第8話
私は4人に大切に育てられてきたと思う。それに4人とも幼い頃から仕事や能力を使う鍛錬に毎日欠かさずやっていたから相当大変でストレスも溜まったと思う。だけど私を大事に育ててくれた。私の部屋に幼い頃に4人と一緒に撮った写真立てが陽の光に照らされてキラッと光る。だけどいつからだろう?4人は私を家族として見なくなってしまったのは。私はそれが悲しくてたまらなかった。
「リリー?紅茶を入れたけど飲むかい?」
とドノヴァ様が紅茶を持ってきてくれた。
「んふふ、またあの写真見てたの?」
とドノヴァ様は私が見ていた写真立てを愛おしそうに見つめた。
「俺たちもよくここまで生きれたよね」
「そうですね……」
「リリー誰にするか決めた?」
ドノヴァ様はベットの前に膝をつき私を逃がすまいと私の腰の両方に手をついた。
「言ったじゃないですか!誰も選ばないって!」
「ほんとうにほんとうに俺たちはリリーのことが好きなんだよ?」
「私が想うのはあの方だけです……!」
「そうか……まぁこの話はまたこんどにしよう」
とドノヴァ様は紅茶を私に差し出した。とてもいい匂いで心が落ち着く。1口飲むと紅茶なのにベリーのような甘みがあった。
最近私はよく夢を見る
お母様が私になにか言ってるけどなにを言っているか聞き取れない
そして周りに日が出てきてお母様は苦しむ
「うっ……」
すると誰かのぬくもりが感じられる
「大丈夫」
と誰かは言う
目を開けるとそこには4人がいた。
「リリー!?大丈夫!?」
「悪夢でも見てたけど最近寝れてるか?」
「俺たちがいるから寝るのが怖かったら魔法かけるよ」
「それか俺たちが付き添うから」
「うっ……私……誰も失いたくない……!」
4人は私を抱きしめてくれて涙をぬぐってくれた。
辛い時にいるのは毎回4人
あの方はいてくれない
それだったら誰でも4人を好きになるはず
だけど私はあの方が好きだ
ある日トイレに行って手を洗っていると私の顔にあざのような花模様がでているのがわかった
心配になり4人にこれがなにか聞くことにした。
「これは……」
と4人が黙る。
「あの……なにか不吉なことですか?」
「……」
「教えてくれませんか?」
「どこかぶつけたの?」
「リリーったらお転婆だなぁ」
「リリー俺たちの見てないところで怪我なんかしないで」
「あ!薬あった!これ飲めば治るよ」
みんなはこれをぶつけたときにできた痣という。カリム様は薬を処方してくれた。
次の日には痣が治っていた
「なんだったんだろう?」
私は元気になってきて、家から出ないことを条件に家事をやらせてもらえた。しかし4人の監視が厳しくなった。家事についてじゃなくて私が逃げ出さないかを心配している
私の自由はどこへ?
絵本で読んだように私も外を見てみたい
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