第15話 キノコ栽培
仮設で作った和室の横に同じ広さの部屋がある。
引っ越してから開けてない。荷物の段ボールやあまり使わない物をとりあえず置いている。
ある雨の日にその部屋から水が流れてきた。
驚いて部屋のドアを開けて中を見てみると、窓の枠あたりから大量に雨漏りしている。
「改造自由か、なるほどね」改めて納得した。
次の日に外に出て確認してみると、雨どいが壊れ、窓の上に大量に雨水が当たり家の中に侵入しているようだ。
しかし、これを修理するとなると大きな梯子や様々な道具が必要になる。
その後も観察していると、どうやら風向きも関係しているらしく、普段は雨が降っても漏らないのだ。
なので、その窓枠や床に使わなくなったバスタオルやぞうきんブルーシートなどで、応急処置をした。
一年に数回は雨漏りする。結果として開かずの間となっていた。
しかし、ある日異様な匂いがする、どうやら開かずの間のようだ、恐る恐る開けてみるとそこはキノコの栽培場となっていた。
見た目はシメジっぽい、これは食べられないのだろうか?
「そうだ、書斎にキノコ図鑑がある」思い出した私はすぐに調べてみた。
よくわからない、解らないのであれば食べない方がよさそうだ、庭にあるネギのようにキノコを日頃の料理に使えるかもと思った私のひらめきは崩れた。
なぜ、キノコ図鑑があるのかと言うと、近所にキノコに詳しいおじいちゃんがいて美味しいキノコをたくさん採ってくる。
仲良くなったので、色々と教えてもらい秋の味覚を楽しめるようになったらよいと思ったのである。
そこで図鑑を買いおじいちゃんと一緒に山へ行った。
七十歳を超えたおじいちゃんはすごい速さで山の中に入って行く、ついて行くのは至難の業だ。
やっと追い付きキノコの説明を受けた。しかし方言で殆ど解らない。
「おじいちゃんこのキノコは食べられますか?」「こりゃあせわねえよ」
?結局解らなかった。
ホームセンターに行くとシイタケの菌を打ち込んだ丸太を販売していた。
それを3本程買って家の裏においてみる。
たくさんシイタケがでてきて焼くとても美味しかった、結局3年ほど時期になると食べる事が出来た。
田舎の暮らしは奥が深い、改めて思う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます