第004食 北海道からやってきた小麦で作られたカレーパン:さくらいぱん(茨城・大洗04)
大洗駅を背にして、「きらめき通り」の左側に面している「大野屋」さんを後にした書き手は、空き地を挟んで隣に在る「さくらいぱん」さんに立ち寄ったのであった。
店前の幟に書かれていたのだが、さくらいさんで提供しているパンのウリは「焼きたて」である事だ。
そしてさらに、もう一つのウリが「無添加パン生地」で、その生地は「北海道産小麦100%」だと店の看板に示されており、当然、店のラインナップの一つ、カレーパンの生地も北海道産の小麦から作られているにちがいない。
ここで、日本における小麦の国内需要について提示しているサイトを参照してみたところ、アメリカ、カナダ、オーストラリアといった海外産の輸入小麦が国内シェアの約八五パーセントを占めているので、我々が口にしているパンの約十五パーセントのみが国内産という事になろう。
さらに、農林水産省の資料によると、その十五%の日本産小麦のうち約六割が北海道産の「つるきち」や「ゆめちから」という銘柄で、だからなのかもしれないが、国内産の小麦といえば北海道という印象が強く、事実、コンビニなどで〈北海道産〉である事を強調しているポップを時折見かけたりもする。
ところで、北海道に在るパン屋や、パン工場で作られ、しかるのちに店に供給される全国展開のコンビニなどにおいて、北海道産の小麦を使ったパンが供給されているのは尤もな話なのだが、北海道から遠く離れた茨城の大洗のパン屋さんが、北海道産の小麦使用をウリにしているのは何故なのか? つい、こんな疑問が湧いてしまった。
この事を家族に語ったところ、フェリーが運んでいるからじゃない? と即答された。
言われてみれば、実に可能性が高い話だ。
実は、大洗と北海道の苫小牧間を繋ぐフェリーが原則毎日運行されていて、観光客だけではなく、陸上輸送用のトラックも運んでいる。
そういった分けで、苫小牧で載せられた北海道産の小麦が、フェリーの到着地である茨城の大洗で容易く利用できるのは当然であるように書き手には思えるのであった。
後日、店の方に、北海道産の小麦ってフェリーで運ばれてくるんですか? と質問したところ、かもしれませんね、という回答が返ってきたので、正確な輸送経路に関しては小麦粉の仕入先に尋ねてみないと分からないようだ。
〈訪問データ〉
さくらいぱん:茨城県大洗町、最寄り大洗駅(徒歩数分)
二〇二四年三月二十一日木曜十二時十五分
角切り牛いり焼カレーパン:二九〇(現金)
再訪:二〇二四年四月十三日土曜
〈参考資料〉
〈WEB〉二〇二四年四月十九日閲覧。
「小麦について」、『一般財団法人 製粉振興会』。
「海上輸送 大洗―苫小牧」、『商船三井さんふらわあ』
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