エピソード3 敵組織からの脱出と秘密組織

 リヒトは初めての初戦で同行していた女と協力してキメラ生命体【スパイダー】を倒した。


「ふぅ~何とか倒せた。これで後は脱出するだけか」


 とリヒトが一息ついていると建物が大きく揺れた。

 すると無線が鳴った。


「こちらC区画班敵がこの場所を放棄する事を決め、証拠隠滅の為に建物を爆破した。中に残っている仲間は急いで建物から離脱せよ。」


 と、困惑するリヒトに傍に居た女はこう言った。

「このままじゃこの建物が倒壊するわ!早くここから出ましよう!その姿は解除しないでね。」

「そんな事言われなくても解除仕方分からないからやらないよ。」

「とりあえず、そのEC刀でこの建物の天井を切って私とこの荷物を持って退避してお願い。」

「やれるか分からないけど…ここから出れなかったらヤバいもんな。よし!やってみるか」

 リヒトが呟くととりあえずEC刀で天井に何度も斬撃を与えた。

 すると天井から光が見えた。

「よし、後は突っ込めば出れるな。そういえばこの刀って放置してたらどうなるんですか?」

「貴方の手から離れて五分後には元のただの鉄パイプに戻っているわ。だからここに置いていって大丈夫よ。」

 とやり取りをしていると刻一刻と建物の崩落が迫っていた。

「時間が無い…私と荷物を抱えて思いっきり上空に飛んでその後はブースター使って仲間達が集まってる場所まで移動して!システムの案内に従ってしたらやれるから。」

 と女はリヒトに告げると特別製のマスクを付け、リヒトに荷物を渡し、リヒトにしっかり捕まった。

「よし多分これだな。じゃあ行きますよ。」

「うん、お願い。」

 思いっきりジャンプし、上空まで飛び出した。

「凄いジャンプ力だ。あ、このままブースターを使って…先に居るこの人の仲間達はどこかな?うーん…あ、居た五キロ先に複数人の人達が居るな。あそこに降りてみよう」

 とブースターを使って五キロ先に居る人混みに飛んでいき飛行機の着陸の要領でそこに居る人を巻き込まない距離で着陸した。

 因みにそこまではベルトに内蔵されたシステムが導き出している。

「ふぅ~何とか脱出出来た。」

 と一息をこぼすとさっきまで居た建物が大爆発を起こした。

「あ、危なかった…いくらこの状態でもヤバいよな絶対あの中に居たら…」

 とリヒトは胸を撫で下ろした。

 とそんなリヒトを他所に女は話しかけて来た。

「ここまでありがとう助かったわ。それでこれからについて話したいから私達の基地まで一緒に付いて来てくれる?」

「まぁ、この際それは良いですけどこの姿解除したらバイト先に連絡入れて良いですか?」

「え、バイト中に襲われたの?」

「いや、バイト先に急いで向かってる時に…」

「それは大事な事だからね。良いわよ」

「ありがとうございます。」


 その後

 女の仲間達と無事合流し、事情を話し納得し合った後

 追手が付いて来ていないか気にしながら秘密基地に案内され

 中に入った。


「ふぅ~無事何事も無く着いたんであのこの姿から元に戻る方法教えてもらっていいですか?」

「そうね。ここまで来たらとりあえずは一安心ねやり方はベルトの先端に両手をかざして【ロック】って言えば姿は戻るわ」

 言われた通り手をかざして

 

 と言うと光が発せられて

 光が止むと人間の姿に戻っていた。


「良かった。とりあえずバイト先に連絡を…あれ…ポケットに何も入ってね…」

「あいつらに捕まった時に所持品は全て没収されたんだわ。」

「そんな…俺これからどうしたら…家の鍵もスマホも免許証もお金も無い…」

「とりあえず、これからここに居ればいいじゃない。私達には貴方の存在が必要なの。それにもしかしたらこれからも奴らに狙われるかもしれないし色んな面でここに居た方が安全よ。」

「それはそうですけど色々とやる事が…」

「それらの事はこちらでやっておくわ。」

「え、そんな…迷惑じゃ。」

「私達は、工義君。貴方のお父さん…武志さんから頼まれているの。彼には私を初め、沢山のメンバーが恩義を感じているわ。だから気にしないで」

「父さんが…。それでその父さんは今どこに?」

「それが…三年前から行方不明なの。私達も必死に調べたんだけど生死が不明で…」

「なら…!ここに居れば父さんの事!何か分かるんですよね!?」

「えぇ…一番ここに何かしらの連絡が入るはずよ。」

(ずっと昔から両親の事をどこか気にして生きて来た。聞きたい事が沢山あるんだ!それになんで父さんが俺の面倒をこの人達に頼んだのか?あのベルトを何で残したのか?そしてなんで俺を一人にしたのか…それを知りたい!!)

「分かりました。お言葉に甘えてこれからよろしくお願いします。」

「そう?ありがとう!そういえば私の自己紹介がまだだったわね。私の名前は夏木光よ。ここでは科学者をしているわ。まぁ、主にアイツらに対抗する武器なんかを作ってるわ工義君。これから宜しくね。」

「はい。宜しくお願いします。」

「細かい説明は後にするとして私達が何者で、君を攫った奴らが何なのか簡単に説明するわ。まず、君を攫った奴らについてね。アイツらは極秘組織EAGLEって言うの詳しい事はハッキリとは掴めてはいないけど今分かっている事はキメラ生命体を使役している事とボスの目的の為に動いていてその為には手段を選ばず、警察を抑え込める程の権力で凶悪犯や暴力団などの裏の集団との繋がりもあって情報操作にも長けている巨大組織よ。」

「なるほど。そんなヤバい組織に攫われたのか…俺。」

「そう。それで貴方がこの日に連れ去られる。助けて欲しい。と貴方のお父さんに不行方明になる前に基地に残した手紙に書いてあったから助けに来たって訳。そして私達の組織の名前は民間組織HOPPERメンバーは全員EAGLEの被害者よ。私達はアイツらの目的を阻止して壊滅させる事を目的に活動しているわ。」

「なるほど。」

「私達はこれ以上出来る限りアイツらの行動で被害が出ないように必死に戦っているわ。だからその為に貴方の力を私達に貸して。奴らに対抗出来るのがそのシステムと貴方だけなの。だからこれから色々と忙しくなると思うけど。改めて…ようこそ!民間組織HOPPERへ。貴方を歓迎するわ。小野寺工義君」

「これからお世話になります。」


 こうして工義は民間組織HOPPERの一員となった。

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