エピソード12 忍者の定めと戦士の定め
怪人となり果てた阿玉菊蔵。現【忍人鬼マンティス】は今、桜一文字に最後の一撃を放とうとしていた。
「よし、お前をあの世へ送るエネルギーがたまったぜ。それじゃあばよ。俺の人間としての人生の黒歴史!」
振り落とそうとしたその時
何処からか【忍人鬼マンティス】に集中砲火を浴びせられた。
「ぐっは…な、なんだ。いきなり!誰だ!!」
「おい、俺達の仲間から離れろ!キメラ生命体。」
とそこに現れたのはHOPPERの戦闘部隊と小野寺工義だった。
「くそ…!なんなんだよ俺の邪魔をするんじゃねぇよぉおおお!!」
「キレてんのはこっちだ。チェンジ!」
ゆっくり歩きながら工義リヒトへのチェンジを完了した。
「なんだ、こいつ後少しってところで俺の邪魔をしやがってしかも姿が変わった…なんなんだこいつは…!!クソがぁ!!」
「いきなり襲ってくるなんて流石は人間を辞めたクズだな。その人が死んだからうちに悲しむ人も居るし、それにもうこんな風に理不尽に誰かを失うのは俺は嫌なんでねぇ…お前の目論見全力で邪魔させてもらうぜぇ!!」
そう吐き捨てると【忍人鬼マンティス】の間合いに入り込み本気のパンチをぶち込み桜一文字が居る場所から【忍人鬼マンティス】をぶっ飛ばした。
するとその先にあった壁に思いっきりめり込んだ。
それを確認すると一緒に来ていたメンバーに指示を出す。
「今のうちに桜一文字さんを救出して下さい。目の前の奴の相手は俺がするんで。」
そいうとすかさず、回収して部隊長の狩崎和也が真っ先に行動し、他の部隊メンバーは和也の援護を意識して無事距離の取れた場所まで桜一文字を運ぶ事が出来た。
「リヒトー!無事に救出出来たぞ。後は好きにやっちまえ!!」
と部隊長の和也の一言にリアクションをするとほぼ同時に【忍人鬼マンティス】が起き上がって来た。
「く、くそがぁあああ~!!良いぜぇ。楽しみは最後まで取っておくのも一興だ…。まずは、貴様から殺してやる!!」
「生憎だが、お前なんかに殺される場合じゃ俺の方は無いんでね。俺がお前を倒す。」
「舐めた事を言う奴だ。さっきは動揺とハエの攻撃でこんな姿を晒したが本来なら貴様には負けないんだよ。」
「まずはやってみなくちゃわかんねぇだろ。口の前に攻撃で証明しろ。クソ野郎。」
「言ってくれるじゃねぇか。殺す…!」
言い放つと勢いよくリヒトに己の鎌を首元に殺意を込めて繰り出す。
それを日々のトレーニングと機能テストのお陰で捌くリヒト。
そして捌かれる事をこの攻撃の間に理解し、即座に変則的なバラバラな攻撃に更にさっき程よりも早い速度で攻撃する流石のリヒトも捌けず【忍人鬼マンティス】の攻撃をしっかりと食らってしまう。
さらに追い打ちで回し蹴りを食らい廃虚の壁に叩きつけられた。
「リヒトー!」
「ふっ…確かに少しはやるようだがこの体の扱いが分かって本来の感覚に戻って来た俺の相手じゃないな。」
と【忍人鬼マンティス】が勢いづいていると壁を払いのけて中からリヒトが何事も無かったかのように出て来た。
「心配しなくても大丈夫。それにさっきの攻撃なんかでやられてたら仲間の仇とか取れないでしょ。まだまだ全然いけるよ。」
「なんだまだくたばって無かったのか…今度こそ地獄へ送ってやる。」
と言うと襲い掛かろうとする【忍人鬼マンティス】それに合わせてリヒトも動き途中でぶつかり合う。
すると激しい肉弾戦を繰り広げる。
辺りはその衝撃で少し騒がしい。
すると気を失っていた桜一文字が意識を取り戻した。
「あ、あれは…」
「目が覚めたか。桜一文字。」
「か、和也殿。あの戦っている戦士が噂に聞いた…」
「あぁ…リヒトだ…。」
「そうか…彼にかけてあの時…奴と対峙して勝てないと判断した時に話している間に本部にSOSを送ってよかった。」
「見ていろ、桜一文字。あれが俺達の希望だ…!」
「頑張れ…リヒト。」
とか細く応援する桜一文字。
すると少しベルトの中央部分が光る。
激戦をしていたリヒトと【忍人鬼マンティス】の中で段々と優劣が付き始め、【忍人鬼マンティス】がリヒトに押され始める。
「ちっ!一体何なんだ!!テメェは…!!」
「俺はただの…お前達を葬る戦士だ。」
と言い終えると重い一発が【忍人鬼マンティス】に入る。
その反動で吹っ飛ばされる【忍人鬼マンティス】。
だがすぐに起き上がって来た。
「ば、馬鹿な!俺は最恐の忍者になったんだ。こんな奴に俺は負けねぇ…!!こうなった俺の必殺技でテメェを確実に殺してやる!!勝てればもうどうでもいい!!」
「くそ、あの野郎。やけになってる…こうなったらそれを消し飛ばして仕留めるしかない…和也さんあれをー!」
「おう!受け取れ!」
と棒を受け取りEC刀に変換させ、必殺技の型を取るリヒト。
そしてそれを無視するほど集中して鎌にエネルギを練って文字通り辺りを消し飛ばせるだけのエネルギーが溜まるの待っている【忍人鬼マンティス】。
それを眺めながらこれまでの戦いそして訓練で編み出した型に対して仕留めるだけのエネルギーをただ溜まるだけじっとその場にとどまるリヒト。
今、下手に曖昧な刺激を与えると暴発しかねないので手出しが出来ない和也隊はただリヒトが何とかしてくれると信じて心で勝ってくれと願う。
すると同時にエネルギー凝縮が完了し動く。
「【忍光斬撃殺】《にんこうざんげきさつ》!!」
「【怪奇滅殺一刀】‼《かいきめっさついっとう》」
と叫び合うと周りに突風が彼らの周りに集まる。
そして光を纏った刀と鎌が一瞬のように相手目掛けて放たれた…
すると周囲がリヒトと【忍人鬼マンティス】が立っていた所を中心に光に包まれ爆散する。
規模は戦っていた廃墟の周囲だったので街中への影響は特になかった。
攻撃が終わって数分後
廃墟に立っていたのはリヒトだった。
【忍人鬼マンティス】は手足が片方無くしてその場に倒れていた。
何とか仲間達も吹き飛ばされはしたが、命に関わる負傷者は居なかった。
すると突然
キメラ生命体【クロウ】が現れた。
「負けてしまったようだな。まぁ、良い。良い実験結果も取れたからな。感謝しよう。私の今の目的はこいつの体の回収なのでな。」
「このまま大人しく逃がすかよ…」
「やめておいた方が良い。勝ったとはいえ、ボロボロだろ?死ぬぞ。あまり命はむげにするもんじゃない。では用が済んだのでな。」
「待てー!」
と言いながら突っ込んだが【クロウ】の技に吹き飛ばされるリヒト。
その間に【クロウ】は逃げていた。
その後騒ぎになる前にその場からあまりケガしていない仲間の手を借りてHOPPER基地まで遠くに止めて爆発の影響がなかった車で撤収したのであった。
続
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