第5回 感想の書き方



五回目となります、小説雑話。

ここまで思いつくまま小説の話題を並べてきましたが、今回も暴投です。

題して、「感想の書き方」。

ベンチ方向にボールが行くかもなので、ご用心ください。


「本音感想につき、不愉快なら削除してください」

梶野をご存じの方なら、一度はこの但し書きをご覧になったはず。

梶野は感想で嘘をつけません。

もちろん呪われてるとかそういうのではなく、誓い的な意味でです。


いまさらですが梶野はおっさんです。いい大人です。

言いづらい本音を黙ったり、オブラートに包んだりはします。

でも、できるだけ伝えようと手を尽くします。

それが相手のためだと信じているからです。

大学の文芸部時代に、そうやって鍛えられたので。


口幅ったいですが、私はカクヨムで一番長い感想を書く男です。(多分)

去年やった感想企画では、一行ごとに感想書いてましたから。 

嘘だと思うなら、下のリンクを見てください。※


(ちょっと読み返してみて)いやあ、好き放題書いてますねえ……

この時は一月で31作品の感想。近況ノートに収まらないほど書きましたっけ。

「本音で書く」ことが前提の企画だったので、気兼ねなしでした。

まあ、半分くらい返事ありませんでしたけど。

私自身、すごく勉強になったので、今年もいずれやろうと思っています。


ここから書くのは、そんな私の考える「感想の書き方」です。

前置きでもうわかると思いますが、お勧めはしません。

「ほめて伸ばす」がモットーのカクヨムとは正反対の考えですし。

フォロワーや評価も減ることになると思います。

何より胃が痛い。辛口感想送るたびに、

「この人とはこれっきりかもな」とか考えるんですから。

それでも送信しちゃうんですけどね。


以下、私が感想を書く上で、心がけていることを書いていきます。


・誤字脱字を指摘する

これすら嫌がる人がいることに驚きますが、私は必ず書きます。

訂正は簡単ですし、確実に質が上がるので。

指摘に自信がなければ、まず調べる。これも勉強です。


・可能な限り、ほめる。

これは大前提。

どんな作品にも、探せばいいところがあります。

何なら「この一文がすごくいい」でもいいんです。

よかったと思えた理由も添えれば、なおよし。

気持ちをこめてこそ、相手も喜ぶというものです。


・悪く感じたところを書く

これも梶野的には大前提。

問題点の指摘は、ほめるより難題で繊細です。

梶野は「どう悪いのか」の説明を徹底して書きます。


自分がどう感じたのか。どの程度の問題なのか。

何故、問題に思うのか。そう思う前提は何なのか。

それが個人的な好みの話なのか。一般的なのか。

単純な問題なのか。物語を通した上での問題なのか。


これらをわかりやすく、丁寧に書くことを心掛けています。


・改善案を考える

文句だけうるさい相手の話は耳に入らないものです。

「自分ならこうする」を書くのは大事です。

思いつかないなら「自分は思いつかないけど」と書いてもいいんです。

「作者の立場で私も考えてみた」と伝えるのが、大切だと思っています。

やりすぎると作者の心が折れるので、注意が必要ですが。


・丁寧に伝える

指摘は、事実であるほど人を傷つけます。

書き方は推敲を重ねて丁寧に。上から目線にならないように。

目的は正論で殴ることでなく、納得してもらうことです。

作者も一人の人間であることを忘れてはいけません。


・ミスを犯さない

他人に間違いを指摘する際は、念入りに下調べをします。

自分が知らないだけで、指摘が的外れな場合もあります。

ミスが発覚すれば、相手からの信用はガタ落ちです。

指摘内容と関係ないミスでも、聞いてもらえなくなる可能性があります。

私も何度かやらかしたので、改めて自戒をこめて。


・間違ったら、あやまる

まあこんなのは一般常識ですが、念のため。

応援コメントだと追記が相手に伝わらないので、近況ノートなどで伝えた方が確実だと思います。謝罪は真摯な対応に尽きます。


・議論は深追いしない

作者と読み手は所詮他人で、作品は作者のものです。

感想が受け入れられなくても、それは作者の自由というものです。

読者の感想は、数あるアドバイスの一つにすぎません。

お互いの考えの違いを尊重しましょう。

それが無理なら「自分は対象読者ではない」と割り切り、距離を取るべきです。


・自分のために書く

真面目に感想を書くのは、確実に勉強になります。

自分の気持ちを相手に伝え、反応がもらえるという意味では小説以上です。

そのために心がけるべきは、伝える言葉に幅を持たせること。

ハンコのようなほめ言葉でなく、気持ちに応じた表現を意識したいところです。


・無理をしない

世の中にはいろんな人がいます。

どれだけ手を尽くしても、跳ねのけられたり、傷つける場合もあります。

小説は自分をさらけ出す表現ですから、繊細で当然です。

自分の感想が悪影響しか与えないようなら、無理をしないこと。

これも自戒をこめて、書いておきたいと思います。


まあ、こんなところでしょうか。

次は、「感想の受け止め方」辺りを書いてみたいと思います。



※じっくり読みこんだ本音感想を書く企画 まとめリンク

https://kakuyomu.jp/users/kamemushi_kazino/news/16817330647890943183





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