エピソード18 HOPPER  VS EAGLE攻防戦三

 EAGLE基地に侵入したHOPPERの実働部隊

 この基地の破壊と有益な情報集をするために始まった作戦

 やっとリヒトサイドが量産型キメラ生命体アント二十体とキメラ生命体【ヘッジホッグ】一体を撃破し、敵の巣窟の中だが順調にHOPPER勢力の流れになっていた。

 リヒトサイドは連戦の兵士達の疲労を解消する為に小休憩をはさみ今その休憩を終え先に進もうとしているのであった。


「皆さんここからどうなるのか全く読めません。もしかしたら命の危機があるかもしれません。気を引き締めて行きましよう!」


 と兵士達に熱烈なエールと助言をするリヒト。


「リヒトの言う通りだ。これから何が待っているのか分からない。改めて気を引き締めて行くぞ!お前達。」


 おぉー!と熱のこもった返答が帰って来たところで先に進むリヒト一行。

 進んで行くとここに来る前に見たマップに乗っていた幹部室がここから少し先にあると感づいた和也がこう発言した。


「ここに来る目に頭に叩き込んだマップに載っていた中に幹部室と言うのが載っていた地理的にこの先に幹部が居るかあるいは何か重要なものがあると思われるナノで我々の次の目的地をそこにする。」


 と言うと兵士達とリヒトは返事をした。

 歩く先には研究者や戦闘員じゃない何かがいたが妨害されなかったのでスルーして進む。

 約進む事五分


 何か意味深そうな扉の前に着いた。


「マップ的にはここが幹部室だ。」

「ここが…何が待っているか分からないけど扉を無難に開ける方法を知らないので危険を承知で俺がこの扉を壊すので巻き添えを食らわないように皆さんは下がっててください。」


 という呼びかけに兵士達は答えてある程度離れる。


「よし、今だ。覇刀…」


 と扉を壊わそうと攻撃しようとしたらリヒトは何もしていないのに扉が開き始めた。


「な、なんだ。誘い込まれようとしている…?」


 いくつかの手順を通して完全に幹部室の扉が開くとその中に居たのはリヒトが良く知る影があった。


「まさかここまで来るとは思わなかったがよくここまで来たな。リヒト。いや、こう呼んだが良いかな?小野寺工義とでも。」

「好きにしろ。お前になんて呼ばれようがどうでもいいからな。キメラ生命体【クロウ】良い機会だ。これまでお前に受けた借りをここで返させてもらう!」

「おぉー!威勢がいいな。その姿になれるようになった事で調子に乗ってるんじゃないか?若造。」

「うるせぇ。調子に乗ってるとかじゃねぇ。ここでお前を倒さなきゃと思ってるだけだ。」

「まぁ、良い。貴様はボスの機嫌を損ねる種だからな。ここで貴様の息の根を止めるのも一興かもしれないな。」

「そうか。相手を潰すという一点だけは気が合うようだな。」

「そのようだ。とりあえず、死ね。」


 キメラ生命体【クロウ】の黒いオーラに不意打ちと言うのもあり、もろに食らい壁を突き破って吹き飛ばされたリヒト。

 その光景に驚く和也と兵士達。

 だが和也は隊長としてキメラ生命体【クロウ】に語り掛ける。


「おい、キメラ生命体!うちのリヒトを吹っ飛ばしたくらいでいい気になるなよ。俺達は全員でお前の相手をする。」

「好きにしろ。どちらにせよ。私をタダで返すつもりは最初から無い…!」


 と迫力と殺意を放つキメラ生命体【クロウ】

 するとブースターを使って戻って来たリヒトがクロウにEC刀を振り下ろす。

 それをカラスの羽根を変化させて視界を遮るマントにし、視界を奪って動きが読めないリヒトに的確に拳を体に打ち込むクロウ。


「ぐっ…効くな‥」

「伊達に幹部を担っていないわ!」


 と更に嘴を剣に変化させ、数撃切り付け追撃で鋭利な足で勢いよく片足蹴り飛ばす。


「うわー!?」


 と少し飛ばされたところにの寝転がるように転がり倒れ込むリヒト。


 その動きを見て和也は確信する。

 キメラ生命体【クロウ】は強いと…。


「あぁ~。そうそう。いつでもかかって来て良いぞ。常にそこに意識はいっているからな。」


 と言うがキメラ生命体【クロウ】に全然攻めれる隙が無い。

 だが、ここにいるうちの一人の兵士が武器を持ち、部屋に侵入して何か成果を上げようと動くと

 その時、ほぼ同時にリヒトも起き上がりその兵士が動けるようにクロウの動きを防ごうと攻撃を仕掛けようとするがそれを察したクロウはリヒトをさっきよりも俊敏に羽根で腕を攻撃し胴体を無防備にしそこに今度は両足でより重く蹴り込む。

 リヒトはなすすべなく衝撃に飛ばされた時よりもより遠くに飛ばされた。

 それを確認して中に入ってHOPPER製の光線銃で幹部室に撃とうと構えたその時キメラ生命体【クロウ】がその兵士の間合いに移動し、体制を崩した。


「クソ…!?」


 そこに体制を崩した兵士の胸部に目掛けてそれなりに重く蹴り込む。


「うっ…ごはっ…」


 吐血しその場に倒れ込む。


「この状況への最適解を導き出す頭脳、判断力、行動力、仲間との連携、タイミングの掴み方は完璧だ。うちの部下に欲しいくらいには優秀な人材だ。だが、貴様には決定的足りていない事が一つ。それは戦闘能力だ。それは戦場に置いてもっとも無くてはならないものだ。それが決定的に無い。だからこれから貴様を圧倒する私に翻弄され自由を奪われる。」


 痛過ぎてクロウを睨む事しか出来ない兵士。

 クロウには太刀打ち出来ないと和也と兵士達に思わせるプレッシャーを放っていた。


「そうだな。良い事を思いついた!この勇敢で愚かな奴を貴様達の見せしめに殺す。貴様らも私の責務の邪魔をすればこうなるぞと言うな。」


 助けに入ろうと狙う和也だが隙が無さ過ぎて動けずにいた。


「それでは、見せしめを執行する…。死ね。」


 とクロウの羽根を鋭利な槍のような細長いものにしたものを兵士の頭に投げつけた。


 その時はじきあう音がした。


 兵士の目の先の壁にはEC刀が突き刺さっていた。


「なんだと…。」


 こっちに向かってブースターを使って戻ってくるリヒト。


「何、俺の仲間を殺そうとしてんだよ。させねぇよ!!」


 とキレ気味でクロウに言い放つリヒト。

 それと同時にクロウの傍まで戻って来た。


「ここからは巻き返す。お前の好きにはさせないぞ。キメラ生命体【クロウ】」

「ほう。気が変わった。まずは貴様を確実に仕留めてやる…若造。」


 これからキメラ生命体【クロウ】と人工戦士リヒトの本格的な戦いの幕が上がる。



              続

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る