
「まあ、お前がよけりゃ,別にいいけどね」
「甘えさせていただきますね」
2人乗りだと少し大きめの浮き輪になるのですが、一孝にも持ってもらって波のプールへザブザブと入っていく。
ある程度,プールの奥の方、これから発生する大波の出口あたりで,浮き輪を一孝さんに支えてもらって,にじり登っていく。
フワフワと動くものだから、安定が良くなくて、左右前後に揺れる、なかなか座りこむことを苦労してしまった。そのうちに、なんとかお尻を窪みに押し込むことができたんです。
一孝さんは、浮き輪の丸くなっているところに手を置いて,にじり登っていく。反動で私の座っている方が、上方向に上がってしまい、足が天上を指し示す方向になってしまった。
なんか既視感があります。あの時は,そのままプールに落ちてしまったけど、今度は私の後ろで一孝さんが上手くバランスを取って事なきを得たの。
無事に乗り込むことができてしばらくすると、
「俺もこういうの初めてなんだよ」
「えっ?」
スッ
始まった。この感覚は体験してます。
「始まったねえ」
「はい,始まりました」」
一孝さんのの期待に満ちた声も聞こえた。
スゥー
一度、下に落ちる感覚がした。これも前回体験してる。
フワァ。
グングンと浮き上がっていく。周りの風景も流れていく。そして一番高いところに着いたんだよね。
「おっー」
一孝さんも感嘆してる。私はここでひっくりかえった記憶があるので、身構えたんだけど,無事に通過しました。波頭が崩れて私たちの乗る浮き輪を押していく。
「美鳥、楽しいか?」
「はい」
いいタイミングで一孝さんが私の様子を聞いてきてくれたおかげで,怖いって恐怖感を感じることはなかった。
良かったあ。
浮き輪は波の上を豪快に滑っていって、とうとう浅瀬で底を擦ってしまう。最後まで滑り終えました。
うん、なんだか楽しいや。うん、一孝さんがそばにいてくれるから楽しいって感じるのよ。
さっきもこんな感じで、できていればなあ。というのは欲目かな。
「美鳥、楽しめたか? どうだった?」
「はいっ,楽しめました」
私は振り返って返事をする。
「おう,…満足って顔に書いてある。達成感ありありだね。良かったよ」
「はい」
一孝さんの顔にも満足って書いてありましたよ。
「さて、次はどうする?」
借りていた浮き輪を返してきた彼がいうんです。
「ミッチさんやカンナちゃんのところに行くか? ウォータースライダーやるかね」
私は被りを振る。
「流れるプールに行きたい。ダメですか?」
また、なんでと訝しげに、彼は私をみてくるの。
多分、薄々勘づかれているようだけど、流れるプールはカロリー消費が大きいって一孝さんから聞いた。お腹のポニョポニョをとるにはもってこいなの。
「いーよ。行こう」
そんな私に気づかないようにしてくれて、着いてきてくれた。彼の配慮に感謝しきりです。
波のあるプールエリアから、流れるプールまで、ウキウキと大手を振って彼を引き連れていく。嬉しくて頬が溶けそうなのです。苦笑いしながらも一孝さんは着いてきてくれました。
これはもう頑張って、すらっとしたうストを手に入れて一孝さんに見せてやらねばいけないですね。
無事に流れるプールに到着して、半円状になっている階段を降りて水面に入ろうと一段降りようと…
後で彼から聞いた。
私は突然動かなくなり、水面に向かって
力無く崩れようにしゃがみ込んだって、
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