第5話 東堂明、御台所様、将軍様に謁見するの巻
「「申し訳ありません!天童様!」」
ここは、ヒノモト国にある僕の神殿。
僕の前に、
「仮にも、十界仙の二人がたかが…一人の侍に返り討ちにあうなんてね…おおっと、畏まらないでよ、たかがと言ったが、この七百年、盤石だった、僕の戦力の内、二人も退けた、その侍…興味深いね」
「我々は、どんな罰でも受ける所存であります」
「いいよ、罰なんて…そんな物に何の価値がある? なあ、みんなもそう思うよな!」
神殿の奥から現れるのは、僕の護衛、作戦遂行の為の選んだ者達、十界仙。
今、集まってるのは…謝罪してるのも含めて、八人か…
残りの二人は…一人は僕と二人きりの時しか、会わない…他の十界仙も姿を知らない。
もう一人は、ただひたすら、人外になっても、素振りをしてる…剣の探究に余念がない、老剣士だ。
そして、今、居るのが…
以上、八名が集まってるな、さて…次は何して遊ぶか
「大鬼獏良、修羅一丈、君達に助っ人を寄越そう…聖来暗転菩薩、君の力を貸してやれ」
「分かりました…拙僧の力を奮いましょう、お二人とも宜しく頼むよ」
「応!」
「こちらこそ頼む」
さて…お遊びの始まりだ、カスミ姫を
※※※
翌日
オラと本城殿は
「二人とも、まず、昇進おめでとうございます、これを機に、職務に益々励んで欲しいわ」
「「ハッハー、勿体なき御言葉を!」」
オラ達は素直に、称賛の言葉を貰ったべ。
「あとね、大老様には、叱られてましたが、東堂、貴方はカスミ姫には、よく遊んで上げてね」
「ハッ!しかし、御台所様、それは…宜しいのでしょうか? 城下町へと姫を遊びに連れ出した拙者が言うのも、おかしな話ではありますが…」
「良いのです、大老様には
御台所様が、そういうと涙を流しているべ。
「御台所様! どうかされましたか、拙者達が無礼が働いてしまったならば、どうかご容赦を…こら、東堂、お主も頭を下げぬか!」
「ハッ、御台所様、どうかご容赦を!」
「お二人共、顔を上げなさい」
御台所様はそう言って、オラ達にそう言ったので、オラ達は顔を上げた。
「あの子にも、生きる喜びをあげれると思ったら、涙がでたのです、東堂、本城、貴方達が
カスミ姫様の母親なりの愛情を感じたべよ。
愛娘が人間らしく生きるのに、身分は関係ないべな…オラもおっかぁによく師匠の練習の後に、心配されたもんだべ。
「私からはそれだけです、あの子を宜しく頼みます」
御台所様が頭を下げられたべ!恐れ多く、オラも本城殿も頭を下げた。
「御台所様」
襖の奥から、
「ツバメ、どうかしましたか?」
「実は…将軍様が東堂明、本城毅一郎誠、両名に会いたいと…その…今、襖を開けますね…」
襖が開けられ、部屋に入って来たのは、当代将軍、徳沢宗家様だ!
「「将軍様、勝手にこの場に来て申し訳ありません」」
一応、ここは、大奥の間に相当する。
本来なら、将軍様以外の男は入るのは、御法度なんだべ、だけんども、御台所様のお呼びで来てしまった…この状況、どうするべ、今度こそ、お払い箱か…そう、緊張していると…
「そう、畏まるな!ほれ、足も崩してもよい、東堂、本城、お主達の活躍は耳にしておる、特に東堂、誠にその忠義、ご苦労である」
将軍様は意外にも、怒らずに…寧ろ、お褒めの言葉を頂いた。
「その将軍様、怒らないのですか? 拙者達がこのような場所にいては…」
「構わん…東堂明、余の娘をよくぞ守ってくれた! その剣腕をこれからも振るってくれると誓えるか?」
「そうか、そうか…ほれ、カスミも入って来なさい!」
姫様もいたのだっぺ! まさかの将軍様一家の前にこうして立ち会うとは、夢にも思って無かったべ。
「東堂」
姫様は生気がないのは、以前と変わりなさそうだが…だが、表情には嬉しさが出ているように感じた。
「はい!!何でございましょう!」
「
場に緊張が走った!母君、父君である御台所様と将軍様の前で、何と返事をするべよ。
頭が混乱するべ、そんなオラはとんでもない事を口を滑らしたべ。
「好きであります…………姫様はオラの事が好きだっぺか?」
ッッッ!?オラは何と言う事を言ったっぺ!
流石に不味い事を口に出した事を後悔したべ。
「そうか、そなたは私の事が好きか…私は東堂、そなたの事を好きになれん…すまんの」
一連の様子を見ていた、将軍様と御台所様は笑っていた。
「東堂、流石、剛胆な気持ちを持っておる、だが…余の娘の目にはかなわなかったようだ、ワハハハハ」
「東堂、貴方…大胆なのですのね…フフフ」
「東堂殿、調子がよすぎですぞ」
挙げ句に御小姓のツバメ殿には、小言を言われる始末、何だべ、みんなして…オラ、決めったべ。
いつか、姫様をオラに惚れさせるっぺ
※※※
東堂、本城、御小姓のツバメ、父上が部屋から、出ていった。
居るのは、母君だけだ。
「母上…私…」
「分かってます、東堂明の事は本当は好いておるのでしょ、あの場で本心を言わなかったのも、何か理由があるのでしょう」
だって、だって、私に惚れてたら、あの男…無理をするのだもの。
それなら、はじめから、好いておらんと言えば…無理しないと思ったの。
「女心は複雑ね、カスミ」
「母上、私、私、本当は…」
「いいの、いいの、我慢しなくてもいい日がきっと来るわ」
母上の言葉が救いだった…東堂…好きだ!
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