第5話 仲間の秘密

 もう無理だ。そう言葉へ出そうとした時突如、淡い緑色の光がユイトら3人を覆った。目を開けるとなんと、

「き、傷が治っているだと?」

 ユリシャも目を丸くし驚いているようだった。

「遅れてすまないのです」

 そう言い放った人物の方へ目をやると、そこには腕を組み仁王立ちをした1人の男の子が立っていた。目元はパッチリとし、耳元まで伸ばした綺麗な黒髪がどこか惹かれる。

「ギルドのお姉さんに、君達がアルミラージ討伐をしにメユリスの森へ行ったと聞いて後から追ってきたんだよ。どうやら見た感じ劣勢のようだったのです」

 そう鼻で笑われ少しイラッとしたが抑え込むことにした。彼が助けてくれたのだろうか、後で礼を言わなければならない。

「魔力も元通りだわ! 君、ありがとね!」

 アイリスの魔力も元に戻っているらしく、一気にこちら優勢、戦況一変だ。

「よし、お前ら! 畳み掛けるぞ」

 ユイトの言葉を合図にアイリスは火属性魔法を乱射し、ユリシャとムウムウは周囲のアルミラージを一掃していく。ユイトも襲いかかってくる敵を次々に短剣で切り裂いていき、気づけばさっきまで周りを囲んでいたアルミラージは一匹残らず討伐できていた。

「やった……のか?」

 ユイトが息を荒らげそう言葉を漏らす。

「どうやらそうみたいね。疲れたー!」

 アイリスが肯定し、伸びをする。ギルドのお姉さんが言っていた20体程度の数より何倍も多い数を相手したのだ。疲れて当然である。

「よしよしー。ムウムウ頑張ったでちゅね」

 ユリシャへ目をやるとさっきまで巨大化していたムウムウは固定位置であるのかユリシャの肩へ乗っかっており、それをユリシャは撫でていた。

「ところで君はなんで僕達に着いてきたの?」

 ユイトが3人を助けてくれた少年へ問う。彼は長い錫杖を地面に突き立てていた。

「自己紹介が遅れたました。僕は君達と同じチームに入るよう言われた僧侶のシェロなのです。よろしくね」

 シェロと名乗った少年は微笑みながら自己紹介をした。これでチームには冒険者と魔法使い、そして魔獣使いと僧侶の計4人が揃ったことになる。そして残るは盗賊のみだ。

「シェロか。よろしく頼むよ! 私はユリシャだ。にしても君可愛いし、ちょっと甘い香りがするね……食べたい」

 ユリシャへ続いてアイリスとユイトもシェロへ自己紹介をした。そしてユリシャがまた変態丸出しの発言をしている。シェロはつくづくついてないと思う。時刻は黄昏時であり、クエストを受ける旨をギルドのお姉さんへ伝えてからかなり時間が経っている。

「そろそろギルドへ戻って報酬受け取りに行かない?」

 ユイトが皆へ提案をした。このままここで会話をしているとまた日が沈んでしまう。

「そうだね。僕もユイト君に賛成なのです」

 シェロが同意してくれた。アイリスとユリシャへ目を配らせると頷いてくれたため、森の外へ歩みを進める。東側の空からはもう夜の帳が降りようとしていた。道中は皆、今日の振り返りや他愛もない話をしていた。

 ギルドへ着くと中ではおっさん達がまた酒を酌み交わしていおり、ユイトはもう酒は懲り懲りだと溜息をついた。そしてユイトとユリシャ、そしてシェロはおっさん達の座っている隣のテーブルの席へ腰を下ろした。アイリスはというと受付へ報酬を受け取りに行った。

「お姉さん! 話と違ったけどアルミラージ討伐して来たわよー!」

 アイリスが受付へ身を乗り出し大声ですこし嫌味を交えてだろうか、あえて大変だったという旨も伝えている。

「す、すみません。大丈夫でしたか……? こちらが報酬になります。お受け取りください」

 お姉さんが報酬の2500ユースをアイリスへ渡した。すると途端にアイリスは満面の笑みをうかべこちらへスキップをしながら向かってきた。現金な女である。

「見て見てー! 大儲けよ♡ 今日はご馳走食べましょ!」

 アイリスがお金で我を仰ぎながら言ってくる。確かに今日はそれくらい太っ腹でいてもらわないと困る。

『ギュルルル』

 誰かの腹が鳴った。ユリシャは堂々としており彼女ではないであろう。アイリスもお腹を鳴らしてしまうとかなり恥ずかしがりそうである。だが今の彼女はニコニコしており彼女でもないだろう。残るはユイトだが彼も違う。となると残り1人だ、シェロへ目をやると彼は顔を赤らめモジモジしていた。確信犯だ。

「あら、シェロ君もお腹すいてるのね。早く家へ帰りましょ!」

「賛成だ! 私も腹がすき過ぎている! 腹が減っては戦ができぬだ」

 ユリシャが自信満々に格言を口にしているが、戦の後にさらに戦をする気なのだろうか。勘弁して欲しいとユイトは思うのであった。ギルドの外へ出るとガーレット王国には街灯が灯り人々で賑わっている。空は完全に夜の帳が降り今宵も赤い月が昇っていた。しばらく皆無言で王都の外れまで歩いた。角を曲がり奥を見ると、まだこの世界へ飛ばされて2日だというのに色んな思い出がある木造の家がある。

「着いたー。この家王都から離れすぎじゃねーか?」

 ユイトがアイリスに目を向けて愚痴る。

「そうなのよー! 私もあのお姉さんにここの家へ行くようにって言われて来たから、文句言うならお姉さんへどうぞ」

 ギルドのお姉さんはアイリスの事が嫌いなのだろうか。それともなにか他の理由があったのだろうか。どちらにしろあまりユイトが深読みする事ではない。

「まあまあ。今日はご馳走を食して風呂にでも入ろうじゃないか」

 ユリシャの言う通りだ。早く夜ご飯を食べよう。アイリスが家のドアを開けて中へ入り、ユリシャも後に続いて中へ入っていった。ユイトも2人に続き中へ入ろうとし、足を止めた。シェロが俯きながらまだ道に立っているのだ。

「どうしたんだ? 入らないの?」

 シェロは相変わらず俯きながらモジモジしている。

「ぼ、僕も中へ入ってよろしいのでしょうか? 今まで碌に友達ができたこともなく、ましてや家へなん……」

「ぐちぐちうっせーよ。仲間なんだから遠慮すんな」

 ユイトは気づけばシェロの横へ来ており、シェロの肩を組んでいた。ユイトの言う通りだ。仲間のシェロが過去にどんな事があったとしても今はそんなこと関係ない。仲間なのだから。

「あ、ありがとう! ユイト君」

 シェロはなぜか涙ぐみながらユイトへ向けて眩しすぎる笑みを向けた。

「お、おう……」

「2人ともー? なにしてるの? もうすぐ夕飯出来てるんだけど!」

 アイリスが遅すぎるユイトらを心配して、玄関のドアを開け隙間から叫んでいる。

「おーすまねぇ。ちょっと男同士話し込んでたわ」

「え……? どうい……」

 シェロがなにか言いたげにしていたが、ユイトは無理やり肩を組んだままドアを開け家へ入っていく。昨夜酒を酌み交わしたリビングへ向かうとテーブルの上には、美味しそうな、ステーキだろうか。ミディアムで焼けた断面が食欲をそそる。シェロも同じ様に今度はとびきり嬉しそうに涙ぐんでいた。

「さあ、2人とも座りたまえ。メンバーが増えたんだ、今宵も楽しもうぞ」

 ユリシャがお盆に3人分の水と、誰が飲むのだろうお酒を乗せてそう言った。

「おい、その酒は誰が飲むんだよ」

 ユリシャへ睨みを利かせる。

「きょ、今日くらいは良いでないか!」

 ユリシャが憤慨したような顔をして反論してくる。寝ない、暴れないという条件を守ってくれるというならば少しくらいは良いであろう。

「あんま飲みすぎんなよ」

「ああ、もちろんだ! さあ、座りたまえ」

 アイリスはもう席へ着いておりステーキをニヤニヤしながら眺めていた。確かにあれは過去1美味そうだ。ユイトが席へ着くとシェロも隣へちょこんと座り、ユリシャも水と酒を置き座った。

「それじゃあ乾杯するわよ!」

『かんぱーい!』

 アイリスの合図とともに今宵も皆揃って食事をとる。ユイトはステーキを1切れ口へ運んだ。すると、

「なんだこれ! くっそうめえ!」

 今までに感じたことがない衝撃が体を走った。口へ肉を入れた瞬間脂が程よく乗っているせいか肉がとろけ、危うく頬が落ちそうになり手で支えた。アイリスも肉を口へ運んだ瞬間、目から涙が流れ落ちあまりの美味しさに感動していた。他の2人も同様、とても美味しそうに肉を頬張っている。

「やばいな。これ美味すぎる」

 そうユイトが言うと、シェロがユイトの目を見つめ頭を縦に高速で振っている。

「それにしても君が来てくれて助かったよとても。あやうく3人諸共アルミラージの夕飯になるところだった」

 ユリシャの言う通りである。まさに危機一髪といったとこだ。

「ほんとよね。ところでシェロ君がきた瞬間のあの緑色の光はなんなの?」

「ああ。あれはリメディという僧侶全般が使う回復魔法ですよ。HP、MP、外傷といった全てを回復させるものです」

 それを聞いた瞬間、ユイトは内心とても驚いた。万能すぎではないかと。僧侶1人増えただけでとてつもない戦力だ。故郷のRPGゲームではせいぜい、HPとMPそれぞれ別の技を使って回復させるのが普通だ。それをひとつの技で回復させた彼は一体何者かと思うのであった。

「だけどですね、実はあの技を使うと当分僕は使い物にならなくってですね……」

 シェロが両人差し指の先っちょをつんつんさせながら申し訳なさそうに言った。

「というとそれはどういうことなの?」

 アイリスが目を丸くさせながら問う。

「あの技を使うには薬草といって回復魔法を使うための、魔法使いで言うMPを蓄えなくちゃいけないのです……つまり薬草がなければ僕はただの旅人同様なのです」

 なるほど。やはり反動もあるようだ。確かに、なんのデメリットも無しにあの回復魔法を使われれば敵方も困ったものだ。しかし薬草というものはどこで手に入りどんな物なのであろうか。

「シェロ、その薬草ってのはどこにあるんだ?」

 ユイトが気になっていたことを問う。

「それが……この世界のどこかにあるとされている巨大樹の付近にあるらしいのですが、僕もあまり詳しくはないのです」

 巨大樹。それは少年心をくすぐる響の単語であった。

「なるほど。巨大樹か。私も以前探したことがあるが見つからなかったな。だが、おおよそどこにそれが位置しているかわかるぞ」

 それを聞いたシェロやアイリス、ユイトまでもが驚いたという表情をしていた。ユリシャは一体何者なのであろうか。

「あのさ、今更なんだけどお前もしかして全知全能の神様?」

 ユイトが真剣な顔をしてユリシャへ問いかけた。彼女はそれを元気よく『フハハハハハ』と笑い飛ばした。

「まあ、近いうちにそこへ行こうぞ。だが装備やユイト、お前の剣も揃えなければ危険だ」

「そうね。今日みたいになってしまったら今度こそお終いね。しっかりみんなの分の装備や武器も整えてからにしましょう」

 ユリシャとアイリスの言う通りだ。また今回みたいな危機へ陥ってしまえば一巻の終わりだ。シェロの回復魔法も回数の限度がある。

「因みになんだが、シェロは回復魔法系以外にも何か使えるものないの?」

 ふと気になったユイトがシェロへ問いかけた。

「他にもありますよ! 主にバフ系ですがそれも薬草が無ければ使えないのです」

 なるほど。ますます薬草の重要性がわかる。それにしてもバフ系も使えるとなると今後も彼に頼ることは多くなりそうである。『よろしく頼むよ』という意志を込めた視線おくる。

「なんですか、そのいやらしいものを見るような目」

「うっせぇわ!」

 そんな他愛もない話をしていると、ステーキも全て食べ終わり、皆満腹になっていた。

「それじゃあそろそろお風呂にでも入って寝ましょうか」

 アイリスがそう言った。異世界に来て初めての風呂だ。汗をよく洗い流そう。

「じゃあ私とユリシャ、ユイトとシェロにわかれて入りましょう。お湯へ浸かりながらゆっくり話すと良いわ」

「え……アイリスさ……」

「ところで君達、風呂の場所はわかるかい? 玄関から入って左を真っ直ぐ行ったところだ。着替えはそこに置いてあるものを使うと良い」

 アイリスが話し終わったあと、シェロがまたなにか言いたげにしていたが言及する程のことではないだろう。ユリシャが風呂について丁寧に説明してくれた。

「んじゃあシェロ、風呂行くか」

 立ち上がりシェロの肩へ手を置き言った。再びシェロの肩へ手を置いて思うが、彼の背中はとても小さく華奢である。

「は、はい」

 シェロも立ち上がり風呂へ向かった。

 風呂へ着くと2畳ほどの洗面台の隣に男物の下着とパジャマであろうか。寝巻きのようなものが2人分椅子の上に置かれてあった。その隣には服が入ったタライがあり、そこへ脱いだものを入れるのであろう。

「おお。なんか故郷と似てんなー!」

 そう言いユイトは服を脱ぎ始めた。

「お、どうしたんだ? シェロ」

 それをモジモジと顔を赤らめたシェロが見つめていた。恥ずかしがっているのだろうか。今日初めて会ったのだ無理もない。

「んじゃ俺先中入ってるからな」

 服を脱ぎ終わりタライへ入れ、シェロへそう言い残しユイトは引き戸を開け風呂場へ向かった。中は五右衛門風呂の木バージョンといえば良いのだろうか。人が2〜3人程余裕をもって一緒に浸かれるほどの広さの風呂があった。

「いやー歴史を感じるねぇ」

 などと意味のわからないことを言いながらユイトは、傍へあった桶で風呂の中の水をすくいかけ湯をし、湯船へ浸かった。

「いい湯だぜ。一気に疲れが取れてく感じがする」

 お湯の温度はちょうど熱過ぎもせず冷た過ぎもせずジャストの温度である。すると、引き戸が開かれ向こうからシェロがやってきた。彼はなぜか身体をタオルで巻いており、さっきに増して顔が赤くなっていた。

「おいお主。風呂へタオルを入れるでないぞ」

 ユイトが故郷で温泉へはいる時のマナーをシェロへ伝える。だが彼は聞く耳を持っていないのかタオルを巻いたまま湯船へ浸かろうとしてきたため、ユイトはタオルを剥ぎ取った。

「あ! ちょっと!」

 シェロが剥ぎ取られたタオルを慌てて取り返そうとした。すると、

「……なっ! 嘘だろ? お前もしかして女だったのか?」

 ユイトがまさかの事態に驚き、タオルを持ったまま風呂の後ろの方へ後ずさりした。

「逆になんで今まで気づかなかったの! 誰がどう見てもこのぱっちりお目目、サラサラな髪の毛。どう考えても女じゃん!」

 確かに思い当たる節はあった。家へ入ろうとした時、アイリスへ2人で風呂へ入るよう勧められた時。どれもシェロはなにか言いたげにしていた。だがまさか彼が女だったとは思いもしなかった。確かに顔は中性的で女といわれれば女、男だといわれれば男だ。

「す、す、す、すまない! 気づかなかった。ずっと男だと思ってた……」

「失礼な男め。恥ずかしいので早くタオル返してください」

 シェロは顔を真っ赤にしタオルを要求してきた。どれだけ罵倒されても仕方がない。

「すまねぇ。はいこれ ! 先上がっとくからゆっくり浸かってくれ!」

 ユイトは申し訳なさそうに風呂から出、タオルをシェロへ返した。風呂へはあまり浸かなかったが『彼』いや基、もとい『彼女』が女だという大事なことが発覚した。着替えようと思い椅子の上の着替えを取ろうとしたが、隣へ落ちている包帯のようなものがユイトの目へ止まった。

「なにこれ。サラシ……?」

 もしや彼女はサラシまで巻いていたというのだろうか。アニメでよく見る設定だ。

「ダメだダメだ。変なこと考えんな」

 ユイトは顔を横へ振り見なかったことにし、寝間着へ着替えた。リビングへ向かうとアイリスとユリシャは楽しそうに女子会をしていた。テーブルの上にはアイリスはカプラス、ユリシャは相変わらず酒。そしてお菓子だろうか、クッキーのようなものを2人でつついていた。ユイトは彼女らと同じく椅子へ座った。

「あら、ユイト。もう上がったのね。シェロ君は?」

 アイリスがタイムリーすぎる話題をぶっ込んできた。

「まっ、まだ風呂に浸かってる……!」

 ユイトは少し焦り気味でそう答えた。シェロはサラシまで巻いているのだ、なにか理由があるに決まっている。簡単に他者へ明かすわけにはいかない。

「あら、そうなのね。私達ももうすぐ入るしユイト達はもう寝たらどうかしら? 今日の戦いで疲れたでしょう」

 アイリスの言う通りだ。風呂に浸かったからといって全ての疲れがとれたということではない。

「ああ、そうするよ。おやすみ」

『おやすみ』

 そうアイリス、ユリシャと挨拶をかわし、ユイトは階段を登り自室へ帰っていった。

「全く、あいつまで女だったとはな」

 ユイトはベッドへ腰を掛けそう呟いた。それと同時にシェロへの謎の罪悪感がせり上ってきた。

「明日謝っとくか」

『コンコンコン』

「ユイト君いますか?」

 ユイトがベッドへ寝ころぼうとしたとき、ノックの後にシェロの声が聞こえてきた。ユイトは少し戸惑ったが返事をした。

「お、おう。どうしたんだ?」

「失礼します」

 そう言いシェロはドアを開け入ってきた。彼女は男物の寝間着へ着替えており改めて顔を見ると可愛らしい顔立ちをしている気がした。そしてシェロはユイトの座っている隣へちょこんと腰をおろした。

「どうした……」

「ユイト君! 僕は今まで友達がいませんでした」

 突然すぎるカミングアウトであった。そして今更だがボクっ娘とは希少価値が高すぎるとユイトは思うのであった。

「それで僕は今日、ユイト君に『仲間だ』と言われてとても嬉しかったのです! 幼い時に両親を殺されてずっと独りぼっちだった僕の心に光が差した気もしたのです。だから、これからもなにも気にせず僕を仲間だと思って接して欲しいのです」

 それを聴き終わったユイトは目に涙を浮かべていた。彼の涙腺はゆるゆるである。そんな話を聞いて無理だと言えるわけがない。

「もちろんだ! シェロ! これからもよろしくな」

 ユイトはシェロの手を強く握りそう言った。

「はい! おやすみなさい」

 シェロはそう言って立ち上がり自分の部屋へ帰っていった。立ち上がった時シェロからとてもつもなく甘い香りがしたことはユイトだけが知る事実である。小窓から空を見上げる。明日は曇りだろうか。王都では今宵もまだ賑わっていた。

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