第14話
「おはよ、桃ちゃん。気分はどお?」
「……最悪な気分だよ」
桃は重い瞼を持ちあげると、隣で添い寝する瀬里奈を一瞥してから布団を這い出た。
「そこは恥じらって、良かった♡って言うトコなんだけど」
「私がいま、どういう状況に置かれているのか分かってて言ってるのか?」
「勿論。最悪な女のムーブしてるね」
「それは……」
オマエだろと言いかけて、桃は息だけを吐く。
どの口が言っているんだ。
親友の好きな人と一晩を共にしている。
しかも、彼氏持ち。2重の意味で寝取りのようなことを犯す、閻魔大王も腰を抜かす大罪だろう。
「ふふっ、やっぱり、綺麗な子を汚すのは楽しいし、気持ちいいや」
「オマエはあの時から、何1つとして変わらないんだな」
「ううん。桃ちゃんはきっと、あの時のことを中2の夏を指してるんだろうけど、それは違うかな」
瀬里奈は勢い良く飛び起きたと思ったら、桃をベッドへ強引に引き戻した。
「うわぁ!――っんん!!!」
驚きもつかの間、瀬里奈は桃の首筋をすうっと舌で味わっていく。
「私はこの世に生まれてから、1つも変わっていないんだあ」
抵抗する桃を、瀬里奈は羽交い絞めにし、動けなくする。
「そういえば、せんせーに学校休むって連絡しておいたから」
「ちょっと——ンぅ、……どうして」
「そりゃあ、桃ちゃんを
瀬里奈は、顔を背ける桃と濃厚な口づけを一方的に交わす。
結局、桃と瀬里奈はその日の学校を休むことになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます