第7話 動画の下見

 私達は無事、自己紹介動画を出したので、早速私は、ディア王女様とスメラ嬢様の動画を考える。

 この世界には魔法が無いため、魔法によるパフォーマンスが出来ない。

 とはいえ、全世界が、見れるとなると特別なものじゃないといけない。

 私は、自己紹介動画のコメントと言うものを、じっくりと眺めている。

 するとそこに、私の目を光らせるコメントがあった。

 それは……


 名無しのF・ディア王女とスメラ嬢の『はじめてのお買い物』やって欲しい!

 ↑

 名無しのG・だったら料理も追加だろ。


 というコメントだった。

 確かに料理と食材調達は、使用人である私の仕事。

 しかし、それはあくまでも、ディア王女が私に命令したことで、発生した仕事でもある。

 ここはディア王女の国では無いので、王女に買い物をさせることが可能になるという事。


「確かにいい経験になりそうですね」


 みさきに伝えると、ノリノリでOKが出たので実行しようと思う。

 私は明日、朝早く下見をするために、すぐベッドに入るのだった。

 一応ディア王女とスメラ嬢とは、とりあえず別部屋にしてもらった。

 そうじゃないと、目覚まし時計という道具?が2人を起こす可能性があるらしい。


 チリリリ!


「うーん……もう朝ですか……これは素晴らしいですね……」


 私は教えてもらったように、時計の上を押した。

 すると、さっきまで鳴っていた音が消え、静かになる。

 私は、支度をしてキッチンに歩いていく。

 既にみさきは起きていた。


「おはようございます。みさきさん」

「あっおはよう!ところで何にするか決まった?」

「それが、まだ決まらなくて。初めてなので簡単な料理にしたいのですが」

「だったら焼き飯とか卵焼きかな〜」


 焼き飯とやらは知らないが、卵焼きは知っている。

 そういえば、私も初めての時は卵焼きで練習した気がする。


「まぁ結局、卵は必要だから、2人に買ってきてってお願い出来る?卵が丁度なくて、お金は渡すから」

「わかりました」

「これから下見行くんでしょ?道わかる?」

「はい、昨日、地図見て調べさせてもらいました」

「気をつけてね!ここからスーパーまで結構遠いから」

「はい。ありがとうございます」


 という事で、2人のことはみさきに任せ、私は家を出ていった。

 昨日も思ったのだが、ここは結構な田舎らしく、周りには田んぼや畑が並んでいる。


 結構な距離があると、みさきは言っていたが、まぁ、歩いていけない距離ではなさそうだ。


 その後、私は地図に書いてある道をひたすら歩いて、無事スーパーセンターにたどり着くことが出来たのだった。

時間にして約45分程度だろう。


「どうだった?フィナリアさん」

「はい、楽しかったです。あまり歩いたことの無い道なので、足が痛くなりましたが」

「そっかぁーあの2人だけで行けそう?」

「行けるとは思いますが、心配です。

 なので、後ろから私が着いて行こうと思ってます」

「それがいいかもね!じゃあ明日よろしくね!」

「かしこまりましたみさきさん」


次の日。


「じゃあみんな並んで並んで〜左からフィナリアさん!ディアさん!スメラさんね!私はカメラの後ろにいるから、私のことは居ないものだと思ってね」

「了解しました」

「わかったわ!」

「わかりました」

「よし!カメラ調子よし!配置よし!マイクよし!行きます!3!2!1!」


カチッと音が鳴る。


「スレム国〜ファイ!」

「「「おー!」」」


と3人が右手を上げて挨拶する。

単純に挨拶無しで、始めても良かったのだが。

それは、自分でも物足りないと思ったので、ディア王女様とスメラ嬢と相談し、誰か1人がコールして3人で叫ぶという挨拶を、私は昨日提案した。

初めということで、今回のコールは私である。


「えー、それでは早速。ディア王女様。スメラ嬢様本日は私が企画を考えてまいりました」

「へぇ〜!フィナリアが考えたのね!なら楽しみだわ!」

「別に誰が考えでも同じでしょ」

「うるっさいわね!毎回毎回!」

「事実だし」

「とりあえず発表します。本日の企画は……【はじめてのお買い物】です」


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