第40話 怖いあの先輩

夏休みも終わり9月に入った。

9月は体育祭というイベントがある。

それに中間テストだ...

そして、ラグビー部ではインターン選抜も控えている。

キーンコーンカーンコーン(終わりのチャイムの音)

教室が賑やかになる。

1年生徒達「よっしゃ!早く帰ろうぜ!!」

ドタドタドタッ!!

担任の先生「廊下は走るなよー」

ドタドタドタッ!!

担任の先生「たく、最近の若い奴は...」


一輝は荷物を持った。

同じクラスに伊沼と鴨川、バックスの伊藤がいる。

それとリザーブの五藤もいた。

伊沼「よ、今日も頑張りやすか」

鴨川「ふ・・・頑張ろうね ボソッ」

一輝「よしいこうか!五藤くんと伊藤君も一緒にいこう!!」

一輝の無邪気な明るさに皆は付いていくようになった。

一年部室に辿り着いた。

バックスの陽キャ連中がなんやら盛り上がっていた。

遠藤「筋肉対決しようぜ!」

釜崎「城崎、先脱いでみろよ笑」

城崎が渋々脱いだ。

遠藤「ちょっと腹筋あるくらいだなー。よし次新藤脱げ!!」

謎のコールと共に新藤も脱いだ。

釜崎「ヒュー、いいからだしてんねー」

遠藤「おし、俺様は...」

ガラガラッ ドン

種美先輩「なに盛り上がってんの?俺も混ぜてくんね」


遠藤「どうぞどうぞ!今筋肉対決してます!」

黒松先輩「よう、俺も混ぜろよ」

飯野先輩「面白そうじゃん笑」

種美先輩「とりま遠藤脱いでくんね?」

遠藤は良い返事をして素早く脱いだ。

種美先輩「おおーいい体してんじゃん。どれ」

種美先輩は激しく脇をコショコショした。

遠藤「ちょ!やめてくださいよ!!」

しばらく賑わいを見せながら筋肉のお披露目が始まった。

そして、種美先輩が一言放った。

種美先輩「よー丸山さん。脱いでくれませんか?」

一輝「ぼ、ぼくですか...僕は遠慮しておきます...」

黒松先輩「あん?テメー断んのか?たねちゃんから詳しく聞いてんだよ」

雰囲気が一気に重くなった。

遠藤「あの、せんぱいって...」

種美先輩「ん?ああ、俺らと同じ3年、黒松っていう人。しょーちゃん(黒松先輩)が最近こないからネタ提供ってやつだよ笑」

遠藤「なるほどです...しょーちゃんは黒松先輩ですか?」

種美先輩「そそ、仲良くなってからそうゆう呼び方にさせて貰えよ笑」


黒松先輩「監督うぜーから去年の冬からバックレてんだよ。スタメンも軽々外しやがって糞野郎。金井(9番 ハーフ)も調子乗ってっからシバかないとな」

種美先輩「あいつまじでうざいからやっちゃいますか笑 しょーちゃんの方が実力あって勝てる試合多かったのにな」

黒松先輩「まあ、去年も選抜選ばれたしこの時期にまた戻ろうって話よ。あとネタの確認もかねてな」

一輝はびくびくと体を震えさせた。

黒松先輩「んで、こいつが噂の後輩ね」

一輝「は、はい....」

敦は固唾を呑んだ。

黒松先輩「おい、脱げよ」

一輝「わ、分かりました」

一輝はしぶしぶ上半身を裸にした。

黒松先輩「どれ、筋肉の方は...」


黒松先輩の右手が左腹部に直撃した。

一輝「ぐっふぅぅぅ!!」

一輝は悶絶した。

周りは一瞬シーンとした。

種見先輩と飯野先輩は爆笑をした。

黒松先輩「おいおい、これくらいでへこたれんなよー」

種見先輩「おれのも耐えろよ」

追い討ちをかけるように腹を抱えた一輝の背中をひじ打ちをした。

一輝は悶絶をして声もだせなかった。

ただ、崩れるように倒れた。

一年のバックス連中は笑った。

敦と伊沼など他の仲の良い同期は怒りでプルプルと震えていた。


すると部室の扉から村雨キャプテンが顔をだした。

村雨キャプテン「もう練習前なのになにやってんだ?」

黒松先輩「あ?一年坊主と戯れてたんだよ。自己紹介かねてな」

村雨キャプテン「なんで戻ってきた?もう辞めたんじゃないのか」

黒松先輩「なわけ、俺がいないとチームは成り立たないだろ?今年の選抜も入ってるからな。この前連絡貰ったし」

村雨キャプテン「そういうところだけはしっかりしてるんだな」

黒松先輩「おまえと違ってプロの素質あるし知り合いも多いからな。当然の結果だよな」

村雨キャプテン「勝手にしろ、他の一年は早く準備してグランドにこいよ」


その日の練習は暗い雰囲気で終わった。

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