第6話 東堂明、再来、十界仙と対峙の巻
――――
だが、ここ、カスミ姫様のお部屋は涼しいんだべ。
エド城、御用達の陰陽師の力が
美しい
オラ達、護衛取締役は姫の部屋で待機しておってな、襖の近くで、いつ天童達が襲って来てもいいようにしてるんだべ。
まあ、護衛役から昇進してもやる事は変わらないべ。
姫様は、普段は公務のお手伝いで、色んな書類を目に通し、判子を押しているべ。
「はあ…なあ、東堂、本城、
「では、不肖、本城毅一郎誠が話をします」
本城殿が! オラは堅物の本城殿からそんな話をしてくるとは…思わなかったので、つい
「あの堅物の本城殿が…」
呟いてしまったんだべ。
「東堂、お主、俺の
「いや、本城殿が…意外だなと…」
「ふん、ぬかすではないか!では、カスミ姫様…お耳を汚すようではありますが…」
本城殿が語ろうとした時だった、城内に『であえ!であえ!』と声が木霊する。
「本城殿!これは…」
「うむ、例の天童の十界仙だろう…」
「お主達も行って来るのか?」
カスミ姫様が心配そうに、オラ達を見ている、そこで、オラは…
「拙者、東堂明が参るでござる、本城殿は、最後の守りとして、ここに残るでござる」
「東堂…分かった、姫様、本城毅一郎誠が身辺警護に当たります!」
※※※
オラは身辺警護を本城殿に託し、不届き者である…十界仙を迎撃の為、城内を駆けぬけ城下の門まで降りていくと…そこには…。
―――――死体の山が積み上がっていた。
「ひいいい!この化け物共め!」
生き残りの門番と数は少ないが、城内の侍達が必死にここの城の門で敵を食い止めていたんだ。
「拙僧を化け物呼ばりとは…俗世は何とも救い難い…」
泣いているのか…あのおどろおどろしい袈裟を纏った坊さんは…それに坊さんの後ろにいるのは、見覚えのある二人だっぺ。
「おお、小僧じゃないか! 貴様に会いたかったぞ」
「
オラは会いたくなかったぞ、だが…この間とは違い、今度は三人だっぺか…龍我毘沙丸を使わずには…いかないだべか…。
そう思い、龍我毘沙丸に手をかけると…
「お止めなさい」
いつの間にか、横にいた、
「貴方は…」
「私は、将軍家お抱え陰陽師、
「よくそこまで、お分かりでいらっしゃる、だが、土御門様、あやつらを斬り伏せるには…」
「我々を見くびって貰っては困る、ほら、援軍が来たようだね」
振り返ると、あれは…将軍家の剣指南役、
「よもや、撃退していると思って来てみれば…何たる、不覚…将軍家お抱えの柳生神影流の稽古をこなした、益荒男達がこうも、倒されるとは…噂の十界仙とは貴公らだな」
「しかり、
大鬼獏良がズイッと前に出て、名乗り上げる。
オラは、愛刀虎鉄を抜き、構えた。
荒木又左衛門殿が横に並び、オラに言う。
「貴公は、カスミ姫様の護衛取締役の東堂明だな…噂で聞いたぞ、あの十界仙の二人を返り討ちにしたと…頼りにしてる」
頼りにしているのは、オラなんだけどな。
この戦いでは、龍我毘沙丸を使わず、奴らを追い返す、もしくは、この場で出来るなら、斬り伏せて見せるんだべさ。
「来るぞ、東堂、土御門殿!」
オラは大鬼獏良を、荒木殿は修羅一丈を、土御門殿は聖来暗転菩薩を相手に戦いは始まった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます