エピソード14 父の過去と手がかり
大城と言う男と会い工義の父〖小野寺武志〗について何か知る事を主な目的とし、
約束した待ち合わせ場所に変装した隊員二名と工義。
その行方は…
と待ち合わせの時間に五分遅れ現れた男が約束した席に来たので挨拶する工義。
「遅れて申し訳ない…あれ?武志。お前あれから何年も経つのに全然変わらないな。」
「す、すいません。今回、父が来れなかったので息子である僕が代理としてきたのですが…」
「あ~!そうなんだね。息子さんか。昔のアイツにそっくりだ。良いですよ。それで、何か聞きたいことがあるのかな?」
「それがですね。僕は、全然昔から父と接した事が無くて…だから!大城さんの父について知っている事を教えて頂きたいです。」
「えぇ。そんな事情までは私は知らなかったですけど自分の知ることであれば思い出話もしたくて来たのも今回は目的としてはあって来たからね。聞いてもらおうかな。息子の君にね。」
「ありがとうございます。大城さん。」
とここまで話して大城と言う男と話していてEAGLEの工作員とかそういった雰囲気はないと工義と隊員確信した。
そのやり取りの後急いできたから行けなくてお手洗いに行きたいという事で席を外した大城さんを見送って
少し現地に居た隊員と厳重に警戒する必要はないという総意となり、念の為付いてはいるがボディーガード程は干渉しないという事にした。
そして何事も無かったような顔をして御手洗いから戻って来た大城を出迎える工義。
「お待たせしたね。お浴びに何か一品奢らせてくれ。」
「いやいや、良いですよ。そんな突然。」
「気にしないで奢らせてくれ。頼む。」
「では、そこまで言うならお言葉に甘えて。」
「そうか、何でも好きなものを一品どうぞ。」
そのお言葉に甘えてから揚げバケットセットを頼んだ。
早速注文したバケットをつまみながら話す事になった。
「まず何から話したものだろうか。」
「そうですね。学生時代の父はどんな人物でしたか?」
「武志は好奇心旺盛な自分の興味ある物にはとことん全力で取り組む器用な奴だったよ。」
「へぇ~そんな人だったんだ。」
(てっきり、科学バカとか人づきあいが苦手な人みたいなのを想像してたけど…まぁ、今俺が絶賛巻き込まれてる事的にはそんなイメージだったよな。)
「それで他にはどんな事をやっていましたか?」
「そうだね。歴史とか変な物の破片とかをたまに拾ってたな。なんか材料として使うからとか何とか…」
「何かを作ってたんですか?」
「作ってたよ。自動芯替え機能付きシャーペンとかコンパクト機能付き彗とかね。助かったなぁ。当時そいう腕を称えられて学校から表彰された事もある人柄も面白い奴だったから人気者だったな学校では」
「うちの父そんな凄い事やってたんですね。」
「まぁ、そんなアイツの事が羨ましいと思うと同時に共として好きだったよ。ところで今アイツはどこで何をしているんだい?」
「それが僕も分からなんです。でも旅をしているくらいで生きてはいるって聞いたんですけど」
「ふっ…なんだかアイツらしい。そいう常人では思いもつかないような事をする奴だったからね。まぁ、生きてるなら良かった。アイツには昔に借りがあるから会ってあの時のお礼と思い出話でもしたかったが。今度アイツがこっちに帰って来たら教えてくれないか?」
「良いですよ。」
「ありがとう。」
大城と連絡先を交換した工義。
その後も学生時代の話や父の恋話などを聞いた。
人柄については分かったがそれ以外の現在に繋がるような話は聞けなかった。
どうやら高校時代に武志と仲の良かった友人くらいの間柄で、工義の事は勿論、その母親についてやEAGLEやHOPPERの事などについては全く知らなかった。
だが、全く知らない父についての話を聞けるだけで工義は嬉しかった。
数時間話した工義と大城
「あの時にこんな事があってな。それでその時、武志はうわー!?って血相をかいてびっくりしたんだよ。」
「そんな風にビックリする人だったんですね。」
「そうなんだよぉー!」
と盛り上がっていると大城の電話が鳴る。
「おっと電話だ。」
と呟くと電話に出る。
「はい。もしもし。うん、うん、そうだっけか?分かった。帰りに買って帰るよ。急ぎで?はい…分かった。今、高校の同級生の息子と話してるから後は家に帰ってからな。」
と会話を黙って眺める工義。
電話が終わるとこちらが聞かなくても相手が誰だったかを自白するように愚痴をこぼす大城。
「はぁ~せっかく盛り上がってたんだがうちの奥さんが夕方のセール品を買って来てって頼んで来たんだ。だから申し訳ないが今日はここでお開きにしたいんだが良いかい?工義君。」
「良いですよ。こっちこそ父じゃないのにこんなに長々と引き留めてしまって…申し訳ないです。」
「いいよ。こちらこそ。工義君と話せてよかった。次に会う時は君が武志と親子の会話をした後だと個人的には嬉しいな。」
「そうですね。僕もいつかそうなると嬉しいです。」
とやり取りし会計を大城に任せ、いつか武志が帰ったら連絡すると約束してその場を解散した。
路地裏にて
「こんな辺鄙なところで作業させられるなんて俺って本当にキメラ生命体なのか…扱い酷くないか…」
と呟く何かが居る…
続
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