第53話 【月間カラミア学園コラボ、5本目】異世界について教えます⑤
「じゃあ、始めるわよ。次開いてください」
スメラ嬢が教卓の前に立つと、資料を開いた。
ここから少し長い話になる。
「まず、そうね、フィナリアから魔力吸放器の説明があったと思うけど、魔力吸放器と魔法について説明するわ」
:めっちゃ楽しみなんですが
:俺たちの知らない魔力の方式とかあるのかな?
:あるだろうなぁ……
「魔法には風属性魔法→氷属性魔法→水属性魔法→火属性魔法→光属性魔法=闇属性魔法→白属性魔法があるわ。ちなみに、今言った順番、何かわかるかしら?」
スメラ嬢の質問に6人は放心状態になる。
魔力を全く知らない人が順番といわれてもわからないのは当然だろう。
「ヒントいうわね。先ほど言った魔法は魔力吸放器と関係があるのよ」
「にゃにゃーん!! わかったにゃ!!」
勢いよく猫鎌ヒカリさんが手を挙げて立ちあがった。
どうやら他の5人はまだ分かっていないらしい。
「それでは猫鎌ヒカリさん言ってみて頂戴」
「はーい! 答えは……吸収した量によって魔法が変わる!」
「半分正解ね。実際は、吸収して圧縮するのだけど、その圧縮力によって魔法が変わるのです。この世界でも圧縮すればするほど高温になったりすることないかしら?」
:あ~! そういうこと!
:つまりあれか! 説明できないけどわかるぞ
:空気を圧縮すると、分子が速く動くようになり温度が上昇するって聞いたことある。魔力も同じなのか
「チャット欄の言うとおりよ、私もこの世界のこと少し調べたのだけど空気の圧縮に近いわね」
「はい!」
手を挙げたのは、夜亜きらりさんだった。
「どうぞ夜亜きらりさん」
「魔力を魔力吸放器で圧縮するのはわかったけど、かなりの高温になるんじゃない? 体耐えられる?」
「そのために存在しているのが魔力膜。魔力吸放器で自動的に魔力膜と魔法の比率を半分ずつに分けるから、圧縮により生まれた熱は基本無害よ」
:つまりあれだろ? 60KMで走ってくる車に対して車の重量+60KMの威力で拳出したら車止められるのと同じ理論だろ?
:なるほどちょうど釣り合ってるってことか
:↑止められるというより、なんだっけ……ダメージなくなるとかじゃなかったっけ?
:例としてはわかりやすいな
「ちなみに例外もいるわよ」
「例外って何にゃ?」
猫鎌ヒカリさんが座りながら手を挙げ質問する。
「私とフィナリアが少し特殊な魔法を使うの。フィナリアに関しては威力とやり方が頭おかしいし意味わからないけど」
まさか頭おかしいといわれると思わなかった。
確かに1回、結構すごい威力出したことあるけど……
:フィナリアwww
:わかる気がするわ……
:どんな魔法??
:気になる!
「私は努力の末に、世界の魔力を魔力吸放器使わずに圧縮することに成功したわ」
「それって凄いことなのかしら?」
ミレーさんが首をかしげる。
「ええ、魔力吸放器を使わないということは、魔法をそのままの威力で打つことが可能になって魔力切れになる心配もない。かつ、圧縮できる量は世界にある魔力量になるわねその代わりに自分にもダメージが入るわ」
:やっば
:そっか半減しないから……
:世界の魔力を支配下に置いてるのやばすぎん? よくわからんけど
「【
「あ~いかれた魔法が来たわね……」
隣でディア王女が結構大きな声で呟いている。
:ディア王女www
:結構やばいのか??
:知らん
「あら、ディア王女この魔法は一応まだ弱いわよ? ちなみにラース湖を作ったのはこの魔法よ」
:お前かよ!!
:てっきりフィナリアかと思ったわ
:それな!!
「この魔法は単純だけど、魔力を空中の1点に集め球体にして落とすという技よ。ちなみに世界の魔力を消費するから、周りの魔力は近づくにつれて無くなるわ。今の私ならおそらく、世界の70%の魔力が無くなるんじゃないかしら」
「凄そうな魔法にゃ……」
猫鎌ヒカリさんが小さく呟いている。
:は?
:意味わからんwww
:世界の魔力の7割持っていくのかよ……
:7割ってどのくらい?
「私が答えます。スメラ嬢が【
「ありがとフィナリア。本来ならば世界の魔力の90%を消費する技もあるのだけど」
私の説明にスメラ嬢は小さく頷いた。
:おいおいおい
:やってること神かなんかか?
:世界の魔力ほぼ全部使うとかやばすぎやろ
:シールド系も破壊される説
「まぁ、これでもフィナリアには勝てないと思うわ。私の最高火力でもせいぜい国を2つほど壊せるくらいよ。まぁ前は1回撃つのが限界だったんだけど……今だとそうね、10回は撃てるんじゃないかしら? もしかしたら撃ちまくったらフィナリアに勝てるかもしれないわね……」
とんでもないことを考えているスメラ嬢。
あんな技を10回も撃たれたら相殺するのがちょっと面倒になるので、個人的にはやめてほしい。
「相殺するのがちょっと面倒になるのでやめてほしいです」
「冗談よフィナリア」
:国2つ壊せるくらい??
:感覚バグってて草
:最大20か国滅ぼせるの草生えるわ
:相殺ちょっと面倒になるだけなんだ……
「じゃあ最後にフィナリアが撃った化け物攻撃について被害詳細含めて説明しようかしら。私もなんであんな攻撃ができるのかわかってないけど」
:めっちゃ気になる!!
:聞きたい!
:フィナリアの最高魔法火力?
:やばそ……
「それでは説明するわね」
とスメラ嬢がゆっくりと口を開くのだった。
私も被害詳細は知らない。
なので少し楽しみである。
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