第12話 東堂明、修羅一丈との決着の巻
修羅一丈は薬を飲み干し、薬の小瓶をそこらに捨て、再び、刀を構え、オラに斬り掛かった。
応戦するが、何ともし難い膂力の差を感じずには、いられない。
刀を打ち合う度、全身に、衝撃が伝わる。
その度に、過ぎるのは…
―――――死。
感じずには、いられない。
オラは、ここで任務を…カスミ姫様を守れずに、彼ら、十界仙ひいては天童の手に渡す羽目になるんだべか…いや、本城殿もいる、オラに出来る事はやったではないか…後は皆に託そう…そんな事を思っていた。
すると…
「東堂!!!」
あの声は…カスミ姫様!?
何で、ここに? っと思っていると、それに続き、「東堂!!お主が負けたら、カスミ姫様が、嘆き悲しむぞ、いいのか!それで!」
本城殿の声もする。
我ながら、情けない…オラには、仕えるべき主君に頼りにしてる同僚もいる…ここで、負ける訳にはいかない。
握っている刀にも、力が入る。
相手の打ち込みも気力を振り絞り、打ち返した。
「小僧…まだ、そんな力を持っているとは、中々、楽しませてくれるではないか、だが、カスミ姫が城を降りて来たのは、我々には
城門に近い、土御門殿と戦ってる、奴に修羅一丈は大声で言葉を投げかける。
それに対して…聖来暗転菩薩と呼ばれた方も、大声で「無理だね、この陰陽師が中々、厄介でね、隙がない!!!」と応答していた。
「ちっ、だから、坊主は使えないんだ、あれで、よく十界仙の席に居座れるものだな」
愚痴を
「小僧、お前をここで斬り、カスミ姫を天童様に献上する、剣友、大鬼獏良の仇でもある、お前には死んでもらう」
「修羅一丈、お主はここで必ず倒す…拙者も死力を尽くす」
実力は、あの薬を飲んだ相手の方が格上だ…だが…オラにも、切り札があるべ。
虎鉄を片手に持ち替え、空いた手で…とうとう龍我毘沙丸を抜いた。
体から、湧き出る気力、体力、共に、先程とは打って変わって、充実する。
その様子に、修羅一丈は警戒したのか、後退りをする。
「ゆくぞ、修羅一丈…」
「来い、小僧!」
一歩だった、一歩で間合いを詰めると、修羅一丈に二刀の嵐のような乱撃を見舞う。
「くうう、この力は…あの時の…」
「終わりだ…修羅一丈」
真当流…龍虎無双!
乱れ斬る、乱れ斬る、気を纏った乱撃は、受けに回った修羅一丈の刀を折り、奴を滅多斬りにした。
「ぐはっ……」
奴は倒れた。
「小僧、お前の名は? 」
「東堂明」
「東堂明か…ふふ、大鬼獏良とあの世で語り合うネタが出来たわ…ふふ…………」
そう言うと、修羅一丈は事切れたべ。
後は…あの坊さんを何とかしなければ…その場を後に土御門殿の方に向かう。
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