第57話 転移の真実①
私とディア王女・スメラ嬢・アミフォリアは、ひとまずこの世界の人たちに私たちのこと、そして知ってほしいことを報告をすべく、生放送をすることにした。
魔王アミフォリアから告げられた衝撃の真実。
もしもその報告が真実であるならば、この世界の人間を巻き込む何かを企んでいる可能性があるのだ。
【緊急生配信、私たちについて語ります】
私たちは事務所のカメラの前でチャットの画面をのぞいている。
これから始まる真実の生放送。
:なんだなんだ??
:真実とな!!
:緊急生放送は草
:気になる
:4人での初生配信か
:↑昨日新メンバー入ったんだから当たり前
「スメラ国ーファイ!」
《おー!!!》
そうして生放送が始まった。
机を横並びにして、まるで長椅子のようになっている。
「今回の生配信では、まずそうですね。私達がここに来た理由から話していこうと思います。前回もしかしたら説明したかもしれませんが、もう一度説明します」
ということで、私たちは魔族の反乱により、国から追われ、逃げている最中に崖から落ち、この世界に転移したしたということを伝えた。
:聞いたかもしれないが覚えてない
:なかなか……
:じゃあ魔王ここにいるのはおかしくないか?
:確かに……なんで魔王がここにいるんだ?
「その説明はアミフォリアからしてもらいます」
「はいはーい! 魔王である私が行くよー!」
:可愛い―!!
:きちゃー!!
:待ってました!!!
:これでスラム国有名になるぞ!!
魔王アミフォリアに変わった瞬間ものすごい速度でチャットが進んでいく……
かなり好かれているようだった。
「私は可愛くなーい!! かっこいいって言えー!!」
膨れ顔になりながらカメラに叫んでいる。
:ああ!! 尊い!!
:膨れ顔もかわいすぎるやろ
:着物もかわいい、容姿もかわいい、顔もかわいい、性格もかわいい。なんやねんこれ
:んでしかも魔王だろ? 強いんだろ?
:最高じゃねえか
:胸も若干大きいよな?
:確かに……年齢には合ってない気が……
:見た目Dカップはあると思うぞ
:ろりのDカップは犯罪だろ……
「もうとりあえず説明行くから! 私はねー、前にフィナリアと戦った時に瀕死になったんだよねー」
:フィナリア何してんねんwww
:魔王を瀕死にするの強すぎて草
:やっぱりバケモンだったか……
:草
:この世界だとどうなるの?
「あ~! この世界だと私はぼこぼこだよ!! だって! 魔力で身体強化最大、かつ身体装甲、かつ魔力ブーストの重ね掛けしても勝てなかったもん!! ここで会った時も私馬乗りにされて腹殴られて!」
「大事な部分を省略しないでください!!」
私は思わず叫んでしまった。
あのままの説明だと、私がただの暴力女になってしまう。
:おいwww
:やばすぎるwww
:なんだってええ!?
:ろ〇をボコすフィナリア……
:警察沙汰では?
やはり違う方向に解釈されている。
「違います! あの時は私が歩いているときに、後ろから攻撃されたので、背負い投げして馬乗りになっただけです! ずっと前から尾行には気づいていましたので、今回は正体を明かそうかなと思った次第です。その後、顔を知ってなんかむかついたので、1発だけ腹パン入れただけです。」
:はいアウト―!!
:草
:説明真面目かよwww
:魔王かわいそう……
:魔王かわいそうっていうレベルで可愛いんよなこの魔王
「だから可愛いって言うなー! 怒るよ! もう!」
:可愛いんだよなあ……
:めちゃ可愛い
:可愛い
:尊い……
「もう! それで! 白い光に包まれたの、先ほどフィナリアから説明があったようにね。そうしたらな真っ暗な状態で、体も何もなかったかのようになっててね、そしたら前に可愛いお姉さん女神がいたの! すごく可愛かった!!」
:異世界の顔面偏差値高すぎん?
:それな
:女神までかわいいとか……最高かよ
:声のテンションも上がってるね
「それでねそれでね! その女神の名前が創造神セレフィスト・メアリーンだったの!」
「なんですって!!?」
ディア王女が叫んだ。
まぁ、それはそうだろう、私もまさか創造神が魔王と組んだと聞いてびっくりしたのだ。
ディア王女は創造神セレフィスト様直々に加護受けている唯一の人物……
「まぁそれで、今回一斉転移させたのは創造神だったってわけ! 詳しい理由はわからないけど【準備ができたら戻します】とかって」
「準備? いったい何する気? というか私達以外にも飛ばされた種族はいるの?」
スメラ嬢が首をかしげている。
私も気になる。
しかし、どうやら何をしようとしているかは分かっていないらしい。
「それは魔王である私にもわかりませーん! 後、飛ばしたのは、魔王、精霊女王、そしてスラム国3人って言ってたよ!」
:そもそも誰が敵なんだ?
:確かに、魔王がここにいるのに魔族の反乱
:不思議なこともあるもんだなあ……
「それでね今回の敵なんだけど! 魔族を操れるのは魔王ともう1種族いるのよ」
「え? そうなのですか?」
それは知らない情報だ。
魔王以外にも操れる種族がいたとは……
「そう! それは悪魔! 実は悪魔も魔族を操れるのよねぇ~」
「まって、悪魔は確かに魔族を支配できるけどそれは1体だけじゃないの?」
スメラ嬢がアミフォリアの方を見る。
確かに、私も悪魔が魔族を支配できることは知っている。
が、支配できるのは1体までのはずなのだ。
あれだけの大軍を支配できるはずなどない。
「通常ではそう! けど……今回悪魔化した人間が問題なの!! 今回……悪魔化したのは……勇者だもん」
アミフォリアの言葉に私たちは唖然とするしかなかった。
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