第46話 【月間スラム国コラボ、4本目 フィナリア×ノア・エリナ―】コラボで生配信をしました。 ③


 私は、再び待機場所に戻り、ひたすら結果を待っている。

どうやら、ヒカリと花林は実況と解説をしているらしい。

ちなみに、待機場所ではライブ映像を見ることができる。


『さて私からノアさんの時間発表するよー!ノアさんが片づけた時間はこちら!なんと21分29秒57!あのアクシデントがありながらも結構早めに片づけ終わらせたね』


:はっや


:気づいたら21分経ってたわ……


:そっかこれ生放送か……


:みんな時間間隔バグってて草


:フィナリアも同じくらいかな?



「次は私が発表するデース!!フィッナリアさーんのターイムわああああ!21分30秒01デース!!」



:僅差過ぎて草


:うわあああ!惜しい!


:レベル高すぎwww


:何に本気になってんの……?


:↑どちらのメイド(使用人)がふさわしいか選手権


:ガチになりすぎだろwww


:まぁ……フィナリアは王女の護衛メイドだから……


:↑負けられない戦いがここにはある!的な?


:にしても、ミラニアの言い方癖すげえな



『にゃにゃ!?思った以上に僅差!ということで~、1回目掃除項目の勝者はノアさんにゃー!』

『なかなか面白い展開になってきたら~次はフィナリアさんが勝つところ見てみたいらよ~ゴクゴク……』



:おいwww


:飲む音入ってんねんwww


:いやあ解説も本気やなあ……


:↑本気すぎて逆に引くわ



『次の対決いくよ~!次は【メイドならわかるよね?何が入っているのか当てるゲーム】にゃー!!』

『わー』


パチパチ……



私は冷静に次の項目を見ている。

次はおそらく味覚を試される試練。

味覚に関しては、王女様へお出しするしょく材のほとんどは、私が毒がないかどうか逐一確認していたため結構自信はある。

前回では惜しくも負けてしまったので、いや負けは負け、惜しいも何もない。


「次はがんばりますよ……王女様にダメ使用人と思われてしまいます。それだけは避けなくては」


私は小さく呟くと再びヒカリさんから説明が入った。


『にゃにゃーん!今回の勝負の詳しい内容は、みんにゃミックスジュースは知っているにゃよねー!その中に入っている食材を当ててもらうにゃ!1個充てることに1ポイント、全部当たればさらに+1ポイントにゃ!』

『使用人ならば、ご主人様に食事を出す前に確認するはずら~』

『それじゃあ今回はノアさんから行くにゃよー!』


どうやら再び別の場所に移動されるらしい。

まぁ……それもそう……

ここでコメントを見てしまうと何が使われているのか丸分かりだからだ。

ということで私は、ミラニアに呼ばれ、別室に歩いて行った。


〈視聴者目線〉


一方そのころ、視聴者の画面では、再びヒカリと花林が現れた。


:今回も移動か


:いったいどんなジュースなんだろう?


:楽しみすぎる




『えーということで!視聴者の皆さんにのみ!内容を発表するにゃー!!』

『今回のジュースはこちらのミックスジュースとなります』

『桃、リンゴ、ミカン、バナナ、牛乳、そしてレモン汁、バニラアイスにゃー』

『全て当てられれば、なんと8ポイントらよ~!』



:むっず


:牛乳はわかるけどレモン汁??


:レモン分からなさそう


:ノアならいけそう


:ドキドキ!



そして画面は切り替わり、ノアが椅子に座っている画面になった。

前には学校においてあるような机と、上に縦長のグラスが置かれている。


『それではノアさん!目隠しを外していいにゃよー!』



ヒカリの合図にノアが目隠しを取り、前のグラスを見る。


『それは果物のミックスジュースら~、中に入っている材料を当てるら~』


ノアはゆっくりと口に含む。

しかし何やら難しい様子で、何回も首をひねりながら味を確かめている。


『おそらく、バナナ、ミカン、リンゴ、牛乳……だと思います』

『自身なさげにゃね?』

『いいえ、私の直感を信じます』

『じゃあ次にゃー』



:4つ当たってるのすご


:まぁバナナとミカンはわかりやすそう……


:さぁ次は……


〈フィナリア視点〉


とうとう私の出番がやってきた。

とても緊張してしまう……

普段緊張という感情などないのだけど、今回は生放送で私の知識……というかをみんなに見せるのだ。

使用人として、恥をさらすわけにはいかない。


「大丈夫……」


私は目隠しをされ、前が真っ暗になる。

昔の世界なら反撃をしていたであろうが……

そして何やら椅子に座るようだ。

良いにおいがする、果物系だろうか?


『それでは目隠しを外すにゃ~』


ヒカリさんの声が聞こえたので、私は目隠しを外した。

周りには白い壁、そして目の前には机に置かれてあるグラス。

どうやら匂いはこのグラスから来ているものっぽい。


『これはミックスジュースだから素材を何か当てるら~』


私はカメラを向いて大きく頷き、ジュースを口に含む。


(これはバナナの香りが強いですね……あとリンゴでしょうか?これは……ミカンもありますね。あ、なんか桃も入ってる気がします。ん?この味は何でしょう……?甘いのと酸っぱいのがありますね……あとこれは……アイスかなんか入ってますでしょうか……?)


私はもう一口ジュースを飲む。

これで確信に変わった。


『わかりました』

『お!何にゃ?』

『レモン・桃・バナナ・リンゴ・牛乳・バニラアイス・ヨーグルトですね』

『にゃにゃ!?ヨーグルト?』

『はい、若干ですが、甘みと酸味が同時に来るのがありました。ヨーグルトは昨日食べたので何とかわかりましたよ』

『すごいら~私小さじ半杯分のヨーグルトを隠し味に入れたら~』

『ぜ……全問正解にゃ!』



:小さじ半杯分しか入ってないヨーグルトわかるんかよwww


:ヨーグルトと牛乳よくわかったな?


:味覚やばすぎるだろ


:これは圧勝だわ……


:花林何しとんねんwww


:ばれてて草


:わかる自身ねえ……


:↑安心しろ一般人はわからん


:フィナリアが異常ということが、カラミア学園の視聴者にもばれ始めている……


:↑フィナリアだけじゃない、全員だぞ



『それじゃあ次でラストの対決にゃ!!』


そうして次の対決に移っていくのだった。

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