第7話

私は昔から体が弱かった。それに長くは生きられない。

「なんでリリーはいつもおへやにいるの?」

「わたしびょうきなんだって」

「いまはだいじょうぶ?」

「うん!それにげんき!」

「リリーあそぼ!」

あなたは私の元へ来ると遊び相手になってくれた。しかし体調を崩すこともあるのでそのときは看病してくれたりした。

「うぅ……」

「ぼくがいるよ……」



























周りが暗くなり私は小さなガラスの破片に触れる






ザクッ!

「おかあさま?……おとうさま……?」

「みつけた……」

「いや!助けて!!」

私は必死に逃げた。お母様とお父様を殺した人の顔はなぜか黒のペンでグルグル書いてそのところだけ消したみたいに見えなかった。

「リリー!!大丈夫!?」

4人が助けてくれたことに私は安心した。






















目を開けるとそこはいつもの部屋

「あ!目が覚めた!よかった……!」

そこにはカリム様がいた。

「体調は?大丈夫?」

私が目を覚めたことに気づいたのか隣で私の手を握って眠っていたドノヴァ様もいた。

「私……本当に最低なことを……」

「ううん。リリーが無事でよかった……」

2人は私を抱きしめてくれた。

「うっ……!げほ!」

「大丈夫か!?」

扉をバタン!と勢いよく開けてきたのはレイ様とベニシオ様だった。

「これ……!リリーごめんね、ばんざいしてて」

ドノヴァ様は勢いよく私の着ていた上半身の服を脱がす。

「この匂い……!カリム!これ!」

「あぁ。間違いなくこれはイヌサフランの毒だ。」

「リリーなにかわかることある?」

とレイ様は上着を私にかけてくれた。

「たしか私が倒れたときもこんな匂いがしたはずが……」

「もしかすると仕込まれていた可能性もあるな……」

「とりあえずリリーはしばらく俺たちに看病されてて」

とにっこり笑う4人を見て今までの私なら安心していたのだろう。



















そのあとから私はしばらく4人にお世話になった。着替えや食事、お風呂まで……

「あの……」

「ん?どしたのリリー」

「もう自分で食べられます……!」

「俺がやりたいからやってるの。はい、あーん」

レイ様は私の口にゼリーを運ばせる。


















とても甘くてなにかが壊れそうな味がした

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る