第100話 聖衣 漂う
家に帰って、お泊まりセットを作らなきゃ。
夜は、パジャマにお泊まり用にストックしてあるシルクナイトキャップ。シャンプー
リンス、トリートメント。スキンケアの化粧水と乳液と落とすためのクレンジング。
バスタオルに給水タオル。
変えの下着は寝る用だけでいいか。ナイトブラとパンツで。
ドライヤーは、どうしよう。乙女は大変なんです。
明日はコットンのワンピースでいいよね。それを大きめのバックに締め込んでいく。
自宅からはママが運転してくれる事になります。
パパの精神状態じゃ、一孝の学生マンションに泊まるなんて言いかねないし、だからパパの気が変わらない内にママの運転で行きます。浴衣も一孝さんのところで着替えます。
「お待たせしました。ママお願い」
「じやあ、早くでないとね」
ママも浴衣のまんまだあ、下はシューズに履き替えてるけど。
パパの車は、大きくてステップが高いの。前の席のドアを開けたところのグリップにぶら下がるように乗りました。荷物は後。
ママも運転席に乗り込んで、メインスイッチオン。
「ごめんなさい。ママ。面倒な事してしまって」
「最初は、驚いたけど、美鳥の真剣な眼差し見たら、助けてあげないとってなるわよ」
「ありがとう。ママ。話せる時が来たら、ちゃんと話すから」
家を出て、一般道を走っていく。
で、ママの顔を見たら、にって笑ってるの。なに?
「で、美鳥ちゃん。避妊具は持ってる。乙女の必需品でしょ」
「ママ」
頬は熱くなるし、耳や首まで熱くなります。
「一孝さんも言ってたし、今日は違うから』
「あら。そう、タブレットにでも撮ってもらおうと思ったのに」
「ママ!」
「嘘嘘、パパは、いきなりで動揺してるけど、私たちは、あなたたちをちゃんと考えてるからね。家族として」
「ママ。……… でパパは? 妨害でもするかと思ったのに」
「そうね、動揺してたわよー。だから…」
ママの左手が手刀を形造り、すっと上から下へ、
「寝てもらってる。後は、任せて。エヘっ」
パパ、ご愁傷様です。
「もう少しで一孝くんのとこ、着くから連絡をしておいて」
「わかったぁ」
コトリの事は、まだ、真っ暗なの、触れて来ている感じがするから、大丈夫だと思う。スマホをボチボチして、彼にCALL 、すぐに、繋がった
「美鳥、今、どのあたり?」
「もう少しだって、ママが言ってる」
「了解、玄関で待ってる」
ママはウインカーを左につけて左折した。
「一孝さん、玄関で待ってるって」
「いた。着いたわよ」
私にも一孝さんが手を振っているのが見える。
「本当にすぐだったね」
車は、マンションの車止めについた。
一孝さんは、車の運転席の窓の方へ近づいて行く。ウインドウが下がっでいく。
「美桜さん、すみませんでした。付き合わせていただいて」
まだ、彼は、ウインドウが降り切る前から話をしてる。彼も動揺してるのかな。
「いーえぇ。あなたたちの為だもの、で、一孝くん、耳がして」
ママは一孝さんの耳を持ち、口を近づけて、何やらゴショゴシ話してる。
彼の耳が真っ赤になっているから、お話の中身は、私と同じだと思う。
ちーがーうって言ってるのに。
「明日の朝には美鳥を連れ帰ります。それまで美鳥を借ります」
ママの手を離れて、いうのだけど、私は物じゃない。それに昼前ぐらいまでは、一緒に居たいよお。
「朝、迎えにくるから、昼は、こちらで食べましょう」
ママが言ってる。2人でモーニングコーヒーの道も絶たれました。
私は、ドアを開け、滑り降りるように車を出た。すかさず、彼が来て後席にある荷物を持ってくれた。
「一孝さん、ごめん。私の我儘で」
「コトリは美鳥。お前なんだから、我儘じゃない」
「一孝さん」
「じゃあ、行こうか。コトリが待ってる」
彼はバックを肩にかけて、そして私の手まで握ってくれて、マンションの玄関に向かう。私は振り返り、車を見た。ママが中から手を振ってくれていた。
行って来ます。
玄関のドアを開けてもらい。中に入っていく。エレベーターで6階まで登っていった。
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