第47話 【月間スラム国コラボ、4本目 フィナリア×ノア・エリナ―】コラボで生配信をしました。 ④


 いよいよラストの対決がやってきた……

掃除……味覚ときて、次に使用人がしないといけないこと。

なんだろうか?戦闘?


『にゃにゃーん!それではラストの対決種目行くにゃー!!』

『ノアさんとフィナリアさんが同点で並んでるら~このラストで勝敗が決まるら~』

『それでは発表するにゃ!……の前に、これ結構、悩みに悩んだにゃ。

メイドということで、ご主人様を守るのは必須にゃ!

ということで、始めはじゃんけんからの負けたら柔らかいハンマーでたたく。というゲームでもいいかにゃと思った!

けど多分ミスすれば、ノアさんの頭が割れる可能性あるので中止にしたにゃ』



:草


:どういう状況で頭割れるねんwww


:そりゃそうだwww


:企画考えるとき頭割れる心配するか?普通


:↑そりゃ車を牽引できるレベルの力やぞ。仮にミスして手が頭に当たったら割れるだろ。やらなくて正解


:↑あの時、結構余裕で引っ張ってたから実際はもっとあるだろうし……


:↑お前ら忘れてはいけない。フィナリア車ごと持ち上げてるんだぞ?溝にはまったのを


:そういえばそうだわ……


:素手でヘルメット貫通するんだろうなwww




『ということで~瓦割り対決にしようと思うにゃー!』

『これはより多くの瓦を割った方が勝ちという勝負ら~これなら被害は瓦で済むら~』


ということで最後の勝負は瓦割り、ということでが決まった。

瓦というものは聞いたことないが……壊せるものなのだろう。


『ノアさん自信のほどはあるにゃ?』

『瓦割りなら自信ありますよ!』

『じゃあフィナリアさんはどうにゃ?』

『瓦というのが何なのかはわかりませんが、多分大丈夫だと思います。デヒア王女様のためにも負けるつもりはありません』

『それじゃあ私、花林からルールを発表するら~ゴクゴク……ぷはあ~!ル~ルは~瓦を担当者が1枚ずつ、2つのレンガ間に置いていくら~それを1枚づつ割っていって、最後残ったらそこで終わりら~。残った時の枚数で勝負を決めるらよ~

ちなみに3回再挑戦できるら~


と実際におちゃ漬けさんが瓦を持って、花林さんの説明に合わせて実践してくれている。


(なるほど……つまりは、下向きに瓦を殴ってひたすら割ればいいということですか……行けそうです!)


『それじゃあ2人は部屋移動お願いするにゃ~』



ということで、私はミラニアさんと一緒に、再びあの会場に連れられて行くのだった。


そうして着いた会場にはもう既に5枚の瓦が2つ積まれている。

ここで私とノアさんが勝負をするらしい。

周りには、花林さん、ヒカリさん、ミラニアさん、おちゃ漬けさん、ノアさんが集まっていた。


『さぁノア選手とフィナリア選手の登場にゃー!!』

『なんかスポーツみたいになってるら~!!』

『よろしくお願いたしますね。フィナリアさん』

『こちらこそ負けるつもりはありません。ノアさん。王女使用人兼護衛として絶対勝ちます』



:いいねえ!!


:バチバチの戦いで草


:異世界の王女使用人兼護衛人は強すぎて草


:さぁ、どっちが勝つのか……


『それじゃあまずはノアさんから5枚!練習として割っていただくにゃ!一応割り方のコツとしては、しっかりといい位置……中心にゃね、にしっかり当てることにゃ。後はたたくときに大きく声を出したら、力が出るらしいにゃ。

それでは、怪我をしたらダメにゃので、用意してある軍手とグローブお願いするにゃよー』

『わかりました。これですね……』


ノアが軍手とグローブを手に取る。

まさしく格闘家みたいな姿で……


『正拳突きでいいですか?』

『特に殴り方は怪我しなければ何でもいいにゃー』

『あれ?ノアさんって経験してますか~?』

『はい、私、世界大学空手道選手権優勝しています。それでは……』



:やばすぎワロタwww


:ええ?誰や……


:わからん……


:ガチな人で笑うわwww


『行きます。1、2、やぁ!!』


ガシャーン!!


と音が鳴り、ノアが瓦を割った。

瓦はすべて割れ破片が周りに散乱する。



『視聴者に瓦見せるにゃ!』


ヒカリさんがカメラを持ち、瓦を見せている。

ノアさんは私と違い、Vtuberのため動作のみで、実際の瓦を見せることはできないということらしい。

とはいえ、視聴者さんはかなり盛り上がっていることだろう。

私は目の前で見ていたので、画面を見る必要はない。



:粉々に割れてて草


:パワーやばすぎwww


:さすが空手世界1位……


:フィナリアもやばいんだろうなぁ……



『次フィナリアさんにゃ!』


私の番がやってくる。

5枚ならば大丈夫だとは思う。

私は、別の場所に置いてあった軍手とグローブを付け、瓦の前に立つ。


『それでは行きます。3、2……』


がちゃん!パラパラ……


『すみません。割れてしまいました』

『にゃにゃ!?』

『ははは!!』

『そんなことあるら~!?』

『さすがですね、フィナリアさん』


まさかの準備段階で割れてしまった。

生放送としてやってはいけないことしてしまった?



:は??うぇ??


:おいおいwww


:本気出す前に割ってて草


:パワーかどうかわかんねえwww



『とにかく次行くにゃよー』


とスタッフが必死に並べている映像が映る。

動画だとカットにできるが、これは生放送のためカットにできない。

そうして並べ終える。


『次は10枚にゃ!かなり増えたにゃよ』

『ここから難易度上がってくるら~頑張ってほしいら~順番はノアさんからいいにゃ?』

『はい』

『それじゃあ早速お願いするにゃ!』

『行きます!すぅ……すぅ……やぁ!!』


ガシャーン!!ガラガラ……


ノアさんの一撃は、綺麗に中心を付きそのまま破片が左右に飛び散った。

周りからどよめき声がする。


『これは全部割ってるにゃ!』

『すごいら~!』



:めっちゃきれいに割ったなwww


:周りも声漏れてるwww


:やっぱ殴り方上手なんだな



『次フィナリアさんにゃ!』

『わかりました』


私も再び瓦の前に立つ。

ただの瓦だとは言え油断はしない。


『それでは行きます……1、2、はっ!!』


ガシャ―ン!!ガラガラ!バキ!


私の一撃はそのまま瓦の中心をとらえたが、少し手のほうがズレていたため横に滑り、横の支えているブロックに当たるのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る