第8話

刀と槌がぶつかり合い、火花が散る。


草津は疾草で石岡を攻撃し、石岡は金槌を振り上げて応戦した。


草津は、自分の攻撃が防がれたのを見て、後退し、次の攻撃の機会をうかがった。


「隠れるばかりじゃないよ!男らしく戦え!」


石岡は、草津が自分より速いことを見抜いて腹を立った。草津は敏捷性を生かして自分に攻撃を続けていたという。


このため、彼は非常に受動的になっていた。そこで、彼はノックアウトの一撃を与える機会をつかまなければならない。


草津は、俊敏な動きで攻めたり退いたりできる自分の優勢を知っていたが、石岡の防御は隙間なかった。そこで、頻繁に嫌がらせをするような戦術で、石岡の体力を徐々に削っていくことにした。


しかし、石岡の攻撃の威力も知っており、重い一撃を受けたら地面に倒れる可能性があることも知っていた。


だから、すべての攻撃はうまくタイミングを合わせなければならないのである


草津は再び攻撃し、石岡は再び抵抗した。


「游草!」


草津は突然体勢を変え、片方の刀は槌を受け流し、もう片方は魚のようにZ字型に引きずって石岡の腹部を切り裂いた。


それを見た石岡は、あわてて左手を腹部の前に出してブロックした。


鋭い刃が石岡の手のひらの半分を切り裂き、血が漏れ、もう一度攻撃したが、一撃で手のひらを切り落とすことはできなかった。


気づいたとき、石岡はすでに親指、人差し指、中指で刃をしっかりと握り、それ以上刃が進むのを防いでいた。


草津はもうだめだと思い、刀を引き、また一歩下がった。


しかし、石岡は守りに入っており、同じ技をもう一度使って同じ効果を得ることはできなかった。


石岡は左手を振ってまだ動かせることを確認すると、怒って槌を振り上げて草津に反撃しようとしたが、草津はそれを許さず、すぐに回避した。


草津は、自分の残りの少ない霊力と体力を感じ、相手も自分と同じような状態であると考えた。


勝負はもうすぐわかる。


「霍夜!」


もう一回攻撃を仕掛けようとした草津は、目の端で霍夜が貫かれるのを見、信じられないと叫んだ。


「よく気を抜くなあ」


石岡の声で、気を取られている草津に注意を促すが、石岡はこのチャンスを逃すまいと、槌で草津に殴りかかってきた。


草津はかわそうとしたが、石岡はすでに目の前にいて、刀で攻撃を抵抗するしかなかった。


石岡は草津を抑えつけ、顔面に直接左の強打を放った。


この一撃で草津は一瞬、気を失った。


「はあ!破岩!」


石岡はその隙をついて、打撃の構えで鈍重な槌で打ち込む。草津をまっすぐ宙に飛ばす・・・・・・。


∗ ∗ ∗ ∗ ∗ ∗ ∗ ∗


草津に阻まれた石岡を見、爆丸は焦る。相棒が絡んできた今、彼は一人でフィルと向き合わなければならない。「2対1 」はどうなった?

「相棒 は役に立たないようだ。」

フィルも草津の動きに驚き、草津のことに好感を抱くようになった。


爆丸が接近戦に弱いことを知っていたフィルは、彼の前に潜り込んだ。


フィルが真正面に来たのを見、爆丸はさらに慌てた。実力の最下位にいる自分は、強力なフィルに勝てる見込みはない。


フィルはそう簡単には彼を逃がさず、身振りですべての爆発物をかわし、爆丸の左足を直接刺した。


「ああ!」


槍に刺された彼は、痛みで叫びながら地面に倒れ込んだ。


「お前がそうさせたのよ!」


爆丸は痛みをこらえ、懐から一枚の紙を取り出した。


「炎符、爆!」


爆丸の叫び声とともに、霊気の力で霊符が燃え始め、火の玉となってフィルに向かって突進してきた。


爆弾と比べて特殊な攻撃だが、フィルの目にはただのトリックにしか映らず、体を斜めにして火球を簡単にかわした。


しかし、フィルがそれをかわすと同時に、火球が花田に向かっていることがわかり、絶望のあまり、再び羽を伸ばして火球の前に立ちはだかり、肉体でそれを防ぐしかない。


火球は燃え上がり、触れたフィルの左肩を包み込んだ。フィルが離れて霊で火を消すと、左肩に大きな火傷が見えた。


自分の怪我を見、フィルは顔をしかめた。すぐに終わるはずの戦いに巻き込まれるとは思ってもいなかった。


花畑はどこが重要かはわからないが、土川たちが勝つまで引き延ばせ、そうすればフィルを倒すことができる。


そんな中、爆丸は勝機を見いだし、左右の手から花畑に向かって爆薬を投げ込んだ。


「ちくしょう!」


フィルは爆丸の攻撃に激怒し、花田を利用して足止めしていることに思わなかった。今度は花田を守るために、じっと槍で爆薬を一つずつ飛ばすしかない。


爆丸の立場は、不利から有利に変わった。


∗ ∗ ∗ ∗ ∗ ∗ ∗ ∗


「もう終わった。これは節介を焼く果てだ」


倒れた草津を見ながら、石岡は爆丸を支えようと槌を振り回したが、その背後で突然動きがあった。


「負ける?ふざけんな」


草津は、地面に叩きつけられながらも、負けずに言った。


石岡は、渾身の力で岩をも砕くことができるのに、目の前の男がまさに気を失わなかった。


草津は霊で身を守り、ほとんどのダメージを受けたが、石岡の激しい攻撃で打ち身を負った。


草津は長刀を松葉杖代わりにして両手を支え、口の端に血がついたまま、必死に立ち上がっていた。


石岡、お前は強いが、俺はお前を倒してもっと強くなってやる!」。


草津はもう一本の長刀を手に取り構えると、目を獰猛に光らせ、霊を走らせ、腰の鈴をその霊で乱暴に鳴らす。


「二刀流―鬼牙連撃!」


あっという間に草津は石岡の目の前に行った!


鬼のような草津の姿に石郷岡の心は震え、その霊に圧倒された!


恐怖の波が押し寄せ、彼はあえて槌を前にし、この攻撃から生き残れるようにと祈った。


しかし、草津の刀が槌に当たったとき、石岡は、草津の素早い打撃とは異なり、強い威力を感じた。


今の草津の斬撃は、まるで自分の揮撃のように力強く、爆発的である。


石岡の手は度重なる斬撃で疼き、左手の傷は激しい打撃で大きくなり続けていた。


傷口から出た血が槌のグリップを沿って滴り落ち、血に濡れた槌は滑りやすくなり、石岡はさらに持ちづらくなった。


もう一回斬撃!石岡は槌をうまくつかめず、飛ばされた。


その飛行兵器を見て、石垣は自分の負けを悟った。


「もう終わりだ」と


無防備になった石岡に、草津は最後の一撃を加えた。


石岡が倒れたため、土川三人衆の中で最初に負けた人になる。


戦闘に勝った草津は、ただ力を抜いただけだったが、口いっぱいに汚れた血を吐き出し、意識が朦朧として再び地面に倒れた…

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