第19話 生放送2回目。ボケとツッコミ論争。
1回目の生配信からかれこれ1週間が経ったあの日の事。
スメラ嬢は、私のアドバイスですっかり吹っ切れた?
のか普段の調子に戻っている。
「はい、ということで、今日は2回目の生配信をします」
「フィナリア! 今日は休むの!!」
「あんたはいつも休んでいるでしょ」
いつも通りの流れである。
「うっさいわね! 昨日はちゃんと動画に出たじゃない!!」
「引退したんじゃないか、って話が出ていますが……」
この話に関しては、私もよくわかっていない。
「何でよ!!? ここにいるじゃない!」
「配信するの!? しないの!?」
スメラ嬢にキレられたので、配信を始めようと思う。
いつも静かなスメラ嬢だが、本気の時は叫ぶのだ。
「それでは今回の当番、スメラ嬢、合図をお願いします」
「ええ」
ということで私はポチっと廃止開始ボタンを押したのであった。
『スラム国ーファイ!』
『『『おーーー!!』』』
:きちゃー!! 2回目生配信!!
:きええええ!!
:↑相も変わらず大発狂
:スメラ嬢めっちゃ元気やなwww
:そりゃあね、気が楽になったんだと思うよ
:今日は何を聞かせてくれるのー??
『今日は皆様にご報告がございます』
:WKWK
:DKDK
:JKJK
:英語で反応するのやめろwww
:わくわく
:さんさん
:ノリよすぎじゃねえかwww
:チャット欄平和すぎん?
:荒らしは俺が許さん!!〇リは至高やぞ!!
「今日はなんと、生配信の概要と内容、そして、新たに動画にしていきたい内容をお話したいと思っています」
:おおおお!!
:期待大!
:はやくーー
『まずは生配信についてです。こちらでは、基本私たち自身の場所で配信することになります。この場所は基本動画のみの場所になります。個人の場所は下の方? にあります。ただ、特別な生配信の時は、基本この場所を使います』
この決定は昨日私とこんどーさんで考えたのだ。
『良いわね!? 絶対フォローしなさいよ!!』
『私はどっちでもいいけど』
:おっけー!! 3人フォローしてくる!
:なるほどね、了解
:グループだと時間の都合もあるもんなぁ……
『さらにもう一つ、追加でお伝えすることがあります』
:おお!
:まだあるのか……!!
:次はなんだろう……
「生配信……明後日から随時本格開始となります」
:明後日!!?
:はっや!!
:うわおおおおお!
『明後日の配信に伴って、生配信でやっていく企画としては、これはまだ構想中ですが、ゲーム配信。歌枠配信、雑談枠配信、質問コーナー、コラボ配信、24時間生活配信、などをやりたいと思っています』
:!!!!????
:全部やってくれるのマジ!!!???
:24時間生活配信あんのかよ!!
:なにそれ?
:24時間縛りを付けて耐久生活をしていくってやつ。確かヨーテーブでやってたグループいた気がする
:ゲーム配信うれし!!!!
:歌枠来ちゃアァァァァ!!!
:コラボ!!?
:おいおい供給過多やろ!!
「以上が生配信でする内容になります」
:文句なし
:最高っす!!
:さすがにもうないよな……??無いって言ってくれ……
「次はこの場所の事ですが」
:ヤッパリマダアルヨネー
:ここって動画用のアカウントなん?
:↑そうやでこれから動画用になるらしい。この垢でのライブは特別なときにするってさ
:↑あざっす!
『この動画では、生放送の切り抜き、歌ってみた動画、耐久生活動画、スポーツ動画が主になってくると思います』
:スポーツはフィナリア最強か?
:分からんで、ここでスメラが抜き返すかも……
:魔法使いが脳筋したらそれはもうバグなんよ
:注)魔法使いは脳筋しても魔法使いです
:じゃあ王女も脳筋したら王女ってコト!?
:筋肉王女かな?
『誰が筋肉王女よ!!』
『ぷふっ!』
『ちょっと! スメラ! 何笑ってるのよ!!』
筋肉王女に少し私も吹きかけた
さすがにディア王女目の前で笑うわけにもいかず、冷静に深呼吸したが、筋肉王女はダメ。
:思った。ディア王女ツッコミキャラじゃね?
:スメラ嬢は毒舌口調のボケキャラだよな。
:ずっと逆だと思ってたけど、そうか……
:俺もスメラの口調的にツッコミで、きついツッコミしすぎるからと思ったが……毒舌でボケてるんだな……高度すぎん?
:毒舌ボケキャラ??
:ディア王女ツッコミか??
:ツッコミだろ
:ディア王女はボケじゃね? スメラがツッコミじゃないの?
:普通にディア王女ツッコミだと思ってたわ……
:フィナリアは?
:フィナリアは普通
:あれだろ? ディア王女は、【天然ツッコミ】スメラ嬢は【毒舌ボケ】ってことだろ?
:それだ!
:全部矛盾してて草
:ギャップやばすぎワロタ
:天然とツッコミ。毒舌とボケ。いや正反対やんけ
:だからややこしくなってるのか……
『とりあえず名前変えたら?』
『なんでよ!』
スメラ嬢の提案にディア王女は速攻で拒否する。
『じゃあディガ王女』
『私はディアよ!! 何よその魔王みたいな名前は!! 私は一番お偉いのよ!!?』
『言葉勉強して出直しなさい』
『うっさいわね!』
何やら再び喧嘩が始まっている。
喧嘩? にしてはなんか違う気もするけど。
:完全にディア王女ツッコミじゃねえか!!
:うんこれではっきりわかったわ! 分からんってことがな!
:↑わからねえんじゃねえか!!
「とりあえず、今回も時間が来てしまいましたので、今回の生配信は、これにて終わります」
とりあえず、仕様もわかったので今回の生配信はこれで終わりにしようと思う。
『良いわね!? しっかりと登録するのよ!』
『しないと悲しむわよ? ディアが』
『何で私なのよ!! 私は悲しまないわよ!!』
『あ、そう』
『何か言いなさいよ!!』
早速、喧嘩が始まろうとしているので、私はとりあえず抑える。
『はいはい、2人共落ち着いてください。それではまた次回の配信でお会いいたしましょう』
:はーいwww
:最後の最後までコントしてたなぁwww
:いつの間にコントチャンネルになった??
:ずっとなってたぞ? 俺たちが気づいてなかっただけや
:www
:おつかれー!!
私達はもう一度頭を下げると、そのまま配信停止のボタンを押したのだった。
しっかりと配信が斬れたことを確認し、部屋に戻る。
「お疲れさまでした、ディア王女、スメラ嬢」
「すっごく疲れたわよ!!」
「わたしも疲れた」
コンコン……
「3人とも生配信お疲れ~、今日は3人が好きなハンバーグだよ!」
みさきさんがエプロン姿で部屋に入ってくる。
ハンバーグは全員好きなので、私たちは、急いで食堂に向かったのだった
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