【11】ケモミミ傭兵お仕事日記(広報部のK) 総評


【11】ケモミミ傭兵お仕事日記(広報部のK)

https://kakuyomu.jp/works/16818023212678730433


⬜️全体の感想


▷タイトルについて

>ケモミミ傭兵お仕事日記


タイトルはよいと思います。

ミリタリー系の持つ硬いイメージをケモミミで緩和する意図が感じられて。

素人の私でも読めるかなと、わくわくしていました。


▷キャッチコピーについて

祝400PV越え!傭兵の精鋭でもこれは少々ハードタスクすぎないか?


キャッチコピーとしてはまあまあですが。

読んだ後だと、「ふざけろ」の一言ですね。


▷あらすじについて


────────────────


舞台は現代科学を保有する人間と、古来からの魔術を保有する亜人が共存している「地球」――


WOLF社の特殊機動部隊「M-16」所属のケモミミ傭兵「仁」。

とある爆発事故により――トラブル続きの傭兵ライフが始まった!

知らず知らずのうちにとんでもない闇に手を出してしまった仁は襲い掛かってくるトラブルをとにかく切り刻んで乗り越えていく!


カルトから始まり民間武装集団、さらには大国まで敵対する!


でもそんな仁にも味方が!

最強多国籍傭兵部隊である特殊機動部隊「M-16 」のメンバーが彼にはついている!


カルト?国家転覆計画?世界大戦?

そんなのことごとく銃弾で打ち抜きナイフで切り刻んでいけ!


ケモミミ傭兵「仁」と愉快な野郎どもがお送りするミリタリーファンタジー、ここに誕生なり!

※作者の気分や予定で投稿頻度が変わっていきます。ご注意ください


────────────────


>舞台は現代科学を保有する人間と、

獣人は人間扱い? 亜人?


>とある爆発事故により――トラブル続きの傭兵ライフが始まった!

爆発前から傭兵でしたよね。


>トラブルをとにかく切り刻んで乗り越えていく!

スナイパーなので「切り刻んで」は違和感。


>そんなのことごとく銃弾で打ち抜きナイフで切り刻んでいけ!

「撃ち抜き」


>ケモミミ傭兵「仁」と愉快な野郎どもがお送りするミリタリーファンタジー、ここに誕生なり!


最後にあらすじ見ましたが、ミリタリファンタジーって書いてありますね。

ガチ軍事ものを想像していた自分が間違いだったか……それにしてもこの内容は……


あ、あらすじ自体は悪くないですよ。

本編に期待を持たせるものです。そちらが問題なんですが。


▷文章について


学生さんなのでオブラートに包みますが、「まだまだ」です。

前の回で、文章のレベルについて説明した際、


[何も考えず書く<カッコつけて書く<わかりやすく書く]


だと書きましたが、お手本のような「何も考えず書く」ですね。

この「何も考えていない」というのは、具体的には読者に読まれることを想定していないということです。自己満足、脳内の世界を文字にするだけで満足してる段階です。描写がろくにないのは、自分の脳内ではイメージが見えているから。銃器や好きなゲームネタも、「それを知らない読者がどう思うか」について考えていません。せいぜいが友達に見てもらう程度の内輪ノリです。


具体的な問題点は山ほどあります。

文章ルール無視、極端な描写不足、文法の一貫性のなさ、説明のない専門用語、不必要なゲーム用語の使用、盛り上がらない台詞回しなど。水準にある要素を探す方が難しいくらい。逆に言えば、伸びしろは最大限にあるとも言えますが。


小説をどう書こうが自由ですし、矯正するつもりもありませんが、サイトに小説を載せ発表する以上、他人に読んでもらうことを意識しているはずです。それならば、多少なり読者のことを考えて文章を書く必要があるでしょう。それすら面倒なら、ネットにアップなどしないことです。


▷ストーリーについて


オブラートを突き破るくらい面白くないですね。

オブラートなしなら滅多切りにしてるレベルです。


私は当初、ミリタリーの触れ込みから読み始めたので、もっとかっちりした内容だと考えていました。むしろ小難しい系で読みづらいのではないかと。

その点は読み始めて払しょくされたのですが、その後はあまりの杜撰さにむしろ呆れました。ファンタジーとはいえ、傭兵と民間軍事会社の話とは思えない適当な物語展開が、突っ込み百裂拳になった一番の理由です。


問題があまりに多いので、詳細は「ながら感想」を見てもらうとして、ざっくりとピックアップしてみましょう。


・前調べも情報もなく、何故かシベリアの研究所に単身乗り込む主人公。

・凄腕スナイパーなのに、武器はハンドガンのみ。調査に必要な知識もない。

・侵入捜査は行き当たりばったりで、計画性も警戒心も皆無。

・一万字書いて、物語がほとんど進まない。大半がうろうろしてる場面。

・盛り上がりに欠ける。一人称ならではの迫真性、劇的な場面・演出がない。

・ミリタリーものなのに、銃撃シーンがほぼない。描写に熱も感じられない。

・ろくな調査も証拠もなく、超推理で物語が進む。

・カルト関連は超推理さえなく、読み飛ばしを疑うレベル。


……ね、なかなかひどいもんでしょ?

いかんいかん、オブラートが切れて来た。

書いてる方はいかにも楽しそうで何よりです。でも読まされている方は……おっと、誰か来たようだ。


改善案としては、そうですねえ。

とりあえず、一万字の間に一つくらい盛り上げる場所を作ってみませんか。

でないとこの先の物語にも期待できなくなりますから。普通は最初の三千字くらいに求めたいですし、この話で言えば扉を開けてモンスターと闘う時点で「おお!」と言わせてもらいたいくらいですが、多くは望みません。


途中のだらだらした独り言混じりの道中は、冗長でつまらないので現時点ではカットした方がましです。一人称で漫才の相方もなく読者を楽しませるのは高等テクなので、落ち込む必要はありません。無理に出来ないことをするより、ストーリーやバトルや銃撃でわくわくさせる方に力を入れてください。今は両方とも出来ていないので、そのどちらかでも。


とりあえず、場所、目的、手段、計画くらいは、大雑把でもいいので序盤に開示してください。何なら研究所につくまでに。でないと何が想定内で、何が想定外なのか読者にはわかりませんし、災害の怖さや異常事態についても、どこまで異常なのか正確に読み取れず、驚きが半減します。ただでさえファンタジー寄りなのですから。現実ミリタリーものに犬の化け物が出たらショッキングですが、ファンタジーなら雑魚レベルです。例えるならそんな感じ。


後は、主人公の理屈や思考がまるで筋が通らず、読者と乖離していること。

これもミリタリーものとしては致命的かと。戦略や戦術の世界では、理論が重要視されますから。今作の空気感が完全に軍事でなく冒険のそれです。ロングソードがハンドガンになってる程度の話で、それなら軍事を絡める必要はないかと思います。銃器が書きたいなら、アウトローを主役にしてもいいんですから。それならそこまで理屈は求めませんし。素人だから。


▷キャラについて


>月夜仁

一人称のせいか、全然名前を覚えられません。

それくらい印象の薄い、個性のないキャラです。ひたすらドジで考えなしというイメージ。


作者的にはドジっ子スナイパーの珍道中的に、考えなしの行動を続けさせているんだと思いますが、それなら新兵とか素人を主人公にすべきで、30歳凄腕スナイパーにする必要がありません。「本当に凄腕なの?」と疑われるのがオチです。

せめて一万字の間に凄腕を証明するシーンがあればよかったのですが。それがあれば、「シティーハンター」(漫画)のように、「決める時は決める男」として恰好がついたのでは。手を加えるなら、そうすべきですね。


▷アドバイス回答について


>・特に意見が聞きたい部分。

>⓵読んでいて説明不足、描写不足な点


「エブリシング(全てだ)」。


>⓶こういう展開が面白かった、よかった的な内容


もうオブラートが切れたのではっきり言いますが、よかった点は皆無ですね。

「もう少し先まで読めば面白い」可能性はありますが、一万字までにそれを期待させるに至っていないので同じことです。むしろ「この先まで読む必要ないな」と思われる可能性の方が高い。

理由は前述した通り。

とにかく物語の進行が遅く、不可解で、盛り上がりに欠けるのです。


設定的には、ケモノ的外見がもっと生かされていれば褒められると思うのですが、物語内でもさして触れられるでもないお飾り要素で、こちらも褒められません。


作者の中ではもっと面白い、楽しい作品だと考えているなら、それを文章として出力することに力を注ぐべきでしょう。読者には作者の脳内を読むことはできません。書き起こされた文章が全てなのです。



⬜️総評

・剣を銃に持ち替えただけのミリタリー風ファンタジー。

・自己満足感漂う文章。意味不明なストーリー展開。

・まずは読者に読んでもらう意識を。


後半はオブラートが切れてしまってすみません。

これでも滅多切りにしないだけ、抑制しているんです。

それくらい衝撃的な作品だったと思っていただければ。


最後に慰めるとすれば、学生時代の作品はこんなものではあります。

梶野も高校時代の小説は似たり寄ったりでしたし、独りよがりでした。そこから小説趣味の友人を得て、今まで書き続けて、エラそうなことを言ってるわけです。

継続は力なり。作品をよくすることを諦めず、執筆を続けてください。


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