【25】二日生きた以上(終楽章) 読みながら感想


【25】二日生きた以上(終楽章)

https://kakuyomu.jp/works/16817330663415040274



暦は秋のはずなのに、なんですかこの暑さは。

こんばんは、梶野カメムシです。

ひっそりと参加者の途切れない「じっくり感想企画」、二十四回目の作品は、「二日生きた以上」です。作者は終楽章さん。


ジャンルはえーと、現代ドラマで百合で文芸部の話ですね。

方向は重めで、文学寄りといいますか。

それにしてもまた百合ですか。百合イヤーなのか今年は?


そんな終楽章さんのアンケート回答はこちら。



梶野さん、初めまして。

終楽章と申します。

この企画にお邪魔させて頂きたく、コメントさせてもらいました。


この企画に出会った時は、自分が探していた企画そのものだと舞い上がったものです。しかし条件が一万字以下だと書かれているのをみて、酷く落胆致しました。ですけれど、このまま何もせずに終わりたくはないと思い、コメントを送らせて頂きました。二千字も条件を超えておりますが参加をご検討して頂けますと幸いです。お手間をかけることとなり申し訳ございません。


長くなりましたが、もしも参加できない場合は潔く作品を取り下げますので、その際は参加できない旨を伝えて頂きたく存じます。


最後に、もし参加出来ることとなった時のために質問への回答も載せておきます。辛口希望、激辛でも大丈夫ですので、もし感想を書いて頂けるならそのようにお願いしたいです。


・特に意見が欲しい部分。

人の心の動かし方というところに注力して書いたので、それが上手くできているか意見を頂きたいです。


・「梶野ならこう書く」アドバイスは必要か否か。

必要ありません。


こういう場には不慣れなため、不手際等ありましたら申し訳ございません。



──ふむふむ。

高校生なのでオブラートを、と思いましたが、なくても大丈夫そうですね。

そして梶野の例示は不要、と。

まあ内容的にも私が書きそうな話ではないので、助かる感じです。

例によって文学的な素養はほとんどない人間なので、悪しからず。


それでは、さっそく行ってみましょうか。

じっくり感想、始めたいと思います。



⬜️読みながら感想

二読後の感想を、読みながら書きます。



>シナリオ1 隕石落下

小説なら「第一稿」の方がいいのでは。


>始まりは一本のニュースだった。

作中作を評価しても仕方ないので感想は割愛しますが、長々と書いてある割には中身のない出だしだと思います。


>私達がいる教室には、まだ冷たい風が吹いていた。


「まだ」が意味不明です。

何に対しての「まだ」です?


>貴女は少し俯きながら、強く手を握りしめていた。


二人がどういう関係で、この行動にどんな思いが込められているのか、さっぱり読み取れません。


>間違いなく私は、貴女のその声を、貴女のその表情を生涯忘れられないだろう。


なのでこの一文も、ひたすら陳腐に見えます。


>けれど、書いている途中の小説、言わば未完成で隙間から作者が見えるようなもの


プロットにならこういう感想も頷けるところですが、書き出しだけでそんな風に思ったことがありません。冒頭は一部であれ完成原稿ですし。


>ぱぁっという効果音が付きそうな程顔を明るくさせた。


ここら辺の表現は、後半の彼女と食い違って見えます。まるで別人のようです。


>「隕石落下で地球滅亡するのは使い古されたものかもしれないけれど、綺麗な終わり方で素敵だと思う」


「大袈裟な表現」としてはテンプレですが、案外ないんですよね隕石で滅亡する小説。荒唐無稽すぎて。


それより、書き出しを読んで締めくくりのように評価しているのが違和感があります。普通は「ここからどうなるの?」と聞くものだと。


>その空間に罅を入れるように

広く読んでもらいたいなら、難読漢字にはルビを振るべきです。


>私がそう返すと、貴女は固く閉ざしていた口に僅かな隙間を開けて、ほぅと胸に手を当てながら息を吐いた。窓際の一番後ろの席に向かい合って座る私たちの空間は、まるで硝子で囲われた世界の様だった。その空間に罅を入れるように貴女の席がギィとなく。それから貴女は息を吸って、窓から入ってくる光と、照らしているのかもわからないほどぼんやりとした人工光をその瞳に集約させて、私に向けた。そして、綺麗に手入れされて、艶めく小ぶりな唇を開いた。


とくに意味のないところで凝った長文を用いても、くどく感じるだけです。


>「何よりね、一瞬だよ。何も、ないの。痛みも、苦しみも、悲しみも、後悔も」


修辞過多でムダに長い文章に対して、この主張の薄さは、いっそ清々しい。


そもそも隕石が落下するまでは一瞬ではないので、悲しみも後悔もあるでしょう。書いた小説でもそうですし。


>心臓が叫びだしそうなほど鼓動した。


意味がわかりませんし、まるで共感できません。

死にたい気持ちを小説に載せてるのだとも読めますが、内容的にはただの与太ごとですから。


>「だけど、きっとそれだと寂しいよ」


本当に、何にもなってない台詞です。



>シナリオ2 病気蔓延


>始まりは何の変哲もないただの風邪の流行だった。


今度は現実味のある話ですね。


>風邪かと思われたその症状は、一週間たっても二週間たっても治らず、何かがおかしい、と思った時には手遅れだった。


何が「手遅れ」なのかわかりません。

かかった人間が? つまり致死率百パーセント?

それとも人類滅亡という意味での手遅れでしょうか。


>風邪のような症状が出た人はそれが風邪なのかその病気なのか判断する方法がなく、自分は死んでしまうのだろうかと怯えながら死んでいった。


せめて、どういう感染経路で広がるのかくらいは知りたいところ。

コロナもそうでしたが、感染者が多いほどサンプルは増えるので研究は進みます。


>おかしいと思った私は、絶対に開けるなと言われていた扉を開けて、部屋に入った。そこには数週間前とはまるで別人のような母が倒れていた。


同居してると推察しますが、数週間部屋から外に出ず、家族が手助けしなければ病気に関係なくこうなりますよ。


>もう母は息をしていなくて、私は茫然としながら救急車を呼んだ。


普通は風邪が三日も治らなければ病院に行かせます。

ましてそんな病気が蔓延してるなら余計に。


>そして次に誰が死んでしまうのか、恐れながら日々を生きている。


ぶっちゃけ、世界規模に流行したコロナでさえ、こんな感じにならなかったことはご存じのとおりです。医療関係者とか必死でしたし。


>新しい小説が書かれた原稿用紙の裏から顔を上げた私に


「裏から顔を上げる」の意味がわかりませんでしたが、数行後に「原稿用紙の裏に小説を書いた」とありますね。


普通、原稿用紙は数十枚がセットですし、裏を使う理由も薄いので、読者が想像しやすい動きになっていません。さして意味もなさそうですし、新しい原稿用紙で十分では?


>私は原稿用紙に奪われた貴女の視線を手繰り寄せることもできず、机の上に映る窓で象られた淡い夕陽を指でなぞっては、その温かさを感じたり、夕日に照らされて空気に溶ける様に光る貴女の髪を目で追ったりしていた。そして漸く向けられた貴女の視線は固く、貴女はその白魚の様な手で裏返しにされた原稿用紙を私に差し出した。私は赤子を抱きかかえる様に、それを受け取った。


全編この調子で進むんですかね。

素晴らしく冗長で嫌になってきました。

耽美が過ぎて、目が滑りそうです。


>「病気が蔓延するのは、間違いなく何時か起こり得ることだから、現実性があっていいと思う」


その根拠は一体。

「過去にもあったことだから」ならまだしも。


>実際、人間やその他の生物が進化する様に、ウイルスも進化していく。その為、将来的に人間が対応出来なくなる可能性も十二分にあるだろう。


ウイルスの進化は原則として症状は軽く、感染力は高くなる方向で進みます。死んだり重症になると、それ以上感染が広がらなくなるので。その結果が現在の「風邪」ウイルスです。


まあ私も、コロナ流行の時に得た知識ですが。


>しかし、それが容易に想像出来ることだったからこそ、私は目を逸らしたくなってしまった。


容易に起こるなら、人類はここまで生き残っていません。


>それは余り褒められることではないかもしれないけれど、その気持ちがあるからこそ人は生きていけるのだと思う。


メメント・モリ(死を想え)という考えもありますけどね。


>「やっぱり、さっきの隕石落下よりも現実的なところはポイントだよね。夢だけだといけないから」


毒にも薬にもならないコメントですね。


>「でも一番いいところは自分の死ぬタイミングが分かることだよね。それが怖いって人もいるかもしれない。じわじわとウイルスが自分の体を侵していくのを、目に見える症状で日々感じながら生きていくのは怖いことかもしれない。でも、それが分かると死ぬまでにやりたい色々なことをできるし、死に場所だって選べる。手紙だって残せるし、最後に会うこともできるかもしれない。自分の家で死ねるかもしれないし、景色の綺麗な場所で死ねるかもしれない」


隕石の時の「いいところ」と真逆のことを言ってますし、病気でいつ死ぬかなんて正確には誰にもわかりませんし、感染症なら死に場所なんて選べませんし、突っ込みどころ満載ですね。


>けれど私は、貴女の言葉を破いて、押しつぶして、丸めて、塵箱に捨ててしまいたかった。


私もちょっと今、そんな気分です。


>「だけど、きっとそれだと苦しいよ」


せめて議論が前に進むような発言で締めてほしいところ。



>シナリオ3 世界大戦


>始まりは国が出した宣戦布告だった。

一国の開戦で世界大戦になるなら、現実も世界大戦中ですね。

ま、そうならないとは言い切れないのも事実ですが、現実がこんな描写の世界になっているかという話です。


>けれど、不純物の多いそれを吸った私の肺は、もう落とせないほどに汚れが積もっていた。


戦争と何の関係があるのか、意味不明です。

原爆でも落とされましたか?


>まるで作り物の世界のようになってしまったこの世界は酷く窮屈でつまらなかった。作り物の世界ならいっそ理想郷にでもしてくれればよかったのに。


過去の戦時の話を読む限り、こんな空気ではまるでなかったように私は感じましたけどね。戦争は容易に命を奪いますが、だからこそ強い生命力を育てるものです。でないと生き残れないので。


>耳を劈くような音が鳴り響いた。時が止まっていたような世界は一気に加速し始める。


描写が適当で、物語に入り込めません。

よくも悪くも小奇麗な夢物語という感じ。

おっと、つい作中作に感想を書いてしまった。


>だけど、きっとそれだと苦しいよ。

この後の長い長い一段落、まるまる不要ですね。

緻密に背景を書き込んだ四コマ漫画のようです。


>「人と人との争いが起きている世界の醸し出す寂しさの表現が美しくて、いいと思う」


私と真逆の感想で、いっそ笑えてきました。


>私は、大規模な争いが起きることは一つの未来として確かに存在していると思う。


ここは同意。

日本に限っても時間の問題でしょうね。


>けれど、それは呼吸をしてもうまく酸素が取り込めなくなる様なことではないのだろうか。


むしろ「酸素の奪い合い」だと思いますね。戦争って。


>「戦争ってすごく怖いし、本当に良くないことだと思う。でも、一番人間私たちらしい終わり方だとも思うの。人間が人間であるから、私たち人間の間で争いが起こるし、そうやって醜くて、泥臭くて、不器用で、傲慢で……そういうところも含めて人間らしいと、私は思うから。だから、こういう終わり方もきっと私たちが人間である限り考えなくちゃいけないし、そういう終わり方もまた、私たちが人間だったことの証明にもなると思うの」


死にたがりほど夢みがちなのは何ででしょう。

現実逃避の一環でしょうかね。


>今度は利点ではなくて、強張っていた肩が脱力したことによって下がる。


利点の意味がわかりません。


>れどそれと同時に、貴女の言葉は聊か見通し過ぎているように感じて、それは深海で揺蕩う様なことなのではないかと想像してしまった。


夢見がちなボケにポエムなツッコミというコンビで、まともに読んでいられません。


>「だけど、きっとそれだと悲しいよ」


またこれか。

ちょっとした拷問のようです。


>シナリオ0 自己殺人


>じゃあ、自分の終わりを考えるなら、いったいどんな終わり方がいい?」


ただこれだけの話の枕に、無価値な六千字を読まされたことに怒りを禁じ得ません。読んだ時間返して。


>あれだけ私達の間を駆け抜けていった風は何時の間にか止んでいた。あぁ、こういう時のことを天使が通ったというのだろうか。


あの謎の風、比喩でなく現実だったんです?

「天使が通った」なんて表現、初めて聞きましたが、調べると、

「会話や座談がとぎれて、一座の者が黙り込むことをいうフランスのことわざ」とのことで。


説明しないと大半の読者は知らないと思われます。

そもそも「風」が何かわからないので、例えに例えを重ねる意味不明な展開になっていますが。


>そんなくだらないことをするのは、穏やかな表情をする貴女の目に光が一切映っていなかったからだった。


小説書いてた時も「死に方探し」で同じだと思うんですが、いよいよ本気になったとか、そういう表現ですかねえ。

ここで急変する意味がわかりませんが。


>「私はね、誰かに、何かに殺されるくらいだったら、自分で死にたい。自分の意志で『死』という選択肢を選びたい。自殺を正当化しているだけだって思われるかもしれない。でも、自分のことはいつだって自分で選びたい」


「葬送のフリーレン」(漫画)で、人間と似て非なる思考を持つ魔族に対して、主人公が「話すだけ時間の無駄だ」と切って捨てる場面があるんですが、まさにこれ。


>それが育ち切るまでに如何にか出来なかったのか、なんて唇を噛んだ。


死にたい理由も二人の関係も語られてないので、完全に他人事ですね。「二人で勝手にやってください」という気分。


>気が付けば、何もないのに死にたいって思うようになっちゃった。


いい精神科医を紹介しますね。


>貴女の抱えているものは、貴女が抱えているものの中で一番大きいものは、これだと思った。誰にも理解されることのない、自分の内面的な話。


誰にも理解されない内面を、主人公が理解するという矛盾。

まあどっちみち読者は蚊帳の外なので、どうでもいいんですが。


>あの人は袖を引くことすらしてくれなかったから。


私はリアルに袖を引かれたことがありますが、死神とそう大差ない経験でしたよ。


>「だからやっぱり私は、自分で死にたいよ」


この先まだ、この人の話につきあわないといけないのかと思うと、私も死にたくなります。人生がもったいない。



>シナリオゼロ 他者殺人

「0」がゼロになる意味がわかりません。

「他者殺人」も意味不明。普通は「自殺幇助」ですね。


>子供携帯で電話をかけてみる。大変な時だけ掛けてと


「かけて」か「掛けて」かで統一を。


>なのに、着信音はリビングで鳴り響いた。

主人公はリビングにいるものだと思っていましたが、違うんですかね? 「机の上に飲みかけの飲み物」がありましたし。玄関から最初に向かった部屋でリビングでないとすれば、どこ?


>ベランダの柵に手をかけて覗いた先には、あかくそまった「なにか」があった。


「昔住んでいた家」とあったので一軒家かと思ってましたが、この描写を見る限りマンションの上階ぽいです。二階から落ちたくらいで人はこんなふうになりませんし。


>気に入っていた見晴らしがよく辺りを見渡せるこの部屋は、どうしてこんなところにすんでしまったんだろうという後悔のごみ箱になった。


やはり高層階のようなので、家でなくマンションとかにした方が。

「住んでしまった」って、主人公が選んだわけでもないでしょう。


>「今度こそ」とは思っていなかったけれど、「もしも」とはずっと思っていたのだから。


言葉は綺麗ですが、よく考えるとたいした違いはないですね。


>ただ、貴女と母は似ても似つかないと、心の中だけで言い訳をさせてほしい。母は、きめ細かな黒髪のストレートではなくて、艶やかな黒髪で少しウエーブがかった髪をしていたし、前髪を綺麗に切りそろえたお下げではなくて、センターパートの前髪に、髪を片側に流すように一つにくくっていた。切れ長の目は母の美しさをより際立たせていて、亡くなる前はやつれてしまっていたけれど、美人で自慢の母だった。ぱっちりとした目をした貴女はどちらかといえば可愛いらしく、守ってあげたくなるような自慢の親友だ。


なぜここで母との外見比較? しかも長文? 

必要性がなさすぎて、新時代のギャグかと思いました。


>「でもそれだと結局自分が自分を殺してるよね」


「自分で選択したい」という論ですから、おかしくはないです。


>貴女は先程までの背筋を伸ばした姿勢と、破滅的にも見えるような凛々しさを崩して、目線を彼方此方に飛ばした。それは百合が零れ落ちる様だった。


ここに来て比喩も崩壊気味。


>「それだと意味が無いんじゃないの?」

> 言葉に詰まるような音が聞こえそうな程、貴女は視線を逸らした。

>「……まあ…………そうだけど」


いや、その理屈はおかしい。


>向かい側に座っていた貴女の方へ一歩一歩近付く。


机を挟んでの向かい側ですから、一歩で十分では。


>体には貴女の足が何回も当たったけれど、こんなのは痛くも痒くもない。


椅子に座った相手の正面から首を締めたら、腹は完全に無防備なので、相手が少女とはいえ「痛くも痒くもない」は流石に嘘くさいです。


それよりこれだけ暴れれば、椅子ごと彼女が後方に倒れる方が自然です。首を締めるには押す動きが必要ですから。

もしくは壁際まで追い詰められた描写をすべきところ。


>温かな皮膚の感触と、硬い骨の感触と、血管から伝わってくる鼓動を感じながら


喉を締めても骨の感触はない気がします。

まずは肉の感触が先でしょう。


>その後に臀部がじわじわと熱くなっていくのを感じた。そして、もう手には温かいものはなく、ただ冷たくてかたい感触が伝わるばかりだった。そこで漸く自分が突き飛ばされたことを自覚して、貴女が噎せている音に、口元を緩めた。


アクションの書き方は、はっきりと下手ですね。

迫力もなく、わかりづらいだけです。


この場合、チョーク(首絞め)から力づくで逃れるには、胸か腹に蹴り(理想は両脚の)をブチ込んで引きはがすしかありませんが、首を掴んでいる主人公は勢いを逃がせないので、その痛みは尋常ではないはず。「尻が痛い」で済むとはまず思えません。



>シナリオ? 自己救済


>貴女が私に殺されるという選択をすればいい。それを許されるくらいの関係性だって私は思っているから」


普通はこの問いかけを首絞める前にしますね。

ま、インパクトという意味では前後してもいいとは思いますが。


>貴女は「それ」を私に許してくれる。

たった今、突き飛ばされましたけどね。


というか、そういう関係だという前提でなお、「死にたい」と言ってるんですよね。つまり主人公の存在は生に値しないと。


>本当は貴女自身が貴女の心臓を粉々にしなくてはいけないけれど、誰だって振り下ろす手には躊躇いが生まれるものだと思うから。


この理屈は間違ってませんが、その結論が「だから私が殺す」のはずでは。


>「私は理想の終わり方なんて何もないけれど、私が終わる瞬間まで貴女と一緒に居れたら嬉しいよ。でも、終わるにはね、まだやり足りないことがあるから。いつか、いつかね、鮮明に想像したって、殺されかけたって、死にたいって思う日が来ると思うの。その時はね、一緒に死のう。大丈夫、私も一緒にいるから。だからね、それまではもう少しだけ一緒にいようよ」


別にこの説得の方法が間違ってるとは思いませんが、この程度では解決しないのが「死にたがり」だと思いますかね。

三日後には同じ話を繰り返すのが、この手合いなので。

最後には親友にさえ愛想を尽かされるタイプですね。


むしろ「一緒に死ぬ」という部分に縋られて、最悪の結末になる気がします。本当にそれでいいなら何も言いませんが。


>隣から小さく

>「――――」

> と聞こえた。


「ごめんね」ですかね。

ここは悪くない描写かと。


>違う、違うの。貴女を救ってあげたいって思ってたし、今でも思ってる。でも、私にも貴女は救えないから。だけど、そんなことは言えなくて、だから笑って


ここだけ情緒的ですが、いいと思います。

というか、全体通してこれくらいの描写の方がいいです。

無駄な修辞の嵐よりよほど感情移入できます。


>「小説はさ、あそこから思いっ切りハッピーエンドにするのはどう? 甘ったるくて胸焼けしちゃうくらい」


でも、このオチはひどい。

百合の茶番につきあわされた気分です。


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