第20話 ゲーム生配信(フィナリア編)①
2回目の生配信が終わり、リビングでくつろいでいると、何やらガサガサという音が聞こえる。
「あ!フィナリア!ちょっとこれ持ってくれる?」
「あれ?みさきさんどうしたのですか?……ってなんですかその荷物……」
「ふふふ……3人分のパソコンとP〇5がついに届いたんよ!」
「おお~!本当ですか!」
「これでいつでも配信できるで!部屋は、とりあえず4部屋あるから、そこで個別に配信してもろて」
「了解です。まとめて運びますね?」
「うええ!?」
私は驚いているみさきをよそに、パソコンとP〇5の入った段ボールを3つ重ねて持つ。
結構重いが、馬車を持ち上げたときに比べたら全然余裕だった。
「ほんまにとんでもないバカ力……」
まぁ、その様子を見ていた、みさきからはすごく驚かれたのだが。
さて、舞台は整った。
後は、本番まで待つだけである。
2日後。生配信当日。
「今日からは個別ね!皆は内容決まったのかしら?私は、決まったわ!」
「どうせディア王女の事だから、とんでもない物だろうけど」
「違うわよ!【AMEK】よ!3人共闘らいいし楽しそうだわ!」
「私も【AMEK】のゲーム配信」
「全員同じゲーム配信なんですね」
「それじゃあ皆行ってらっしゃーい!」
みさきが手を振り私達を見送った。
いよいよここから本当のゲーム開始である。
『スラム国ーファイ!』
:オーー―!!
:きぇええ!!
:生配信来ちゃー!!
:何するん??
『はい、皆様、え~……ちょっと緊張しますね』
1人で配信するのは初め手の為ものすごく緊張しているのが私でもわかる。
いつもならば、私1人で戦いとかできていたのだが。
:緊張してる?
:珍しい!!
:まぁ、そりゃあ緊張もするわな
:ディアも配信し始めたぞ
:3人同時個別生配信!!?
:追いつかんてwww
:今、俺は2画面で見てるぜ!2人の声は跳ね返りすぎてどっか行っちゃってる
:おいwwwやめろそのネタwww
:大反響してんじゃねえかwww
:???なになに??
:↑某アイドルグループの、大〇智VS中〇正弘〇で検索したらわかる
『え~今日はお待ちかねのゲーム生配信でございます。今回プレイするゲームは……【AMEK】です。分からないことだらけですので、アドバイス等よろしくお願いいたします』
:おおおおお!!!
:AMEKきちゃーーー!!
:ヒカリ――!!キャリーしてあげてくれー!!
猫鎌ヒカリ:にゃにゃーん!まずはチュートリアル終わらせるにゃー!!
:ディア王女もスメラ嬢も同じAMEKか
:スラム国もAMEK配信者大会出れるってことか??
:さすがに初心者にはきつくない?
:行けるのは行ける。猫鎌ヒカリがパテに入れば
:ヒカリ大会には出ていなかったっけ?
:出てないよ
『それでは画面見えますか?』
:みえるよー!!右下に!
:↑フィナリアの顔じゃねえか!
:うむ、映像も大丈夫
『それでは見ていきましょうか』
私は軽く、このゲームのオープニングを見る。
どうやら何か飛び武器?や拳などを使い相手を倒していくゲームらしい。
さらに、それぞれキャラに能力が割り振られていて、敵の居場所が分かったり、敵の足を遅くしたり、チクチクと攻撃を当てることが出来るとのこと。
『ふむふむなるほど、左スティックで移動……右スティックで視点移動……なるほどなるほど……いろいろできるのですね!これは面白そうです』
:PAD勢か
:↑まぁいいんじゃない?初めてならお金もないだろうし
:まぁ確かにな
『PAD勢って言うのですね!なるほど』
ちゃんとコメントを読むのも忘れない。
まぁ、読んでいるというか流れているコメントに、返答しているだけなのだが。
猫鎌ヒカリ:にゃにゃーん!!チューとリアル終わったら、ひとまず試合に行ってみたらいいにゃー
:あ、一応ボイスチャットは切っておいた方が良いですよ!!
『ボイスチャット?なんですかそれは……』
また知らない単語が飛び出してきて困惑する。
やはりこのゲームは難しい。
:設定……円形の周りに突起が付いているやつの所の下らへんにあると思う
『円形の周りの突起……これですか?』
:それそれ!!
:本当に何も知らないのか……
:スラム国の初期設定忘れんなよ?異世界人だぞ。知らなくて当然だ。
『これ……ですかね?あぁ。ありました。ありがとうございます』
ということで、私は早速設定を終え広場に戻る。
広場は3人が待機できる空間になっており、真ん中には今私が使っているキャラが表示されている。
『これってどれでいけばいいのですか?【フリーマッチ】【ランキングマッチ】【パーティーマッチ】がありますが』
:初めはフリーでおっけ
猫鎌ヒカリ:フリーでいいにゃー!!
『分かりました。ではフリーマッチで行ってみます』
と私は、そのまま出撃ボタンを押した。
しばらく待っていると、何やら、ガチャン!と音が鳴り画面が変わる。
どうやら、ここで再びキャラを選択できるらしい。
『ひとまずこのキャラで行きます』
:レインハートかな?
:それは、アビリティで回復キャラだね、そして必殺で救援物資が落とせるキャラ。
:初心者には使いやすい
:さぁ……どうなるかな!初試合
:ファイト―!!
:みんなースナイプはするなよー!!
:ちなみに、始まった時の左下にいるキャラたちは味方やで!!
そんなコメントが絶え間なく流れているのだった。
確かに私一人で入ったのに、5人も増えているのはおかしいと思ったが、どうやら見方とは勝手にマッチングされたらしい。
ということでいよいよ始まりのカウントダウンが始まるのだった。
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