第11話
この地の初代女王の紋章
それが私の体に痣としてできていた。だけどこの土地の人はみんなできていた。
「でもなんで私が?」
「多分血を強くひいているのがリリー様なのかもしれない。これまで痣がある人に会ったことはある?」
とマテオに言われ私は首を横に振る。私たちは夕飯を食べながら私についての議論が始まった。
「いつも私に痣が出るとみんな隠したがっていました。でもなんでだろう……?」
「たしかに……あいつらはいつもリリーの存在を隠したがっていた。だけどそれはなんでだ?」
レオ様の意見に私たちは疑問を浮かべる。
そんな中ディランが口を開く
「俺たしかこの地の人に聞いた話があるんだけど、そのリリー様の痣の家系は代々強力な魔法があるって!それが……
人の魂に入りこめるって……」
私はそのことを聞き持っていたナイフを落としてしまった。
「大丈夫、まだリリーはそれで人を傷つけてないから!」
とレオ様が言うが、私は震えが止まらなかった。
「ごめんなさい、リリー様!」
ディランが謝るがディランは悪くない。
「ディラン、続けてください」
「わ、分かりました。使い方によって人の魂を取ったり、生き返らせることもできるらしくて……だけどこの魔法は世界中から狙われて一族はバラバラになって死ぬまで使われたって聞きました……だけど最近ここの地ができてみんな集まって力が悲惨な使い方に使われないようにみんなこの力を隠しながらここに暮らしているって……」
ディランから言われたことを最初は受け入れられなかった。だけど私はその力を持っている可能性があると言われた。
「リリー様この人の手紙と写真見てください」
アデオはある手紙と写真を渡す。
「私のお母様の名前……!」
私は昔からあの4人に育てられてきたから親のことは知らない。だけど名前は教えてもらっていたからこの名前であっている。
「ミセス モネ……!」
そして写真は私が唯一持っていた親との写真の1枚だった。
「お母様……」
1回も会ったことないのに私は悲しくなって泣いてしまった。
「あの4人の親はリリー様の家族と仲が良く、4人の親はリリー様の家族を支えていたと……だけどレオ様のお祖母様がこの地が気にいらず皆殺しにしろとの命令でリリー様以外の王家の皆様はお亡くなった。」
私だけ生き残り……?
「リリー様はあの4人に助けられた。だけど4人はリリー様を厳重に隠して今に至った。」
とマテオは言う。
「レオ様は私を殺すために今までこうやっておびき出しんですね……」
「ちがう!」
「じゃあなんで!?」
「俺はあのとき祖母に魔法をかけられてリリーを殺すよう命じられた。許してくれ……俺はお前のことが昔から大好きなんだ。」
私を殺そうとしたというのは4人に聞いたことがある。だけど魔法のせいだなんて……
「大丈夫。悪いのはお祖母様ですから。」
「ほんとうにすまなかった……1人にして」
1人という言葉に私は泣いてしまった。たしかにあの4人と暮らしていて私は幸せだったかもしれない。だけどあの4人は心の傍から隣にいてくれたけどやはり心がぽっかり空いていた。それはレオ様によってパズルのピースがはまった。
「これからは一緒にいましょう?」
「あぁ、全力で俺が守るから」
レオ様に抱き寄せられると花のいい匂いがした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます