第45話 【月間スラム国コラボ、4本目 フィナリア×ノア・エリナ―】コラボで生配信をしました。 ②


 私は今別室にいる。

その理由は、今日カラミア学園とのコラボ生配信で、スラム国王女の使用人である私と、カラミア学園メイド係であるノア・エリナ―との対決。

ということで、今、猫鎌ヒカリさんから質問が来るのを待っている状態である。


『うにゃあ~責任重大にゃ~。じゃあ1問目行くにゃよ~!』

『『はい!』』


私とノアが大きく返事をした。


『まぁメイドとか使用人の仕事と言えばにゃ!ズバリ!掃除のきれいさと速さが重要にゃ!ということで!2人の部屋にはそれぞれ、空の段ボール箱とその周りには積み木がたくさんあると思うにゃ!それを綺麗に、元通り片づけてほしいにゃ!ちなみに1番上の段の正解は渡しておくにゃ!にゃにか質問あるかにゃ?』

『はい』


私が手を挙げる。

この絵を見るに上は様々な形の積み木はあれど、大体8×8で収まるらしい。


『はい、フィナリアさん!にゃー』

『これは上が揃えれば下は全部きっちり収まりますか?』

『収まるにゃ!ただ5段くらいににゃるから間違えたら1個多くなったりするにゃよ!』




:難易度高すぎワロタwww


:パズルか


:上の段だけわかって下4段はわからないやつね


:ヒントすらもないのはきつくね?


:僕は絶対にやりたくないパズルだわ……


:それな


:ただでさえ1個のパズル埋めで苦戦するのに、この無数の積み木を、4段きっちり納めないといけないのは冷静に考えてやばい。



『時間が速く、完成した場合その方に1ポイントにゃ!ちなみに完成しても、下4段がきっちりはまっていなかったり、1個でも積み木が余っていた場合は0ポイントにゃ』

『頑張ります!』

『私もフィナリアさんには負けません!』

『それでは、用意……スタート!!』


その合図に私とノアさんは一斉に積み木に向かう。

今回は時間制限はなし、いかにして正確に片づけるかを競っている。

ノアさんの様子はスタートの時点で画面が消え、お互いの様子はわからないようになっている。

ちなみに視聴者には私とノアさんの様子は2つの画面で見れるようになっている。


『うーん……私はとりあえず確実に片づけていきましょうか』


私は先に、もらった画像の通り地面に並べていく。

これが必勝法だと思ったのだ。



:フィナリア何してんの??


:最後の段先に作ってるのか


:賢い!


:まぁ確かに考えるパーツは少ない方がいいもんな


:この1回組み立てる時間がどうなるか……


:ノア1段終わってて草


:ノア早すぎん?


:パズルめっちゃ得意だもんなノア


:フィナリアちょい不利か??


:ヒカリちゃん!花林ちゃん!実況解説してえええ!!!


:↑草


:コメント読んでるのか?


『とりあえずここからですね……ノアさんがどこまでできているのかわかりませんが、絶対に負けるわけにはいきません!』


私はゆっくりと一段一段合うように片づけていく。

一段でもミスをしてしまうとやり直しになってしまうのでそれだけは避けないといけない……


一方そのころ。


『にゃー実況の猫鎌ヒカリだぞ~』

『ごくっごくっごく……なんか勝手に解説になった青山花林らよ~』



:実況解説きちゃー!!!


:コメントしっかり見てて草


:この2人の実況解説はカオスになる未来しか見えない


:待て待て待て審査員どうすんねんwww



『んにゃー審査員は現在新しく呼び寄せたにゃー』

『ヒカリさんの無理やり感がすごくて裏でびっくりしたら~』

『ハーイ!皆さーん!ミラニア・シュフィリア!デーース!』

『審査員よろしくにゃ~』

『よろしくデース!』



:ミラニアwww


:ヤベー奴来たな


:草


:行動力よwww


:実況解説よろしくう!



『うにゃああ!現在調子いいのはノアにゃね!しっかりと堅実に作っていってるにゃ!対してフィナリアさんは先に写真の通り最後を組んでから、はじめているにゃー』

『お互い片づけ方が違うのは面白いら~けどノアさんはしっかり最後の段ができるのかどうかが勝敗を分けてくるら~』



「ふう、なかなか大変ですね……一応最後の段はここにあるから……あと1段です」

「ふふふ、私はもう最後の段のさい……あら?なんで1個あふれているの……?おかしいわ!!」



『にゃにゃー!!ノアがにゃんと最後の段で一個残ってしまったにゃー!!その間にフィナリアも4段目に行ってるにゃー!!』

『ノアさんこれは痛手ら~どこで間違えてかわからないらよ~おそらくこれは時間勝負になるら~』



:ノアアアア!!


:やらかしとるwww


:こりゃあわからないやつだ……


:だるいやつwww



「4段目終わりました……あとはこの別で作った5段目を……横にあるこの板に乗せまして……」

「ここでしたか!4段目で助かりましたね!」



『2人これは……ほぼ互角にゃね!どっちが勝ってもおかしくないにゃ!!』

『フィナリアさんはおそらくテーブルクロス引きみたいにするつもりら~板を引っ張って、5段目をそのまま4段目の上に落そうとしてるら~』



:フィナリアめっちゃ賭けみたいなことしててくさ


:いや空中テーブルクロス引きはむずいだろwww


:やろうとしてることやばすぎ……


:どうなるんだろ



『行きます』

『これでラストですね……』


勢いよくフィナリアが板を回すように引き抜いた。

積み木は崩れることなく、そのまま箱の中にこぼれることなく収まった。

そしてノアの方も最後の1つの積み木を入れ、ほぼ同時にストップウォッチを押した。



:レベル高過ぎて草


:片付けって戦争だっけ?


:フィナリア板抜いた瞬間、見えんかったぞ


:↑速すぎて積み木も困惑してるよ


:綺麗に全部入ったよなぁ


:なんだかんだ、ノアもやばいけどな。最後を作らずに、無数の中から正解を自力で引き当てたんだろ?


:↑本来はフィナリアのように。最後がわかってるなら、最後作ってからやるもんな


『にゃにゃーん!結果発表行くにゃよー!!』

『それじゃあ審査員2人よろしくら〜!』



という事でついに結果発表が始まるのであった。

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