第21話 ゲーム生配信(フィナリア編)②


 今私の画面には、上空に飛んでいる様子が映し出されている。

下には地面が見える。


『ここから……何をするんでしょう……??きゃ!落ちましたよ!!?』


なんとキャラクターが一斉に下の地面へと落ちていったのだ。

さすがに一発目で、落下死なんてことにはなりたくない。

しかし、カチャカチャスティックを動かしても、何も起こらず画面だけがぐるぐる動くだけ……


:草


:画面酔いするwww


:フィナリアさん!落ちても死なないから大丈夫ですよ!!


そしてキャラは着地体勢に入り、地面に降りた。

とりあえずは死ぬことはなかったらしい。


『えっとここから……武器を探すのでしたね!』


私はとりあえずキャラを操作し武器を探す。

そして何やら四角い箱の前に立つ。


『ここで……☐ボタン……あ、開きました。武器です!!』


:おー!セレブレッドやんアサルトだから使いやすいよ!


:いい武器持ったね~


:初めてにしては漁り速いよね


『これはシールドポーション?』


:このゲームではシールドポーションとヒールキッドが最強ヨ


:まぁ確かにな


『とりあえず皆さんについていきま……』


と何やら横からダメージ判定を受ける。

何が何だかわからずとりあえず逃げることにした。

キャラ曰く敵だそうで……


:敵だ!


:やっちゃえ!!


私はついつい無言になりシールドを回復する。

一瞬焦ってしまったが……


『ふう……ビビりました』


私はすぐに体制を整えると応戦している味方まで走る。

どうしようか……

私は正面の敵を横に避け、そのまま撃つ。

一発で削りたいので、意地でも照準を合わせ続けることを意識して撃つ…‥すると、白色の数字が出て、何やらバリン!と音が鳴り、そのまま、赤数字に変わったと思ったその時、あっという間に敵がうつぶせになった。


:うまあああ!!


:初試合1発目、ワンマガノックまじかよ!!


:キャラコンどうなってんのwww


:PAD今日が初だよな……?よな?


:ゴールドークラスの俺よりうまいんだが??


:ちゃんと照準合わせて撃ってから、腰打ちで決めるのかっこよ


:ちなみにノックして倒すと、倒すと相手の持ち物取れるよ!!


そのコメントを確認した私は、そのまま倒す。

その時パシーンと音が鳴り、HPゲージの上の白色が青になっているのに気づいた。


『なんか色が変わりましたが……』


:それがシールドですよ!白・青・紫・黄・赤・虹になって、それぞれ白が2ゲージ・青が3ゲージ・紫が4ゲージ・黄色が5ゲージ・赤が6ゲージ・虹が7ゲージです


『なるほど分かりました』


私はそのまま味方に合流すると、何やら赤色のピンが正面に刺される。

これはチュートリアルで勉強した。

敵がいるという合図だ。


『ふふふ……これは行くしかありませんね……』


:一人で??


:5人フルパじゃない?


:横にセンチュリガンがあるよ!


私はそのチャットで隣を見る。

すると何やらもう1つの武器が落ちていた。


『センチュリガン?遠距離武器ですか……』


:スコープなかった?


:まだないと思う


:必殺打てばいいと思う


私はこのキャラの必殺を打つ。

後ろのボタン同時押しで指定し、攻撃ボタンで決定するらしい。

しばらくして、下から何かボックスが出てきた。

開くと中には、スコープや、弾、シールドポーションが入っている。


:スコープ来ちゃ!


:いいねぇ4倍


:これで撃っていいかもね


私はスコープをセンチュリガンに付け覗き込む。

さっきまでとは打って変わり、はっきりと敵の位置を認識することが出来た。

てことで攻撃開始である!


:ほぼ全弾当たって草


:うますぎwww


:うーん?こんなに当たるっけ?


:↑止まってたら当たる


:なんで飛んでいる敵に、全弾当たるんですかねぇ……


:ワロタ


『そろそろ突っ込みます』


私が通常のピンを出した瞬間、一斉に走り出す。

疲労していたのだろう敵の陣営は、この突撃であっという間に壊滅したのだった。


猫鎌ヒカリ:にゃにゃーん!見に来たけどうますぎて、萎えたヒカリにゃー!!


:ヒカリ……強く生きろ


:↑とどめ差しにいってて草


猫鎌ヒカリ:今強く生きろって言った方、私を飼う権利を渡すにゃー


:は?うらやま


:めっちゃええやんけ!


猫鎌ヒカリ:3食風呂付きの、小遣い月20マンニャー


:羨ましい発言撤回します


:↑手のひらクルクルで草


夜亜きらり:ちょっと!ゲーム配信……いつから!?私も混ぜてぇ~♥


:きらりちゃんきちゃああああ!!


:なにいってんのwwwきらりwww


:病み上がり早々発情するなwww


『残り2チームですね……』


:ラスト1チームかぁ……


:初プレイ野良でここまでくるのはすごいだろ


:何で、ワンマガキル出来るんですかねぇ


:ほぼプロやんけ


『それにしてもこの』


味方2人は倒され、ついに私一人だけになってしまった。

敵は恐らく5人そのままいるだろう。


:絶望的状況で草


:きついなぁ……


猫鎌ヒカリ:これは諦めた方が良いにゃ~


夜亜きらり:がんばれえええ!!私の推しいいい!!


:行けるぞーー!


『仕方ない……やりますか!』

そうして私はセンチュリガンを取り出し、岩の後ろから狙いを定めるのだった。

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