第28話 大型トラック・大型バス・大型トレーラーで24時間生活(中編) ⑤ 


現在。所持金、フィナリア7000円・ディア王女9000円・スメラ嬢7800円。


試練を終え、しばらく待機し、13時になろうとしている。


『13時の休暇遠足たーいむ!!』


パチパチパチ……


3人は拍手をする。


『今回は試練ではなく!一旦3人は、それぞれこのスメラ嬢がいるバスに乗ってもらいます。そしてですね、バスでとあるマーケットの駐車場に向かい、そこで3人には10000円をそれぞれ支給するので、自由に使ってきてください!ゲームに使うもよし、食事に使うのもよし、買い物に使うのも良し!それと今からは地面に足を着けても大丈夫ですので!移動お願い!』


フィナリアとディア王女はそのままトラックから降りると、スメラ嬢のいるバスに向かった。


『失礼するわよ。って何よ!この椅子!こんな柔らかい椅子でずっと座っていたのはずるいですわよ!』

『これはいいですね、座り心地も悪くありません』

『私に文句言わないでよ。そもそも、くじ運の悪かったあんたの責任でしょ』

『何で私のせいですのよ!』


:自由行動だ~


:結局3人一緒に歩くだけなんやろうなぁ……


:↑それが良い


:それな。


:ゲーム楽しみ


『3人乗ったねーじゃあ、私運転するから』

『こんな大きい物、動かせるって言うの!?』

『はい、私この乗り物動かせる専用の免許持っているからね』


おちゃ漬けがエンジンをかける。

3人は初めての感覚に周りを見回している。


:バス運転免許持ってるのかよwww


:やばすぎワロタ


:ここからどこに行くのか、めちゃくちゃ気になるところ


:マーケットって言ってたから、ショッピングモールじゃね?


:商店街の間違いでは?


:それや


『凄いわよ!動いてるわ!』

『結構揺れますけど、乗り心地すごくいいですね』

『ディア王女、うるさいわ。静かにして』

『何よ!こんな乗り物に乗ったのは初めてなのよ!少しくらい叫んでもいいじゃない!』


そしてここで一旦カットが入る。


『もうすぐ着くよ!』

『案外早かったわね』

『この乗り物が速いからですよディア王女』

『馬車の五倍くらいは速いわ』

『わ、分かってるわよ!』


そして、3人が乗るバスはとある駐車場の中に入っていく。


:馬車基準かwww


:異世界にはやはり馬車か……


:初めて乗るバスの乗り心地は格別だろうなぁ……


『はい!ここから10000円支給するよ!みんな楽しんで!』


ということで、3人別々で歩いて行った。

3人別々で歩くことは、チャット欄の人たちも予想していなかったようで……


:3人別々!?


:ディア王女1人で大丈夫!?


:不安しかねぇ……


:まぁでも一応フィナリアとおちゃ漬けさんが、この世界の事教えてるはず……


:見守るか……


:↑賛成


:いうてディア王女何歳よ


:中学生くらいじゃね?


:……ならまだ1人で大丈夫か


その頃ディア王女は。

何をすることもなく、ブラブラと商店街を歩いている。


『何もすることがないわよ』


:だろうなwww


:いつもフィナリアに頼ってるんだろうなあ……


:これがライブ配信だったら……ここがいいよ!って言えるのになぁ……


『ん?』


ディア王女はあるお店を見つけ、中に入っていく。

そこにはたくさんのぬいぐるみ、お菓子が入っている箱があった。


『わあ……面白そうだわ!!』

『いらっしゃいませー動画ですか?』

『きゃー!え?あ、そうですわ!』

『でしたらあそこで両替できますので』

『???』

『ついてきてください』


ディア王女は店員さんに連れられ歩いていく。


:ゲームセンターねwww


:確かにディア王女は変な買い物するよりこっちの方が良いか……


:それは分かる


『はい、10000円分です』

『感謝するわ!』

『持てますか?100円玉100枚ほどありますが……』

『余裕よ!』

『では楽しんでください~』


ということでディア王女は、まずお菓子の台を狙っていくのだった。


『これは……どうすればいいのかしら?』


そのゲーム機とは、円形になっており、回っている光をぴったりと止めたら、棒が外れ、お菓子が落ちるといういわゆるタイミングゲームだった。


『まぁ、とにかくやるわよ!ここに入れればいいのね』


そう言ってディア王女はお金を入れる。

大きな音楽が鳴り、光が高速で回り始めた。


『はい!はい!はい!はい!は~~い!!!!』


ディア王女がボタンを押し停止させる。

しかし光は、目的の所から4つ過ぎて止まった。


『今のでも遅いの!?壊れてるわ。もう1回!』


そうして100円を入れる。

再び光が回り始める。


『はい……はい……はい……すぅ……はい!』


パシン!!

見事、光は矢印の所に止まり、BGMが鳴る。


『やりましたわ!』


そして、お菓子を支えている棒が下がる。

ガタガタ……とお菓子が倒れてくる。

しかし……


『はあああ!?』


残り2つの支え棒にしっかりと引っかかり止まってしまった。

落ちたお菓子の量は0である。


:草ぁぁぁ!


:おちる~?落ちな~~~いwww


:↑どこかの革命軍やめろ


:残り2つもやってもろて


:あれだけ崩れて全部引っかかることなんてあるのかwww


『こうなったら……全部取ってやるわ!!』


そうして、全部取りきることを目標に、ありとあらゆるクレーンゲームに金をつぎ込んでいくのだった。

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