エピソード15 怪人との遭遇

 父について詳しくは知らなかった工義。

 だが今日初めて大城と言う高校時代の同級生のお陰で人柄を知る事が出来たのである。

 大城と分かれHOPPER基地に戻ろうと隊員と歩いていると黒くデカい何かが路地裏に居るのを目撃した。


「なぁ、今の見たか?」

「み、見ました!明らかにこの辺いるサイズにしてはおかしい何かを」

「お、俺もです!」


 と謎の影を追いかけに裏路地に向かう。

 するとその路地裏には

 明らかに一般サイズのネズミよりデカいネズミの化け物みたいなものがそこにはいた。


「うわー!?」

「うわー!?」


 とお互い目が合いビックリし合う。


「き、貴様達は、なんでここにいる。ここ裏路地だぞ!」

「ていうか喋った。先歩いてたらお前の影が見えたから気になって来たんだよ。」

「僕の邪魔をしに来た人間じゃないのか」

「何の事だ。」


 と工義の後ろに隠れる二人の隊員が頷く。


「最近なんか僕らの組織の邪魔をする奴らが居るって上の人から言われてるんだよね。」

「は?組織?お前のその組織って」

「EAGLE」

「EAGLE」


 シンクロした時点で互いに何かを察しとった。


「あっ!こらー!逃げるなー!」

「だって絶対めんどくさいじゃん。だってそれに僕雑用頼まれてるだけだし…」


 EAGLE基地内にて


「キメラ生命体【マウス】貴様に指令を与える。」

「なんですか?クロウ様。」

「貴様に命令だ。西町の裏路地の方にかつてうちの研究室があった。だが五年前に小さい支部だったことと科学者しかいなかったのであっけなく崩壊させられた。だが最近我々が求めている研究データのチップの入った金庫の一部があの付近にあるらしい。それを見つけここへ持って来い。最近は邪魔をされて上手くいかず、ボスがお怒りだ。少しでも喜ぶ情報を献上しなければがならん。」

「わ、分かりました。行って早く見つけてきます。」


(ってやり取りしてから一時間は探し回ったけどまさかその行動を見つかったらまずい奴らに見つかるなんてどれだけ僕は運が無いんだ!)


「そこまでだ!」


 リヒトがキメラ生命体【マウス】の前に現れた。


「あぁー!もうしょうがないな!こうなったら戦ってやるよ!!戦闘向きじゃないけどね。」


 やや不機嫌気味にリヒトに襲い掛かる。

 それを冷静に判断して捌き数発殴った。


「痛いよぉー!もう…」

「え、えぇ!?弱くないか?」

「うるさいな。何を勘違いしてるか知らないけどキメラ生命体にされてるからって全員が強いわけじゃないから!」

「あ…なんかすまん。」

「そこは素直に謝らないでよ!僕が可哀そうな存在になる!!くそー!こうなったらくらえ!不規則乱れひっかき~!」

「くっ…不規則な分

 めんどくさいが脅威じゃあねぇな。」


 と驚いたように言いながら回し蹴りをする。

 もろに入り吹っ飛ぶマウス


「い、痛いよ…」


 容赦なく迫るリヒト。


「あ、あのさ、提案なんだけど…見逃してくれたりは…」

「それは無理だな。お前らは存在そのものが危険だ。見逃せない。」

「ですよね…。」


 その後、キメラ生命体【マウス】はリヒトの手によって撃破された。

 無事撃破を終え、基地へ隊員を共に連れ帰還した。


「おぉー!おかえり。どうだった?」


 と指揮官の灯が声を掛けてきた。


「そうですね。特に何かヤバい人って訳でもなく父の友人でした。それに知らなかった父について知れました。」

「うん。少し晴れやかな表情をしているな。」

「灯さんの計らいのお陰様でとても有意義な時間を過ごせました。」

「それは何よりだ。」

「そう言えば帰り道で路地裏になんか要るなと思って興味本位で行ったらキメラ生命体と遭遇したので目立た無いように撃破してきましたよ。」

「な、なんだって…そ、そうか。うん。君はこいう関係ない時にも奴らと対峙するのだな。お疲れ様だ。」

「ありがとうございます。」


 とやり取りする連絡が灯の元に入った。


「指揮官殿、ご報告があります。先日桜一文字殿が入手したSDカードの解析が先程完了致しました。」

「そうか!それで内容は何だった。」

「内容は…EAGLE基地の見取り図と新しい開発場所の設計図そして先日我々が阻止した作戦内容が記載されていました。」

「ご苦労様。約二週間も解析に時間をかけさせて悪かった。暫く休憩していてくれ。君達の健闘は我々の奴らへの反撃ののろしになる。大手柄だ。解析班諸君!」

「ねぎらっていただきありがとうございます。指揮官殿。我々一同も指揮ベースと実働部隊の面々のご活躍と我々が解析したデータがお役立ちする事を願っております。」

「ありがとう。無論だ。今はしっかり休みたまえ。」

「はい。我々一同そうさせていただきます。では、指揮官殿。ご武運を!」


 と連絡を終えた。


「工義。たった今、重要な作戦が決定した。」

「えぇ。こっちも何となく内容は察してます。」

「そうか。それは話が早くて助かる。君には重要な役目があるから今のうちに概要を言おう。」

「はい。」

「EAGLE基地に先制攻撃をし、奴らの基地を壊滅させる。勿論中に居るキメラ生命体も撃退する。」

「分かりました。やります。」

「あぁ、任せた。」


敵との壮絶な戦いの火ぶたが切られる時は近い…


            


               続

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